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久しぶりにヘルメットをかぶったら、内側がなんだかベタベタ。頬に当たるパッドはへたってスカスカ、汗の臭いもこもっている。「新品は高いし、内装だけどうにかならないかな」と思って、リペアを自分でやる方法を探している——そんな人に向けて書きます。
先に結論。自分で直せるのは「内装」まで。帽体(外側の殻)には手を出さない。内装のベタつきや臭いは洗えば、へたりや加水分解なら純正パッドの交換で、見違えるほど戻ります。いっぽう帽体の傷を埋めたり塗り直したり、分解したりは、見た目がきれいになっても中身の安全性を落とすので、やらないのが正解なんです。
順番に、どこまでが自分でできる範囲か、内装の洗い方と交換のしかた、帽体はなぜ触らないのか、そして「直すより買い替え」の目安まで見ていきましょう。
先に線引き:自分でできるのは「内装」だけ
ヘルメットは大きく3層でできています。外側の硬い帽体(シェル)、その内側で衝撃を吸収する発泡スチロールのライナー、そして肌に触れる内装(パッド類)。このうち、自分でさわっていいのは3つ目だけ、と覚えておくと迷いません。
- 内装(チークパッド・センターパッド・あご紐カバー)→ 外して洗える。へたったら交換部品がある。自分でOK
- ライナー(白い発泡スチロール)→ 一度潰れたら戻らない。凹みや割れがあれば買い替え
- 帽体(外側の殻)→ 傷の補修・塗装・穴あけ・分解は自分ではやらない。理由は後で
- シールド・ベンチレーションのふた・ネジ類→ これは交換部品。純正を買って付け替えるのは自分でOK
内装のベタつき・ぼろぼろの正体——スポンジの加水分解
ベタつく、黒いカスがぽろぽろ落ちる、表地がはがれてくる。これは汚れではなく、パッドの中のウレタンスポンジが湿気で分解しはじめた状態(加水分解)です。汗を吸ったまま押し入れにしまう、夏の車内に置く、で進みます。
見分け方は簡単で、洗ってもベタつきが戻るなら加水分解。表面の皮脂や整髪料のベタつきなら、洗えば取れます。加水分解が始まったスポンジは元に戻らないので、その場合は洗浄ではなく交換へ進んでください。
内装を洗う手順(中性洗剤・押し洗い・陰干し)
臭いとベタつきの多くは、皮脂と汗と整髪料です。消臭スプレーは応急処置で、根本は洗うこと。多くのヘルメットは内装がスナップボタンか面ファスナーで外せるようになっています。
- パッドを外す。チークパッドは頬側の根元をつまんでスナップを外し、センターパッドは前後のスナップか差し込みを外す。外し方は取扱説明書か、メーカーのサイトの「内装の外し方」を見ながら。無理に引っ張るとスナップの土台が割れるので、固い時は位置を確かめてから
- ぬるま湯(30℃くらい)に中性洗剤。おしゃれ着用の洗剤がちょうどいいです。漂白剤・柔軟剤は表地やスポンジを傷めるので使いません
- 押し洗い。もんだり絞ったりせず、沈めて押して浮かせる、を繰り返す。汗の臭いが強い部分は、洗剤液に30分ほど浸けてから
- すすぎは洗剤が残らないまで。残ると乾いた後に肌がかぶれることがあります
- タオルで挟んで水気を取り、風通しのいい日陰で乾かす。直射日光とドライヤー、乾燥機はスポンジを劣化させて加水分解を早めるのでNG。厚みがあるので、完全に乾くまで1〜2日は見てください
- 帽体の内側(ライナー)は水洗いせず、固く絞った布で拭くだけ。ライナーを水に浸けると乾きにくく、劣化の原因になります
これで臭いの大半は落ちます。月に1回、使ったあとに内側を上にして陰干しするだけでも、加水分解の進み方はかなり違いますよ。
内装を交換する——純正パッドの探し方と、汎用スポンジの注意
洗ってもベタつく、頬のパッドがへたってヘルメットが動く、表地が破れた。ここからが交換です。
- メーカー名・モデル名・サイズを確認。帽体の内側のラベルか、あご紐のタグに書いてあります。同じモデルでも年式で内装の形が違うことがあるので、型番の英数字まで控えておく
- メーカーのサイトの「補修部品」「オプションパーツ」で探す。国内の大手メーカーはチークパッド・センターパッド・あご紐カバーを部品として売っています。用品店の店頭で取り寄せてもらうのも確実
- 厚みを選ぶ。チークパッドは同じモデルでも厚みが数種類あって、標準より厚いものにすれば「頬が緩い」を締められます。逆に締めつけがきつい人は薄めへ。これが純正で交換する一番のメリット
- 新しいパッドを付けて、あご紐を締めてかぶる。頭を振ってもヘルメットがずれない、頬がほんの少し押される、が目安
