排水口のゴボゴボ音、あの音の主役は水ではありません——マンション1階で鳴りやすい理由と自分でできる確認3つ

家事

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夜、キッチンや洗面所のほうから「ゴボッ…ゴボゴボ…」。誰も水を使っていないのに鳴ると、詰まりかけているのかな、と不安になりますよね。しかもマンションの1階に住んでいると、この音に出会う確率がなぜか高い——これには、ちゃんとした構造上の理由があります。

先に種明かしを少しだけすると、あの音を立てている主役は水ではなく、排水管の中の「空気」です。空気の動きとして仕組みを理解すると、「自分で直せる音」と「建物側の事情で鳴っている音」の区別がつくようになり、むやみに薬剤を流したり不安になったりせずに済みます。この記事では、音が生まれる仕組みから、今日できる確認3つ、管理会社への伝え方まで順番にまとめます。

ゴボゴボ音の正体は 空気の引っぱり合い 上の階の排水が たてかんを落ちる シンク 空気がひっぱられる(負圧) 封水が引かれて「ゴボッ」 大雨の日は空気がおし返されて鳴ることも ※洗剤・薬剤のまぜ合わせは絶対にダメ

音の正体:水が空気を引っ張る「サイホンの仕組み」

排水管の中は、いつも水と空気が同居しています。ふだんの少量の排水なら、水は管の下側を流れ、空気は上側をすれ違うように通るので音はしません。ところが、上の階でお風呂の栓を抜いたり洗濯機が一気に脱水したりして大量の水が縦管(各階の排水が合流する太い管)を一度に落ちると、事情が変わります。水のかたまりが管の断面をふさぎながら落ちるため、その後ろの空気がストローで吸われるように一緒に引っ張られて、管の中が負圧(気圧が低い状態)になるんです。

ここで登場するのが、排水口の下にある「トラップの封水」。S字やお椀の形で水を溜めて、下水の臭いや虫をせき止めているフタの役割の水です。管内が負圧になると、この封水が管のほうへ引っ張られます。そして引かれた封水のすきまを空気がくぐり抜ける時の音こそが、あの「ゴボゴボッ」。専門的には誘導サイホン作用と呼ばれる現象です。

つまりあの音は、多くの場合「あなたの部屋の排水口が詰まった音」ではなく、建物のどこかの排水と、あなたの部屋の封水との引っ張り合いの音。誰も水を使っていないのに鳴るのは、上下階の誰かが使っているからなんですね。

大雨の日だけ鳴るのは、空気の「逃げ場」の問題

「ふだんは静かなのに、台風や大雨の日だけゴボゴボいう」というパターンもあります。これも空気で説明がつきます。建物の排水は最終的に敷地の外の下水道へ流れますが、大雨で下水道側の水位が上がると、管の中の空気の通り道がふさがれて、行き場を失った空気が排水管を逆流してくることがあるんです。押し戻された空気が封水を下から持ち上げてくぐる時、やはりゴボッと鳴ります。

この場合、部屋の中でできることはほとんどありません。雨がやめば収まるのが普通なので、慌てて薬剤を流す必要はなし。ただし雨のたびに毎回鳴る・水の流れ自体が悪くなる・臭いが上がってくるという場合は、建物側の排水能力や通気の問題の可能性があるので、管理会社に伝える案件になります(伝え方は後述します)。

マンション1階で鳴りやすい理由:縦管の「いちばん下流」だから

1階の排水口がゴボゴボ鳴りやすいのは、偶然ではありません。各階の排水を集めた縦管は、1階の床下あたりで横向きの管に方向転換して建物の外へ出ていきます。この曲がり角では落ちてきた水の勢いが一気に減速して、水と空気が押し合いへし合いになるため、圧力の変動がいちばん大きくなるんです。1階の排水口は、その変動が起きる場所のすぐ隣に住んでいるようなもの。上の階すべての排水が自分の足元を通過していく、縦管の最下流という立地条件が、音の鳴りやすさの正体です。

逆に言えば、1階でゴボゴボ音がしても「うちの排水口が汚れているせい」とは限らない、ということでもあります。音だけで実害がない(流れは普通・臭いもしない)なら、構造上ある程度は起きる現象です。とはいえ、自分の側の要因で音が増幅されているケースもあるので、次の3つだけは確認しておく価値があります。

自分で確認できる3つ:封水・ゴミ受け・洗濯ホース

確認する場所 見るポイント 対処
①封水 しばらく使っていない排水口(洗濯パン・浴室など)の水が減っていないか コップ1〜2杯の水を静かに注いで補充する
②ゴミ受け・トラップまわり 髪の毛・ヌメリ・食材カスで水の通り道が狭くなっていないか 外せる部品(ゴミ受け・お椀)を洗う。部分詰まりにはパイプクリーナー
③洗濯機の排水ホース ホースの差し込みが深すぎ・つぶれ・防臭ゴムの外れがないか 差し込み直す。脱水のたびに鳴るならここが定番

