熱中症は日中だけでなく、寝ている間にも起こります。眠っているとのどの渇きに気づけず、汗で水分が抜け続けるためです。エアコンの設定、寝具の選び方、水分の取り方、医療機関に相談する目安をまとめました。なお、この記事は一般的な情報の整理です。心配なときは医師に相談してください。
夜間の熱中症対策 早見表
| 対策 | 目安 | なぜ |
|---|---|---|
| エアコンをつけっぱなしにする | 26〜28℃ | タイマーで切ると明け方に室温が上がります |
| 風は体に当てない | 壁か天井に向ける | 直接当たると体が冷えすぎます |
| 就寝前に水を1杯 | コップ1杯(200mL) | 夜のあいだに失う分を先に入れます |
| 枕元に水を置く | ふた付きの容器 | 夜中に起きたときすぐ飲めます |
| 吸湿速乾の寝具にする | 綿・麻・機能性素材 | 汗を吸って乾くと体温が下がります |
| 湿度を下げる | 50〜60% | 湿度が高いと汗が蒸発しません |
エアコンは切らないほうが安全
「体に悪いから」とタイマーで切る方が多いのですが、夜間の熱中症はむしろこれで起こります。切れたあと、明け方までに室温がじわじわ上がっていくためです。
- 設定は26〜28℃…冷やしすぎず、暑くしすぎない範囲です
- つけっぱなしにする…タイマーで切ると2〜3時間後に暑さで目が覚めます
- 風は体に当てない…風向きを上か壁に向けます。直接当たると体の一部だけ冷えて、だるさや腹痛の原因になります
- 除湿を併用する…湿度が高いと汗が蒸発せず、体温が下がりません
- 扇風機は首振りで壁に向ける…空気を回すだけにします
電気代が心配な場合、28℃のつけっぱなしと、切って暑くなって強めに冷やし直すのを比べると、前者のほうが安く済むことも多いです。温度を上げるほうが、切るより現実的です。
寝る1時間前から部屋を冷やしておくと、壁や布団にこもった熱も抜けて眠りやすくなります。
水分は「寝る前」と「起きたとき」
寝ている間は水を飲めません。その分を前後で補います。
- 就寝前にコップ1杯(200mL)…夜のあいだに失う分を先に入れておきます
- 枕元にふた付きの水を置く…夜中に起きたら一口飲みます
- 起きたらまず1杯…朝の体は水分が足りていない状態です
- 寝る直前のお酒は控える…利尿作用で水分が抜けます
- カフェインも同じ…コーヒーやお茶は夕方までに
トイレが心配で水を控える方もいますが、脱水のほうがリスクが大きいです。一度に大量に飲むのではなく、寝る前に1杯、夜中に一口、と分けるとトイレの回数も抑えられます。
汗を多くかいた日は、水だけでなく塩分も取ってください。夕食で汁物を取る、経口補水液を1本置いておくといった方法があります。
寝具と服で汗を逃がす
| アイテム | 選び方 |
|---|---|
| 敷きパッド | 麻・綿・接触冷感。ポリエステル100%は蒸れやすい |
| 掛け物 | 薄手のタオルケットか肌掛け。腹だけ覆えば十分 |
| パジャマ | 吸湿速乾か綿。裸で寝ると汗が蒸発せず冷えます |
| 枕 | 通気性のあるパイプかそばがら。頭の熱を逃がします |
| マットレス | 通気性のあるもの。すのこベッドも有効 |
裸で寝るのは逆効果です。汗が布に吸われず肌の上に残るので、蒸発せずに体温が下がりません。薄手のパジャマを着たほうが涼しく感じます。
掛け物は薄くても必要です。何もかけないとエアコンで冷えすぎ、腹を冷やして体調を崩します。腹の上にタオルケットを1枚だけ、が現実的です。
とくに気をつけたい人
- 高齢の方…のどの渇きを感じにくく、暑さも感じにくくなります。温度計を置いて数字で判断できるようにします
- 乳幼児…体温調節が未熟です。背中に手を入れて汗をかいていないか確認します
