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作ろうとしたら、スキムミルクがない。バターが足りない。買いに行かずに済ませたいとき、何で代えられるのか。
代用そのものは可能です。ただし「同じ重さで置き換える」とうまくいきません。材料には水分・油分・塩分が含まれていて、置き換えるとその分がずれるからです。ずれをどう戻すかまで分かれば、たいていの材料は何とかなります。
なぜホームベーカリーでスキムミルクを使うのか
代用を考える前に、その材料が何のために入っているのかを見ておきましょう。ここが分かると、代わりを選ぶ基準ができます。
| 材料 | 担っている役割 |
|---|---|
| スキムミルク(脱脂粉乳) | 焼き色をつける/風味とコクを足す/生地の伸びをよくする |
| バター | 生地をやわらかくする/老化を遅らせる/風味を出す |
| 砂糖 | イーストの栄養/焼き色/保水 |
| 塩 | グルテンを引き締める/発酵の速度を抑える |
スキムミルクが選ばれているのは「牛乳の風味と焼き色だけを、水分を増やさずに足せる」からです。粉なので水分量の計算が崩れません。ホームベーカリーは分量に厳密な機械なので、これは大きな利点です。
パン作りにスキムミルクは必要か
必須ではありません。入れなくてもパンは焼けます。ただし、入れない場合は次の違いが出ます。
- 焼き色が薄くなる……乳糖が色づきに関わっているため
- ミルクの風味がなくなる……素朴な味になります。フランスパン風なら、むしろこちらが正解
- やや硬くなりやすい……翌日のふんわり感に差が出ます
つまり「入れないと失敗する材料」ではなく「入れると仕上がりが上がる材料」です。この位置づけを知っておくと、代用の判断が楽になります。
スキムミルクがない場合、何で代用できるか
代用の考え方は「水分を持ち込むか、持ち込まないか」で二手に分かれます。
| 代用するもの | 置き換えの目安 | 調整すること |
|---|---|---|
| 牛乳 | スキムミルク大さじ1(約6g)→ 牛乳約60mlに置き換え | 置き換えた牛乳の量だけ、水を減らす |
| 豆乳 | 牛乳と同じ考え方 | 同上。風味が変わり、焼き色は牛乳よりやや薄い |
| 粉ミルク(乳児用) | ほぼ同量で置き換え可 | 糖分が入っているため、砂糖を気持ち控えめに |
| 生クリーム | 少量で風味を足す用途 | 油分が多いのでバターを減らす。水分も計算に入れる |
| 入れない | 抜くだけ | 調整不要。焼き色と風味が控えめになる |
いちばん多い失敗は、牛乳を足したのに水をそのままにすることです。水分過多になり、生地がべたついて膨らみが悪くなります。
牛乳に置き換えるときの計算
牛乳のおよそ9割は水分です。そこで「加えた牛乳の量とほぼ同じだけ水を減らす」と考えると、大きく外しません。
例:水180ml・スキムミルク大さじ1のレシピなら、牛乳60ml+水120mlにする、という置き換え方です。
寒い時期は、牛乳を冷蔵庫から出したてで使わないほうが発酵が安定します。逆に夏場は冷たいまま使うと過発酵を抑えられます。
バターの代わりになるものは何か
バターは油分・水分・塩分の3つを同時に持ち込んでいます。ここを押さえておけば、置き換えで迷いません。
| 代用するもの | 置き換えの目安 | 変わること |
|---|---|---|
| マーガリン | ほぼ同量 | もっとも近い。製品により塩分が違うので有塩なら塩を控えめに |
| ショートニング | ほぼ同量 | 風味は出ないが、生地は最もやわらかく仕上がる |
| サラダ油・米油 | バター10g → 油約8g | バターの水分(約15%)がないぶんやや減らす。風味は出ない |
| オリーブオイル | 同上 | 香りが立つ。食パンよりハード系向き |
| ヨーグルト | 油分の代わりにはならない | 水分が多い。水を減らす前提で、しっとり感を足す用途 |
バターの代わりにオイルを使うとどうなるか
結果は次のように変わります。
- 生地は同じようにやわらかくなる……油分としての役割は果たします
- 風味が出ない……バターの香りは乳脂肪由来なので、油では再現できません
- 口溶けが軽くなる……好みが分かれるところです。軽いパンが好きなら、むしろ利点
- 入れるタイミングを選ばない……固形のバターと違い、最初から入れられます
食パンでバターの香りを楽しみたいなら、オイルでの代用は満足度が下がります。逆に、サンドイッチ用や総菜パン用なら、油でまったく問題ありません。
有塩バター・有塩マーガリンを使うとき
レシピが無塩バター前提なら、有塩に替えたぶん塩を減らします。有塩バターの塩分はおよそ1.5%前後なので、10g使うなら塩0.15g程度。少量ですが、塩は発酵の速度を左右するので、多い方向にずらさないほうが安全です。
マーガリンで代用するときの注意
マーガリンはバターにいちばん近い代用品ですが、製品による差が大きい材料でもあります。
- 水分の多い「ソフトタイプ」は避ける……塗るための製品は水分が多く、生地がゆるみます
- 製菓用・パン用の表示があるものを選ぶ……油分が高く安定しています
- 冷えて硬いまま入れない……こね始めに混ざりきらず、ムラになります
置き換えたのにうまくいかないときの見どころ
| 症状 | 疑うところ |
|---|---|
| 生地がべたつく/膨らみが弱い | 水分過多。牛乳やヨーグルトを足して水を減らし忘れていないか |
| 膨らみすぎてしぼんだ | 糖分過多。粉ミルクや加糖の材料を使って砂糖を減らしていないか |
| 目が詰まって重い | 油分不足。バターをヨーグルトだけに置き換えていないか |
| 発酵が進みすぎる/進まない | 塩分のずれ。有塩・無塩の取り違え |
| 焼き色がつかない | スキムミルクと砂糖を両方減らしていないか |
ホームベーカリーは投入後の調整ができない機械です。だからこそ、入れる前に「水分・油分・塩分・糖分のどれがずれたか」を一度確認しておくと、失敗が減ります。
まとめ
- スキムミルクは必須ではなく、焼き色と風味を水分を増やさずに足す材料
- 牛乳で代用するなら加えた分だけ水を減らす。これが最頻出の失敗ポイント
- バターはマーガリン・ショートニングがほぼ同量、油なら少し減らす
- 油に替えるとやわらかさは同じ、風味だけが失われる
- うまくいかないときは水分・油分・塩分・糖分のどれがずれたかで切り分ける
※分量の目安は一般的な食パン1斤のレシピを想定したものです。機種やコースによって最適な配合は異なるため、お使いのホームベーカリーの説明書のレシピを基準に調整してください。
保存版:この記事の早見表
置き換えの分量を1枚の画像にまとめました。スマホに保存しておくと、材料を切らしたときすぐ見返せます。



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