ここで注意したいのが、両面テープで貼る汎用のスポンジパッド。100均や通販で手に入り、額やこめかみの当たりを埋める補助には使えます。ただしサイズの合わないヘルメットを「締める」ための道具ではありません。帽体そのものが大きいヘルメットは、スポンジをどれだけ足しても事故の時に動きます。頬パッドを最厚にしても緩いなら、それはサイズ違いなので、サイズの合うものに買い替えるのが本筋です。
ちなみに、うちで読まれているヘルメットの記事はバイク用ヘルメットのレビューと日本人の頭に合うサイズの話で、内装の形の違いにも触れています。
帽体の傷・塗装・分解は自分でやらない理由
「表面の傷をパテで埋めて塗装すれば新品みたいになるのでは」——気持ちは分かります。でも、ここはやらないと決めてください。理由は3つあります。
- 傷の下でライナーが潰れているかもしれない。帽体の傷は表面だけに見えても、その衝撃で内側の発泡スチロールが局所的に潰れていることがあります。潰れたライナーは次の衝撃を吸収できません。表面を塗ってきれいにすると、その「危険なサイン」が見えなくなります
- 塗料や溶剤が帽体を弱くする。帽体の樹脂は、塗料に含まれる溶剤やシンナー類で強度が落ちることがあります。メーカーの取扱説明書でも、多くが「塗装や指定外のシール貼りはしないで」と注意しています。ステッカーで傷を隠すのは可、と書いているメーカーもあるので、そこは自分のヘルメットの説明書で確認を
- 分解して元に戻す精度が出ない。帽体とライナーの接着、あご紐の固定は、工場で決まった強さで止めています。一度はがしたものを家庭用の接着剤で戻しても、同じ強度にはなりません。あご紐の付け根に触るのは特に危険です
いっぽうシールドの傷は、部品を買って交換すれば済みます。シールドの内側のくもり止めシートがベタつく時も、シートごと替えるのが早いです。ベンチレーションのふたが取れた、ネジがなくなった、も純正部品があります。「殻には触らない、外から取り付ける部品は替えていい」と覚えておくと迷いません。
直すより買い替えの目安:落下歴・3年・あご紐の状態
内装をきれいにしても、次のどれかに当たるなら、そのヘルメットは新しくする時期です。
- 落とした・ぶつけた・転んだ。かぶっていない時にバイクから床に落としただけでも、ライナーが潰れることがあります。外から見て分からないのが厄介なところ。不安なら、メーカーによっては点検を受け付けています
- 使い始めて3年を超えた。国内の安全規格では、ヘルメットの使用目安は購入から3年ほどとされています。汗と紫外線で帽体もライナーも見えないところで劣化が進むためです。「内装を替えたから新品同様」にはなりません
- あご紐がほつれた・金具(Dリングやバックル)が変形した。あご紐は事故の時にヘルメットを頭に留める唯一の部品で、自分で縫い直す部品ではありません
- ライナーに凹み・割れ・粉っぽさがある
- 頬パッドを最厚にしても緩い。サイズが合っていないので、内装では解決しません
ヘルメットは「壊れたから替える」ものではなく、「時間と衝撃で目に見えず消耗する」もの。内装のリペアは、その期限までを気持ちよく使うための手入れ、と考えるとお金の掛けどころが分かりやすいですよね。
ゆきこ( ゚Д゚)『単身赴任中の夫が置いていったヘルメット、押し入れで内装がベタベタの黒いカス状態になっていました。洗っても戻らず、型番で純正パッドを取り寄せたら、夫が「新品かぶってるみたい」と。でも買ってから何年か聞いたら5年目で、結局は買い替えの話になりました』
内装を替える時は、純正が第一候補。純正の在庫がないモデルや、こめかみの当たりだけ埋めたい時に、貼るタイプの汎用パッドを「補助」として1つ持っておくと、微調整が楽になります。
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ヘルメットのサイズ感や内装の形の違いはバイク用ヘルメットのレビューと日本人の頭に合うサイズの話に。自転車のヘルメットについては折りたたみ自転車の記事の中でも触れています。
まとめ:内装は自分で、帽体は触らない、3年と落下歴で買い替え
- 自分で直せるのは内装(パッド類)だけ。帽体・ライナー・あご紐は触らない
- 臭い・皮脂のベタつきは中性洗剤で押し洗い→陰干し。ドライヤーと直射日光はNG
- 洗っても戻るベタつきは加水分解。型番で純正パッドを取り寄せて交換
- 帽体の傷埋め・塗装・分解はしない。ライナーの潰れが見えなくなり、殻も弱る
- 落下歴あり・3年超・あご紐のほつれは買い替え。汎用スポンジはサイズ調整の代わりにならない
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手順を1枚にまとめました。



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