ファスナーを縫わずに後付けする方法——布用接着剤・アイロン接着テープ・面ファスナーの3択。向き不向きの決め方、手順、どのくらいもつのか、力がかかる所は縫ったほうがいい話

家事

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ミシンは押し入れの奥、手縫いは正直やりたくない。でも、口の開いたポーチにファスナーを付けたい。クッションカバーの背中を閉じたい。子どもの巾着の口をふさぎたい。——「縫えばいいのは分かってるけど」という布物が、しばらく放置されている家は多いと思います。

先に結論をひとつ。縫わずにファスナーを付けることはできます。ただし「どこに付けるか」で向き不向きがはっきり分かれます。ここを見誤ると、数回使っただけで端からぺろりとはがれてがっかりすることになるんです。選び方から手順、もちの目安まで、順番に見ていきましょう。

「縫わない」の選択肢は3つ

まずは全体像から。縫わずにファスナー(またはファスナーの代わり)を付ける方法は、大きく3つです。

  1. 布用の接着剤で貼る。手芸用の、布に使えるタイプの接着剤を使って、ファスナーのテープ部分を布に貼ります。洗濯できると表示のあるものを選ぶのがポイント。曲線にも使えて、細かい調整がききます
  2. アイロン接着テープで貼る。両面に接着の力がある薄いテープを間にはさんで、アイロンの熱で接着します。直線の作業が早くて、仕上がりも薄くきれい。ただし生地の表示で使える温度が決まっているので、そこの確認が要ります
  3. ファスナーをやめて、面ファスナーやスナップで代える。そもそもファスナーでなくてもいい場面、けっこうあるんです。面ファスナーなら貼るだけ、スナップなら打ち具や手縫いで数か所。開け閉めの回数が多い物なら、こちらのほうが長もちすることもあります

向き不向きの決め方——3つの質問で決まります

自分の布物にどれが合うかは、次の3つを自分に聞いてみると決まります。

  • 洗う物ですか? 洗濯機で回す物なら、接着剤もテープも「洗濯できる」表示のあるものを選びます。それでも回数を重ねればゆるみます。毎週洗うクッションカバーのようなものは、正直、縫うほうが結果的に楽です
  • 力がかかる所ですか? かばんの口、ズボンの前、リュック——引っぱられる場所は接着だけでは持ちません。ここは後で詳しく書きます
  • 見た目をどこまで気にしますか? 接着剤ははみ出すとてかりが出ます。アイロン接着テープは薄く仕上がる代わりに、厚みのある生地では端が浮きやすい。表から見える場所なら、テープのほうがきれいに収まりやすいです

「あまり洗わない・力がかからない・見た目もほどほど」なら、縫わない方法がしっかりはまります。小物入れ、ぬいぐるみの背中、飾りのポーチ、季節のカバー。そういう物から試してみてください。

布用接着剤で付ける手順

いちばん道具が少なくて済む方法です。手順というより、押さえどころが5つあります。

  1. 生地との相性を確かめる。接着剤のパッケージに、使える生地と使えない生地が書かれています。撥水加工のある生地、表面がつるつるした化繊、革は付きにくいことが多いです。目立たない所か、同じ生地の切れ端で先に試すと失敗が減ります
  2. ファスナーを閉じた状態で位置を決める。開いたまま位置を合わせると、閉じた時に布が突っぱります。閉じた状態で布の上に置き、洗濯ばさみやクリップで仮どめしてから、鉛筆やチャコで線を引きます
  3. 接着剤は薄く、テープ部分だけに。ファスナーの布の部分(テープ)にだけ、細く線を引くように出します。務歯(ぎざぎざの部分)に付けないこと。ここに付くと固まって動かなくなります。はみ出したら、乾く前に綿棒でそっと拭き取ります
  4. 貼ったら、しっかり押さえて完全に乾かす。ここがいちばん大事なところ。本にはさむ、洗濯ばさみで留めるなどして圧をかけ、パッケージに書かれた時間、完全に乾かします。「もういいかな」で早く動かすと、そこから浮いてきます。丸一日置くくらいの気持ちで
  5. 洗濯は表示のとおりに。「洗濯できる」と書かれていても、完全に乾かしてからでないと効きません。初回はネットに入れて、弱い水流で

接着剤を使う時は窓を開けて換気を。においがこもると気分が悪くなりますし、においが残った物を子どもに持たせたくないですよね。子どもの手の届かない所で作業して、使い終わったらすぐ片づける。もし目に入ったり皮膚に付いたりしたら、すぐ流水でよく洗ってください。目に入った場合や、しみる・赤くなるといった症状が続く時は眼科・皮膚科へ。パッケージの注意書きにも目を通しておくと安心です。

