刺繍のほつれの直し方——飛び出した糸を切る前に、広がるほつれの止め方、刺繍を外す順番、下手に見えた時の直し方

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ハンカチやシャツの刺繍から、糸が1本ぴょんと飛び出している。引っかけてほつれてきた。名前の刺繍を外したい。あるいは、仕上がりが思ったより下手に見えて、やり直したい。刺繍まわりの困りごとは似ているようで、手を付ける順番がそれぞれ違うんです。

先に結論をひとつ。飛び出した糸は、切らずに裏へ引き込んで留める。外す時は、裏から少しずつ切って、表の糸を引き抜く。この2つを知っておくだけで、「直すつもりが穴を広げた」という失敗がぐっと減ります。自分の困りごとに近い章から、順番に見ていきましょう。

あなたはどれ? 状況から自分の章へ糸が飛び出した→切らずに裏へ引き込む>1→第章ほつれが広がる→広げずに止める手当て>2→第章刺繍を外したい→裏から切って表を抜く>3→第章下手に見える→原因を1つずつ探す>5→第章

ケース別に読む:糸が飛び出した人|ほつれが広がる人|刺繍を外したい人|外した後の跡が気になる人|下手に見えて直したい人

4コマ漫画|刺繍の糸が飛び出した糸が飛び出てる切っちゃう?1糸がぴょんと出たぱちんと切るとほどけるかも2切ると周りがゆるむ裏へ引き込んで留めよう3針で裏に通して留める表からは目立たない4きれいにおさまった

飛び出した糸は切らずに、裏へ引き込む

刺繍の糸が表で1本だけ飛び出していると、つい指でつまんで切りたくなりますよね。でも、ここがいちばんの分かれ道なんです。刺繍の糸は、表と裏を行き来しながら生地に留まっています。飛び出した部分を根元で切ってしまうと、留めていた端がゆるんで、周りの縫い目まで引っぱられてほどけ始めることがあります。

飛び出した糸のNGとOK根元で切る周りの縫い目がゆるむ裏へ引き込む針で通して裏で留める
  1. 飛び出した糸を指で軽くつまみ、周りの縫い目が引きつれていないかを見る
  2. 飛び出した糸を針の穴に通す(通りにくい時は、穴の大きめの針に替える)
  3. 糸が出ている穴の少し横に針を刺し、糸を裏へ引き抜く
  4. 裏返して、近くの縫い目の糸の下に2〜3回くぐらせて留め、余りを短く切る

裏で留める時は、玉結びを新しく作るより、近くの糸に絡めて留める方が、表に響きにくいです。生地が薄いと裏の糸が透けて見えることがあるので、その場合は同系色の糸で留めると目立ちません。糸が太くて針の穴に通らない時は、無理に押し込まず、糸の先を少しほぐして細くしてから通してみてください。

どうしても短い糸で引き込めない時は、最後の手段として、表に出た糸の先だけを、根元から少し離して切る方法があります。ただ、これは「引き込めない時」の手当てで、最初に選ぶ方法ではありません。まずは引き込む、が順番です。

飛び出した糸が、刺繍の端ではなく、真ん中あたりから出ている時もあります。その場合は、糸の根元がどこで留まっているかを、裏から確かめてください。裏の糸の流れをたどると、引き込む穴の位置が見つかります。表だけを見て引っぱると、縫い目全体が縮んでしまうので、裏を見てから動くのがコツです。

ほつれが広がる時は、原因を見て止める

糸が1本出ているだけでなく、縫い目全体がゆるんで、ほつれが広がってきた時は、見る所が変わります。広がる原因はいくつかあって、それによって手当ても違うんです。

状態 よくある原因 まず試すこと
端の糸が出てきた 最初と最後の留めがゆるんだ 裏で糸を絡め直して留める
縫い目が浮いている 生地が伸びた・引っぱられた 浮いた所だけを刺し直す
糸が毛羽立つ 洗濯や摩擦 裏返してネットに入れて洗う
生地ごと破れそう 生地が傷んでいる 裏から当て布を足して補強する

ほつれ止めの液やのりを使いたくなる場面もあります。ただ、生地や糸の種類によっては、シミや色移り、硬くなるといった心配があります。使う前に、必ず目立たない所で試してください。製品の表示(使えない素材・乾かし方)を先に読むのも大事です。刺繍の表面に付けると、テカリや硬さが残ることもあるので、使うなら裏側が基本です。

洗濯のたびに広がる、という家庭は少なくないようです。刺繍のある服は、裏返してネットに入れて洗う。それだけでも、糸の毛羽立ちはだいぶ違ってきます。裾のほつれが気になる時は裾のほつれの直し方も参考になります。

刺繍を外す順番は「裏から」。リッパーは生地に向けない

名前の刺繍を取りたい、サイズアウトで要らなくなった、位置を間違えた。刺繍を外す時は、表からではなく、裏から糸を切るのがコツです。裏側の糸は短くまとまっていて、どこを切ればいいかが分かりやすいからなんです。