①の封水補充は、いちばん簡単なのに効果がはっきりしている確認です。ゴボゴボが続いた後は封水が減っていることがあり、封水が減ると臭いが上がってくる・さらに音が鳴りやすくなるの二重苦になります。長期の旅行や帰省のあとに排水口が臭う時も、たいていこれ。水を注ぐだけで解決します。

②のヌメリ掃除は、音への直接の効果というより「水の通り道を広く保って圧の変動に強くする」ための足場固めです。市販のパイプクリーナーを使う場合は、1種類だけを、表示どおりの量と時間で。シンクまわりの掃除をまとめてやるなら、水切りカゴの水垢の記事で紹介している段取りと同じ日にやってしまうと効率がいいですよ。定番の塩素系クリーナーはこのあたりから選べます:楽天市場で見るAmazonで見る

ゆきこ( ゚Д゚)『夜中のゴボゴボ、正体が空気だとわかってからは怖くなくなりました』

やってはいけない対処:薬剤の連投・混ぜ使い・勝手な分解

不安な時ほどやりがちな対処に、かえって危険なものがあるので、ここは固くお伝えします。

安全warning:洗剤・薬剤は絶対に混ぜないでください。塩素系のパイプクリーナーや漂白剤が、酸性タイプの洗剤・クエン酸・お酢などと排水口で出会うと、有毒な塩素ガスが発生します。吸い込むと目や喉、肺を傷め、重い場合は命に関わります。「効かないから別の薬剤を続けて流す」は、排水管の中で薬剤同士を混ぜているのと同じことになりかねません。1種類を使ったら、十分に水で流しきってから時間を置くこと。同時使用・連投は禁止です。換気しながら使うことも忘れずに。

もう1つ、賃貸のマンションでは、排水トラップや配管を自分で分解しないでください。手の届く範囲のゴミ受けやお椀を外して洗うのは問題ありませんが、工具が必要な部分から先は建物の設備です。分解して破損や水漏れが起きると原状回復の負担が発生しますし、そもそもゴボゴボ音の原因が縦管や通気の側にある場合、部屋の中の配管をいくら触っても解決しません。ここから先は管理会社経由でプロに任せる領域、と線を引いておくのが結局いちばん安上がりです。

管理会社に伝えるべき症状と、伝わる言い方

次のどれかに当てはまったら、自分での対処は切り上げて管理会社(分譲なら管理組合)への連絡に進むのがおすすめです。

  • 音だけでなく、流れが明らかに遅い・水位が上がってくる
  • 封水を補充してもくり返し臭いが上がる(封水が何度も引かれているサイン)
  • 雨のたびに毎回鳴る、または他の部屋・他の水回りでも同時に鳴っている

連絡する時は、「排水口がゴボゴボいうんです」だけよりも、いつ・どこで・何と一緒にを添えると、原因の見当がぐっとつきやすくなります。たとえばこんな形です。

  • 上の階の水音がした直後に、キッチンの排水口がゴボゴボ鳴ります」→ 誘導サイホン・通気の問題の見当がつく
  • 大雨の日だけ、浴室の排水口から音がして臭いも上がります」→ 下水側・通気の問題の見当がつく
  • 自分の部屋では水を使っていない時に鳴ります」→ 部屋の詰まりではなく建物側、と切り分けられる

集合住宅の排水管は共用部分として定期的に高圧洗浄されるものなので、症状の報告はクレームではなく、点検のための大事な情報提供です。1階は建物全体の排水の「関所」だからこそ、1階からの報告がいちばん早く異変を捉えられる、とも言えます。遠慮せず伝えて大丈夫ですよ。

まとめ:音の主役は空気。実害の有無で切り分ける

  1. ゴボゴボ音の正体は排水管内の空気の引っ張り合い。上の階の排水が空気を引き、負圧になった管へ封水が引かれる時に鳴る(誘導サイホン作用)
  2. 大雨の日だけ鳴るのは下水側から空気が押し返されるため。雨がやんで収まるなら様子見でよい
  3. 1階は縦管の最下流で圧力変動を受けやすい。音だけで実害がなければ構造上ある程度起きる現象
  4. 自分で確認するのは封水の補充・ゴミ受け掃除・洗濯ホースの3つまで
  5. 薬剤の混合・連投は有毒ガスの危険があり絶対NG。賃貸で配管を勝手に分解しない
  6. 流れが遅い・臭いが続く・雨のたびに鳴るなら、「いつ・どこで」を添えて管理会社へ

保存版:この記事の早見表

音の仕組みと、自分でやること・やらないこと・管理会社に伝えることの線引きを1枚の画像にまとめました。次にゴボゴボが鳴った夜に、スマホからさっと確認できます。

排水口ゴボゴボ音の対処カード:音の正体は排水管内の空気の引っ張り合いで封水が引かれる時に鳴る、自分でやるのは封水補充・ゴミ受け掃除・洗濯ホース確認の3つ、薬剤の混合と連投は有毒ガスの危険で絶対NG、賃貸は配管を分解せず流れの悪化や臭いが続けば管理会社へ

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