洗う?力がかかる?見た目は?の3つで方法が決まる縫わない3つの手①布用接着剤 曲線もいける②アイロン接着テープ 直線が早く薄い③面ファスナー・ スナップで代える接着剤の押さえどころ切れ端で相性を試す閉じた状態で仮どめテープ部分にだけ薄く 務歯に付けない圧をかけて完全に乾かす換気して作業するアイロンテープの要点生地の表示で温度確認化繊は低温・当て布押し当てて動かさない冷めるまで触らない厚い生地は端が浮く→端だけ数針縫うかばんの口・ズボン・子どもの物など力がかかる所は、正直に「縫う」折衷案:上端・下端・真ん中の3か所だけ手縫いで止める(もちが大きく変わる)接着剤は換気・子どもの手の届かない所へ/目や皮膚に付いたら流水で洗う/小さな部品の誤飲に注意

アイロン接着テープで付ける手順

直線に付けるなら、こちらのほうが早くてきれいです。ただし熱を使うので、確認するところがあります。

  1. まず生地の洗濯表示を見る。アイロンが使えるか、使えるなら何度までか。化学繊維は低温で、必ず当て布をしてください。表示に「アイロン不可」とある生地には使えません。ここを飛ばすと、生地がてかったり縮んだり、最悪は溶けてしまいます
  2. テープと生地の相性も確かめる。テープのパッケージにも使える生地が書かれています。目立たない所で試してから本番へ
  3. ファスナーを閉じて、テープをはさんで位置を決める。ファスナーのテープ部分と布の間に、接着テープを置きます。クリップで仮どめを。まち針はアイロンに当たると危ないので、使うなら金属でないクリップのほうが安心です
  4. 押し当てて、動かさない。アイロンは滑らせず、上から押さえるように。パッケージに書かれた秒数、一か所ずつ順に。滑らせるとテープがずれて、変な所に接着します
  5. 冷めるまで触らない。熱いうちは接着が固まっていません。完全に冷めてから、そっと開け閉めを試します

アイロンは家電の中でもやけどしやすい道具です。子どもが近くにいない時間に、コードを引っかけない場所で。使い終わったら電源を抜いて、冷めるまで手の届かない所に置いてくださいね。厚みのあるデニムや帆布は、テープの接着だけでは端が浮きやすいので、そこは次の話につながります。

力がかかる所は、正直に「縫った」ほうがいいです

ここは正直に書きます。次のような場所は、接着だけではまず持ちません。

  • かばんやリュックの口。物を入れたまま持ち上げると、ファスナーの付け根に全体の重みがかかります
  • ズボン・スカートの前。座る、しゃがむ、動く。一日中いちばん引っぱられる場所です
  • 子どもの持ち物。大人の想定の何倍もの力で引っぱられます。小学生の男の子だと、ファスナーを「引っぱって開ける」ではなく「引きちぎるように開ける」ので、接着では一週間ももたなかった、という話をよく聞きます
  • クッションや布団のカバー。中身を入れる時にぐいぐい引っぱるうえ、洗う回数も多い
  • 体重や荷重がかかる物全般。座布団カバー、ソファカバーなど

接着がはがれた状態で使い続けると、開け閉めのたびに生地が引っぱられて、布のほうが破れてしまうことがあります。結果的に直すのが大変になるので、力のかかる所は最初から縫うと決めてしまったほうが、時間もお金も節約になります。

縫わない方法は、どのくらいもつのか

いちばん聞かれるところですが、生地・接着剤・使い方・洗う回数で大きく変わるので、何か月とは言い切れません。そのうえで、目安になる考え方を書きます。

  • 洗わない・力がかからない物(飾りのポーチ、ぬいぐるみ、季節の小物入れ)→ 気にせず長く使えることが多い
  • ときどき手洗いする物(小さなポーチ、ペンケース)→ 洗うたびに少しずつゆるむ。端から浮いてきたら、そこだけ塗り直す
  • 洗濯機で回す物(衣類、カバー類)→ 数回で端が浮くこともあります。洗濯ネットに入れて弱い水流にすると、もちが変わります
  • 毎日開け閉めする物 → 開け閉めの力が付け根に集中します。接着だけなら早めに傷むと思っておいてください

「はがれてきたら塗り直す」を前提にするなら、縫わない方法は十分実用的です。逆に「一度付けたらずっと」を求めるなら、縫う方向で考えたほうが気持ちが楽になります。

折衷案:「縫う」の最小版——3か所だけ止める

どうしても縫いたくない人に、いちばんおすすめしたいのがこれです。接着で全体を貼ったうえで、上端・下端・真ん中の3か所だけを手縫いで数針止める。これだけで、もちがはっきり変わります。

