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夜、家族が寝たあとに歯をみがこうとすると、思いのほか音が響きます。洗面所の扉を閉めても、廊下まで届いている気がする。朝も同じで、まだ寝ている子どもを起こしてしまわないかと、途中で手が止まったりします。
この「うるさい」には、実は二種類あります。買った時から音が大きい機種を使っているのか、それとも使っているうちに音が変わってきたのか。この二つは原因がまったく違うので、混ぜて考えると解決しません。
先に切り分けから始めましょう。ここが決まると、やることは意外とはっきりします。
「急に変わった」なら、たいてい直せます
先週までは気にならなかったのに、最近やけに耳につく。ガタガタ、カタカタという音が混じるようになった。この場合は、機械が壊れたというよりブラシと本体の当たり方が変わった可能性が高いです。
試す順番はこうなります。
- 替えブラシをいったん外して、付け直す。これだけで直ることがかなりあります。斜めに入っていたり、奥まで入っていなかったりすると、動くたびに本体と当たって音になります
- 軸の根元の汚れを落とす。歯みがき粉が乾いて固まったものが挟まっていると、装着が浮きます。流水で流して、綿棒でくぼみを拭いてください
- 別の替えブラシを付けてみる。ブラシ側が変形していたり、長く使って内側がすり減っていたりすると、がたつきの原因になります。付け替えて音が変われば、犯人はブラシです
- 満充電にしてから使ってみる。電池が減ってくると、振動の勢いが落ちて音の質が変わることがあります。「弱いのにうるさい」という感じ方になったら、これを疑います
四つ試して直らない場合は、内部の可動部分がすり減っている可能性があります。ここは自分で開けて直せるところではありません。分解はしないでください。水回りで使う道具なので、開けた時点で防水の構造が失われます。
軸の根元の掃除は、ついでに黒ずみの確認もできるところです。汚れがたまりやすい場所なので、黒い点が出ていないかも見ておくといいと思います。ようじや針でほじらないのは、こちらの作業でも同じです。
| 音の様子 | 疑うところ |
|---|---|
| カタカタ、ガタガタと打つような音 | ブラシの装着のゆるみ・汚れの噛み込み |
| ジャーという音が大きくなった | ブラシの劣化・内部の摩耗 |
| 勢いは弱いのに音は大きい | 電池の劣化 |
| 使っている途中で音が途切れる | 電池の劣化が進んだ状態 |
| キーンという高い音が混じる | ブラシの当たり方。付け直しで変わることがあります |
| 本体が熱くなる・変形している | 使用と充電をやめてください |
電池が原因かどうかは、充電の様子でも分かります。満充電にしたのに数日しかもたないようなら、充電のトラブルをまとめた記事のほうも見てみてください。音と持ちの両方が落ちているなら、寿命の範囲です。
「もともと大きい」場合:振動の方式で傾向が変わります
買った時からこうだった、という場合。ここは製品の性格なので、直すというより付き合い方を変える話になります。
電動歯ブラシの動き方には、大きく二つの系統があります。
- ブラシが左右に回転する(往復回転する)タイプ。歯を一本ずつ当てていく使い方に向いています。動きが大きい分、機械が動いている感じの音が出やすい傾向があります
- 高速で細かく振動するタイプ(音波式と呼ばれるもの)。ブラシ全体を歯に当てて動かします。細かい振動なので、高めの音になりやすい傾向があります
どちらが静かかは、正直なところ機種によります。同じ方式でも作りで変わりますし、手元に実測値があるわけではないので、ここで断定はしません。ただ、音の「質」が違うのは確かで、人によって気になる音が違います。低くて響く音が苦手な方と、高くて耳につく音が苦手な方がいる、という感じです。
それから、大事なことをひとつ。あなたに聞こえている音の大半は、空気を伝わってくる音ではありません。ブラシは歯に当たっていて、歯は顎の骨につながっていて、骨は頭蓋骨につながっています。振動が骨を伝って、直接耳の奥に届いている。だから、自分に聞こえている音は、隣の部屋に届いている音よりずっと大きいのです。
「こんな音を毎晩たてて、家族に迷惑では」と気にされている方は、いちど家族に確認してみてください。思っていたより聞こえていないことが多いです。
今日から音を小さくする、五つのやり方
機種を変えずにできることが、いくつかあります。
ひとつめ、口を閉じてみがく。いちばん効きます。口が開いていると、口の中が共鳴する箱になって、音が外へ出ていきます。奥歯をみがく時はどうしても開きますが、意識するだけで違います。唇を軽く閉じるだけで構いません。
