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ケースを開けた瞬間、なんとも言えないにおいがする。耳に入れる時に、ふっと鼻についてしまう。ワイヤレスイヤホンのにおいに気づいてしまうと、そのあとずっと気になります。
そして多くの方が、まず自分の耳を疑います。「耳垢がたまっているのかな」「自分だけかな」と。ここはお伝えしておきたいのですが、においが出るのは、耳が汚れているからではなく、イヤホンの構造がにおいを溜めやすいからです。ずっと同じところに、体温と湿気と皮脂が集まる。条件がそろってしまっているだけです。
ややこしいのは、拭いているのに戻ってくる場合です。これはたいてい、拭いている場所とにおいの出どころが違います。順番に見ていきますね。
においの正体は、耳垢と皮脂が酸化したものです
耳の穴の中では、皮脂に近い分泌物が絶えず出ています。耳垢はこれと、はがれた皮膚が混ざったものです。ここまでは誰にでも起きていることで、汚れているという話ではありません。
問題は、そのあとです。イヤホンを入れると、この分泌物がイヤーピースの表面と、本体の網目に移ります。そして移った皮脂は、空気に触れて時間が経つと酸化します。使ったあとのフライパンに残った油が、翌日には違うにおいになっているのと同じ変化です。
さらにワイヤレスイヤホンには、もうひとつ条件が重なります。使い終わったらすぐ、密閉されたケースに入れる。耳から出したばかりのイヤホンは、体温で温まっていて、うっすら湿っています。それを閉じ込めるので、においが逃げないだけでなく、雑菌が増えやすい環境がそろってしまいます。
つまり、においは「汚れ」と「湿気」と「密閉」の三つがそろって出てくるものです。だから対策も、この三つを崩す形になります。
イヤーピースは外して洗えます。ここがいちばん効きます
においの発生源として、いちばん強いのがシリコンのイヤーピースです。柔らかい素材の細かい凹凸に、皮脂が入り込んでいます。
そして幸いなことに、ここは唯一、水でしっかり洗える部分です。
- 本体から引き抜きます。まっすぐ引っぱると外れます。ねじりながら引くと軸を傷めるので、まっすぐに
- 裏返します。これが要点です。内側の面に汚れが溜まっているので、表だけ洗っても意味がありません
- ぬるま湯に中性洗剤を少し溶かして、指でもみ洗いします。食器用洗剤で構いません
- よくすすぎます。洗剤が残ると、それがまた耳のかゆみのもとになります
- 完全に乾かしてから戻します。ここも急がないでください。湿ったまま本体に戻すと、軸のところに水が残ります
洗った直後は驚くほどにおいが消えます。「こんなに違うのか」と感じたら、それは今まで洗っていなかった分の蓄積です。
本体は水洗いできません。拭き方のこつ
イヤホン本体、とくに音の出る網目の部分は、水にひたせません。防水表示のある機種でも、洗剤を含んだ水に沈めることは想定されていません。
ここの掃除は、乾いたものだけで進めるのが基本です。
- 乾いた綿棒で、網目の表面をなでる。粉状の耳垢は、これでかなり落ちます
- 使い古しの歯ブラシを乾いたまま使って、目の中の粉をはらう。力を入れず、表面をかすめる程度に
- それでも気になる時だけ、消毒用エタノールをごく少量つけた綿棒で外側を拭く。綿棒はティッシュで一度押さえて、余分を取ってから使ってください
- 網目に液体を流し込まない。中には振動板という薄い膜があります。ここに液が届くと音が変わります
それから、金属のもので穴をつつかないでください。取れそうに見えますが、網が破れると異物が直接内部へ入るようになります。網は蓋の役目をしているので、そこは残しておきたいところです。
見落とされるのはケースの中です
イヤホンばかり気にしていて、ケースをそのままにしている方は多いです。ですが、においの半分はここから来ていることがあります。
ケースの穴の底には、イヤホンから落ちた耳垢の粉と、皮脂と、そして湿気がたまります。使い終わったイヤホンを入れて蓋を閉めるので、密閉された小さな空間で湿ったまま何時間も置かれることになる。においが育つには十分な条件です。
やることは二つだけです。
- 乾いた綿棒で、穴の底と縁を拭く。週に一度で十分です。充電の接点も同時にきれいになるので、接触不良の予防にもなります
- 蓋を開けたまま置く時間を作る。帰宅してすぐしまうのではなく、机の上で蓋を開けて三十分置いておくだけで、こもり方が変わります