  1. 接着剤かアイロンテープで、まず全体を貼って完全に乾かす(冷ます)
  2. ファスナーの上端と下端、それに真ん中あたりの3か所を選ぶ。いちばん力がかかるのは上端と下端です
  3. その3か所を、玉止めをしっかりした糸で、返し縫いを2〜3針ずつ。針目が表に出ても、ファスナーの端なら目立ちません
  4. 針は使う前と後で本数を数えて、必ず針山へ。小さな部品や折れた針、外れた金具は、小さな子やペットの誤飲につながります。作業中に落とした物は、その場で拾って数を確かめてください

「全部縫う」は大変でも、「6か所くらい針を刺す」なら5分です。この折衷案を知ると、縫うことへの抵抗がずいぶん減ると思います。

ゆきこ( ゚Д゚)『子どもの給食袋を布用ボンドだけで直したら、三日で口がぱっくり開いて帰ってきた、という話はよくある失敗ですよね。同じ物を上下だけ数針縫って貼り直したら学期の終わりまで無事だった、という声も読みました。子どもの物は「接着+数針」が正解だと思います』

失敗した時の剥がし方

位置がずれた、務歯に接着剤が付いた、思ったより見た目が悪い。やり直したい時の手です。

  • アイロン接着テープ:もう一度アイロンで温めて、やわらかくなったところをゆっくり引き剥がします。一気に引っぱると生地が毛羽立つので、少しずつ。残ったのりは、温めながら当て布に移し取るようにすると取れやすいです。詳しい要領はすそ上げテープの剥がし方と同じなので、そちらもどうぞ
  • 布用接着剤:完全に乾いてからだと、はがすのはかなり大変です。乾く前に気づいたら、その場で拭き取ってやり直すのがいちばん。乾いてしまったら、生地を傷めない範囲で少しずつ。無理に引っぱると布が破れます
  • 務歯に接着剤が付いて動かなくなった:無理に引っぱるとスライダーや務歯が壊れます。開かなくなった時の切り分けはファスナーが開かない時の記事に書きました。スライダー自体が壊れているならスライダーの交換
  • やり直すなら、別の方法に切り替えるのも手です。同じ方法で二度失敗するくらいなら、面ファスナーやスナップに変えてしまったほうが、結果的に長く使えることがあります

接着剤は「洗濯できる」表示のあるものかどうかで、後の満足度がまるで違います。テープの貼り方全般で迷ったら両面テープの代用の記事も、粘着の性質を知るという意味で役に立つと思います。


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付けたファスナーが動かなくなったらファスナーが開かない時の対処へ。スライダーそのものが折れた時はスライダーの交換のしかたを。貼ったテープをはがしたい時はすそ上げテープの剥がし方、粘着の道具を選び直したい時は両面テープの代用もあわせてどうぞ。

まとめ:縫わない後付けは「場所」で決まる

  1. 縫わない手は布用接着剤・アイロン接着テープ・面ファスナーの3つ
  2. 選ぶ基準は洗うか・力がかかるか・見た目の3つの質問
  3. 接着剤はテープ部分にだけ薄く、圧をかけて完全に乾かす
  4. アイロンは生地の表示を確認、化繊は低温で当て布を必ず
  5. 力がかかる所は3か所だけ縫う。それでもちが大きく変わる

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

ファスナーを縫わずに後付けする方法の早見表:縫わない選択肢は布用接着剤、アイロン接着テープ、面ファスナーやスナップで代えるの3つ。向き不向きは、洗う物か、力がかかる所か、見た目を気にするかの3つの質問で決まる。布用接着剤の手順は、切れ端で生地との相性を試す、ファスナーを閉じた状態で位置を決めてクリップで仮どめ、テープ部分にだけ薄く塗って務歯には付けない、圧をかけて表示の時間しっかり完全に乾かす、洗濯はネットに入れて弱い水流で。アイロン接着テープは、生地の洗濯表示で温度を確認し化学繊維は低温で当て布、押し当てて滑らせない、冷めるまで触らない。かばんの口、ズボン、子どもの物、カバー類など力がかかる所は縫う。折衷案は接着したうえで上端と下端と真ん中の3か所だけ数針縫う。もちは洗う回数と力で変わるので、はがれたら塗り直す前提で。接着剤は換気して使い子どもの手の届かない所に置き、目や皮膚に付いたら流水で洗う。小さな部品や針の誤飲に注意

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