ふたつめ、押しつける力を抜く。強く当てると、ブラシの動きが妨げられて、モーターに負荷がかかった音になります。電動歯ブラシは、当てて添えるだけで動いてくれる道具です。力を抜くと音が下がるうえ、歯ぐきへの負担も減ります。
三つめ、タオルを頬に当てる。みがいている側の頬に、たたんだタオルを軽く押し当てます。振動が布に吸われるので、外に出る音がやわらぎます。地味ですが、夜には効きます。
四つめ、やさしいモード・弱モードを使う。多くの機種にモードの切り替えがあります。夜だけ弱いモードにする、という使い分けは無理がありません。
五つめ、洗面所の扉を閉めて、換気扇を止める。換気扇の音は低く響くので、電動歯ブラシと合わさると全体の音量が上がります。歯みがきのあいだだけ止めるという手もあります。
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時間帯をずらすという、いちばん簡単な手
そもそもの話として、夜みがきを寝る直前ではなく、夕食の後すぐに済ませてしまうという方法があります。家族がまだ起きている時間なら、音を気にする必要がありません。
朝も同じで、家族より先に起きる方は、起きてすぐではなく、家を出る直前にみがくようにすると、誰かが起きている時間帯に移せます。
それでも時間をずらせない、という場合の逃げ道として、その日だけ手みがきにするのもありだと思います。毎日電動でなければならない決まりはありません。旅行先や、赤ちゃんが寝ている横で、という場面では現実的な選択です。
| 場面 | 向いている工夫 |
|---|---|
| 家族が寝ている深夜 | 時間をずらす/弱モード/口を閉じる |
| 集合住宅で夜が気になる | 洗面所の扉を閉める/頬にタオル |
| 赤ちゃんがすぐそばで寝ている | その日は手みがきにする |
| 自分の耳に響くのがつらい | 押しつける力を抜く/方式の違う機種を検討 |
| 急に音が大きくなった | ブラシの付け直し・掃除・交換・満充電 |
買い替える時に見ておくと違うところ
音を理由に買い替えを考える場合、注意していただきたいことがあります。「静音」という表現の基準は、メーカーごとに違います。数値が書かれていない商品説明も多いので、言葉だけで選ぶと期待とずれます。
現実的に見るとよいのは、このあたりです。
- 動作音の数値(dB)が書かれているか。書いてある機種は、そこを気にして作られていると考えられます
- モードの数と種類。弱いモードがあるかどうかは、夜に効きます
- 今使っているのと違う方式かどうか。同じ方式に買い替えると、音の質は似たものになりがちです
- 替えブラシが手に入りやすいか。音とは別ですが、長く使えるかどうかを決める要素です
探す時は、商品説明に動作音やモードの記載があるものから見ていくと外しにくいです。楽天市場で静音性をうたう電動歯ブラシを見る/Amazonで見るから、方式とモードの記載を確かめてみてください。
そして最後に。この記事は音と道具の話です。みがいている時に痛みがある、歯ぐきから出血する、といった症状が続く場合は、歯科医院で相談してください。力の入れ方やブラシの当て方は、口の中の状態によって適したものが変わります。
まとめ:まず、急に変わったのかを確かめる
- 「急に変わった」のか「もともと大きい」のかで、やることがまったく違います
- 急に変わった場合は、ブラシを外して付け直すのが最初です。これで直ることがよくあります
- 軸の根元の汚れを落とす。固まった歯みがき粉が装着を浮かせます
- 別の替えブラシで試すと、ブラシ側かどうかが分かります
- 勢いが弱いのに音が大きいなら電池の劣化を疑ってください
- 分解はしないでください。防水の構造が失われます。本体が熱い・変形している時は使用をやめてください
- もともと大きい場合、聞こえている音の多くは骨を伝わって自分に届いている音です。外にはそこまで漏れていません
- すぐできる工夫は口を閉じる・力を抜く・頬にタオル・弱モード・換気扇を止めるの五つ
- 時間帯をずらすのがいちばん簡単です。夜みがきを夕食後に移すだけで解決することがあります
- 買い替える時は動作音の記載・モードの種類・今と違う方式かを見てください。「静音」の言葉だけでは決められません
保存版:この記事の早見表
切り分けの手順と、今日からできる音を下げる工夫を1枚にまとめました。洗面所で手が止まった時に、上から順に試してみてください。



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