「洗っているのに、しばらくすると戻る」という時は、たいていケース側が残っています。清潔にしたイヤホンを、においの残ったケースに戻しているわけですから、また移ります。この構造は、洗っているのに臭う水筒とまったく同じで、水筒のにおいが取れない時も、原因はたいてい本体ではなくパッキンのほうにあります。
それでも取れない時は、部品の寿命です
洗って、乾かして、ケースも拭いた。それでもにおいが残る。この場合は、イヤーピースの素材そのものににおいが入り込んでいると考えたほうが早いです。
シリコンは長く使うと、表面が少しずつ荒れて、細かい傷が入ります。ここに入り込んだものは、もみ洗いでは出てきません。同時に、へたって弾力が落ちるので、装着感も悪くなります。
| イヤーピースの様子 | 判断 |
|---|---|
| 洗えばにおいが消え、しばらくもつ | まだ使えます。月に一度の洗浄を続けてください |
| 洗った直後から、うっすらにおう | 交換の時期です |
| 指で押しても、もとの形に戻りにくい | へたっています。音漏れや外れやすさの原因にも |
| 表面がべたつく・白っぽく変色した | 素材の劣化です。交換してください |
| 小さな裂け目がある | 交換してください。裂け目に汚れが入り込みます |
交換の目安は三か月から半年あたりでよく言われます。毎日長時間使う方は短め、たまに使う方は長めと考えてください。純正の替えが手に入らない機種でも、軸の太さが合う汎用品が使えることが多いです。楽天市場で交換用イヤーピースを見る/Amazonで見るから、対応機種の記載とサイズを確かめてみてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『イヤーピースって、消耗品だと思っていない人が多いんですよね。私も何年も同じのを使っていました』
ちなみに交換する時は、サイズを変えてみるのもおすすめです。合っていないサイズは隙間ができて、汗や湿気が入りやすくなります。装着が安定すると、においだけでなく音も良くなります。
においを出さないための、毎日の三つ
ここまでの対策を、続けられる形にまとめるとこうなります。
- 外したら、乾いた布でひと拭きしてからケースへ。五秒で終わります。これが一番効きます
- 汗をかいた後は、すぐ蓋を閉めない。少し置いて、湿気を飛ばしてからしまいます
- 週に一度、ケースの中を乾いた綿棒で。ついでに接点も拭けます
この三つ目は、におい対策であると同時に充電トラブルの予防にもなります。接点の汚れは充電できなくなる原因の大半を占めるので、同じ動作でふたつの問題を防げることになります。
それから、水に濡らしてしまった後はにおいが出やすくなります。内部に残った水分が抜けきらないためです。水没させた時の乾かし方は、においの面から見ても大事な手順になっています。
最後にひとつだけ。耳にかゆみや痛み、赤みが出ている時は、イヤホンの使用を控えて、耳鼻科で相談してください。においの相談だったはずが、耳の側の症状だったという場合があります。ここは自己判断で続けないほうがいい場面です。
まとめ:洗う場所を間違えなければ、においは戻りません
- においの正体は耳垢と皮脂が酸化したものと、湿ったまま密閉されたことで増える雑菌です
- 耳が汚れているからではありません。構造がにおいを溜めやすいだけです
- いちばん強い発生源はイヤーピース。外して裏返して、ぬるま湯と中性洗剤でもみ洗いします
- すすぎと乾燥を省かないでください。洗剤が残るとかゆみのもとになります
- 本体は水洗いできません。乾いた綿棒と歯ブラシで、仕上げに消毒用エタノールをごく少量
- 網目に液体を流し込まないでください。金属で穴をつつくのも避けてください
- 見落としがちなのがケースの底。週に一度、乾いた綿棒で拭きます
- 蓋を開けたまま置く時間を作ると、こもり方が変わります
- 洗った直後からにおうならイヤーピースの寿命です。目安は3か月〜半年
- 耳にかゆみや痛みがある時は使用を控えて、耳鼻科で相談してください
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においの出どころ三か所と、それぞれの洗い方・拭き方を1枚にまとめました。イヤホンを手に持って、上から順に確かめてみてください。



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