- 持病がある方・薬を飲んでいる方…薬の影響で汗が出にくくなることがあります。かかりつけの医師に相談してください
- 1階より上の階に住む方…屋根や上階からの熱で室温が下がりにくいことがあります
- 西向きの部屋…日中に壁が熱を蓄えて、夜も下がりません
高齢の方の部屋には、温度と湿度が表示される計器を置いておくのが有効です。「暑い」と感じなくても、数字を見て28℃を超えていればエアコンをつける、という判断ができるようになります。
離れて暮らしている場合は、夜に一度電話をして「エアコンつけてる?」と聞くだけでも効果があります。
医療機関に相談する目安
次のような状態のときは、様子を見ずに医療機関に連絡してください。
- 呼びかけへの反応がおかしい・意識がはっきりしない
- 自分で水を飲めない
- まっすぐ歩けない、けいれんがある
- 体が熱いのに汗が出ていない
- 吐いてしまって水分がとれない
- ぐったりして起き上がれない
意識がはっきりしない、自分で水が飲めない場合は救急に連絡してください。待っているあいだは、涼しい場所へ移し、首・脇の下・脚の付け根を冷やします。
軽い場合(頭痛やだるさ程度)でも、涼しい場所で休んで水分と塩分を取り、改善しなければ受診してください。
くり返しになりますが、この記事は一般的な情報を整理したもので、診断や治療の指示ではありません。ご家族の状態に不安があるときは、迷わず医療機関に相談してください。
4コマ漫画でおさらい
詳しい手順や例外は、この上の各見出しにまとめてあります。まずは漫画の流れだけ覚えておけば大丈夫です。
よくある質問
Q. エアコンをつけっぱなしにすると電気代が心配です
設定を28℃にして、扇風機で空気を回すと消費電力を抑えられます。切って暑くなってから強く冷やすより、一定に保つほうが安く済むこともあります。
Q. 扇風機だけで乗り切れますか?
室温が体温に近づくと、扇風機の風では体温が下がりません。28℃を超えるならエアコンを使ってください。扇風機は空気を回す補助として併用するのが有効です。
Q. 夜中に暑くて目が覚めます
エアコンがタイマーで切れているか、設定温度が高すぎる可能性があります。つけっぱなしにして、目が覚める時刻の室温を測ってみてください。
Q. 冷房で体が冷えてだるくなります
風が直接当たっていることが多いです。風向きを上か壁に向け、腹にタオルケットを1枚かけてください。設定を1℃上げるだけでも変わります。
Q. 寝ている子どもが汗だくです
背中に手を入れて確認し、汗をかいていたら着替えさせて水分を取らせてください。汗が引かない場合は室温を1℃下げます。
Q. 保冷剤を枕にするのはどうですか?
首の後ろを軽く冷やすのは有効ですが、直接当てたまま寝ると低温やけどの恐れがあります。タオルを巻いて、寝入るまでの短時間にとどめてください。
Q. 湿度はどのくらいがいいですか?
50〜60%が目安です。湿度が高いと汗が蒸発せず、同じ室温でも体温が下がりません。除湿機能を併用してください。
Q. エアコンがない部屋ではどうすればいいですか?
扇風機で空気を動かし、濡らしたタオルを首に置いて寝る方法があります。ただし室温が高い日は限界があるので、エアコンのある部屋に移って寝るほうが安全です。
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まとめ
夜間の熱中症はエアコンをつけっぱなしにする(26〜28℃)/風を体に当てない/就寝前と起床時に水を1杯でかなり防げます。枕元にふた付きの水を置き、吸湿速乾の寝具にしてください。反応がおかしい、水が飲めないときは救急に連絡を。心配なときは医師に相談してください。


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