刺繍を外す3つの順番1裏返す刺繍の裏を出す2少しずつ切る数目おきに切る3表から抜く切れた糸を引く
  1. 生地を裏返し、刺繍の糸を見つける。糸が密に集まって見える側が裏です
  2. リッパーの小さい丸い刃の側を糸の下に入れ、糸だけを数目おきに切る
  3. 表に返して、ピンセットか指で、切れた糸を引き抜く
  4. 抜いたあとの糸くずを、粘着テープなどで取る

ここで大事な注意が2つあります。ひとつは、リッパーを生地に向けて突かないこと。刃先が生地に刺さると、穴が開いたり、手を刺したりします。糸を持ち上げるように、刃を生地と平行に滑らせて使ってください。もうひとつは、一気に切らないこと。生地の織り目を傷めるので、少しずつ進めます。

リッパーや糸切りばさみは、使い終わったら刃を閉じて、子どもの手の届かない所へ。針は、使う前と後で本数を数えて、針刺しに戻す習慣を付けておくと安心です。床に落ちた針は、気づかないまま踏んでしまうことがあります。

アイロンで付けるタイプのワッペンは、刺繍とは外し方が違います。熱で接着剤をゆるめて外す考え方は、ワッペンのはがし方にまとめています。

外したあとの針穴と跡を目立たなくする

外したあとに針穴が残る、糸の跡が白っぽく残る。これも多くの人が悩む所です。生地の種類(織物かニットか)で、出方がかなり違います。

  • 針穴が目立つ:指の腹で軽くこすって織り目を寄せる。当て布をして、生地の洗濯表示の範囲でアイロンをかけると、なじむことがあります
  • 糸の跡が白く残る:洗濯をすると目立たなくなることがあります。強くこすらず、様子を見ます
  • 跡が消えない:同じ場所に別の刺繍やワッペンをのせて、隠す考え方もあります

ニット生地は、針穴ではなく、穴そのものが広がりやすいので、ニットの穴の直し方を先に見てください。跡が消えないからといって、強い洗剤や漂白剤をかけるのは避けましょう。生地が傷んだり、色が抜けたりします。

下手に見える時は、原因を1つずつ探す

刺繍の仕上がりが「なんだか下手」に見える。そんな時は、原因はだいたい3つに分かれます。糸の引き加減(強いと生地がつれて、弱いと糸が浮く)、糸の本数(細すぎる・太すぎる)、刺す向き(面の向きがバラバラ)です。直すなら、全部ほどくより、気になる部分だけにします。

見え方 考えられる原因 直し方
生地がつれてシワになる 糸を強く引きすぎ 引く力をゆるめて刺し直す
輪郭がガタガタ 下書きがない・刺す幅が大きい 線で下書きして細かく刺す
面がスカスカ 糸の本数が少ない・向きがばらばら 本数を増やし、向きをそろえる

刺し直す前に、当て布をしてアイロンで生地を整えるだけで、見え方が変わることもあります。刺繍枠を使うと、生地の張りが安定して、引き加減がそろいやすくなります。穴をふさぐための刺繍は服の穴を刺繍でふさぐで扱っているので、図案選びの参考にどうぞ。

ゆきこ( ゚Д゚)『刺繍のやり直しって、全部ほどくと決めた瞬間にしんどくなりますよね。直す所を1か所だけ決めて、あとは気にしない、くらいがちょうどいいと思います』

💡 この困りごとへの提案

外す作業が多い人は、先の細いリッパーが1本あると、糸だけを狙って切りやすくなります。ハサミで代用するより、生地を傷めにくい道具です。


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アイロンで付けたワッペンを外したい時はワッペンのはがし方、裾がほつれてきた時は裾のほつれの直し方、ニットに小さな穴が開いた時はニットの穴の直し方がそれぞれ役に立ちます。針や糸の収納は100均で作る裁縫箱も見てみてください。

まとめ:見分けて、裏から、少しずつ

  1. 飛び出した糸は切らない。針で裏へ引き込んで、近くの糸に絡めて留める
  2. 広がるほつれは原因を見る。ほつれ止めは目立たない所で試してから
  3. 刺繍を外すのは裏から。リッパーは生地に向けず、少しずつ切る
  4. 針穴と跡は急いで消さない。生地に合わせて、洗濯やアイロンで様子を見る
  5. 針と刃物は数えてしまう。子どもの手の届かない所に置く

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめています。

刺繍のほつれの直し方の早見表:飛び出した糸は切らずに針で裏へ引き込んで近くの糸に絡めて留める。ほつれが広がる時は原因を見て、端の留めのゆるみは絡め直し、縫い目の浮きは刺し直し、毛羽立ちは裏返してネットで洗う。ほつれ止めは目立たない所で試す。刺繍を外す時は裏から、リッパーの丸い刃で糸を数目おきに切り、表から切れた糸を引き抜く。リッパーは生地に向けて突かない。針は本数を数えて針刺しに戻し、刃物は子どもの手の届かない所へ。下手に見える時は、糸の引き加減・本数・刺す向きを1つずつ見直す

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