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急に冷えた朝、去年の手袋を引っぱり出して手を入れたら、むわっとしたにおい。しまう前に洗ったはずなのに、なぜか去年の自分のにおいがそこにいる。子どものスキー用の手袋にいたっては、開けた瞬間に部屋の空気が変わった、という話も聞きます。
先に結論をひとつ。手袋のにおいの正体は、繊維に残った手汗と皮脂です。手のひらは体の中でもよく汗をかく場所で、その汗と皮脂が乾く前に菌が育って、あのにおいになります。ということは、落とすべきは「におい」ではなく「汗と皮脂」なんですよね。
素材によって洗えるものと洗えないものがあるので、まずそこを見分けるところから。洗い方の手順、重曹でできること・できないこと、片方なくしてしまった日や忘れた日の代わりまで、順番に見ていきましょう。
なぜ手袋は臭う?——汗と皮脂が「乾く前」に菌が育つから
手のひらには汗腺がたくさんあって、寒い日でも手袋の中は思っているよりずっと蒸れています。外は寒いのに、手袋の内側だけ温かくて湿っている。菌にとっては居心地のいい環境なんです。
- 手汗と皮脂が繊維の奥に入り込む。表面をふいても届かない場所に残ります
- 脱いだあと、湿ったまま重ねて置く。玄関のかごやポケットの中は、風が通りません
- ハンドクリームや消毒液の成分が繊維に残って、汗と混ざる
- 洗わずにシーズンを終える。においのもとを抱えたまま半年しまうので、次に出した時にはしっかり熟成しています
- 雨や雪で濡れたのに生乾きのまましまった。これは手袋に限らず、においがいちばんつよく出るパターンです
逆に言うと、「使ったら乾かす」だけでかなり防げるということでもあります。生乾きのにおいの仕組みは生乾きのにおいの取り方にまとめてあるので、原因のところが気になる方はそちらもどうぞ。
まず素材を見る——洗える手袋と洗えない手袋
いきなり水に浸ける前に、タグを確認してみてください。タグがない手袋も多いので、その時は見た目と手ざわりで判断します。
- アクリル・ポリエステルのニット:手洗いできることがほとんど。いちばん扱いやすい素材です
- ウール・カシミヤのニット:手洗いできますが、熱とこすれで縮みます。ぬるま湯と押し洗いで、絶対にもまないこと
- フリース・裏起毛:洗えます。ただし乾燥機の熱で毛が寝てしまい、ごわつくことがあります
- ナイロンのスキー用・防水タイプ:多くは洗えますが、中綿が寄りやすいので、乾かす時に形を整える手間が必要です
- 革・スエード・ムートン:水洗いしません。硬くなったり縮んだり、色が抜けたりします。あとで別の見出しに書きますね
- スマホ対応の手袋:指先に細い金属の糸が編み込まれています。強くもむと切れて反応しなくなるので、指先だけはこすらずに扱ってください
迷った時は、目立たない所(手首の内側など)を濡らして、白い布で押さえてみる。色が布に移るようなら水洗いはやめておきます。特に濃い色の手袋は、色移りで手が染まることもあるので、この一手間は惜しまないほうがいいです。
洗い方の手順——押し洗いして、裏返して乾かす
- 洗面器に30度以下のぬるま湯を張り、おしゃれ着用の中性洗剤を表示どおりの量で溶かす。熱いお湯は縮みのもとなので使いません
- 手袋をはめた状態で、手を洗うようにやさしくもむ。指のまたと手のひら側ににおいが集まっているので、そこを重点的に
- 手を抜いて、洗面器の中で押して離すを20回ほど。ねじる、こする、もみ洗いはしないでください。ウールはこの動きで縮みます
- においが強い時は、そのまま15分から30分つけ置き。ひと晩は色落ちのもとなので避けます
- きれいな水に替えて、押し洗いですすぐ。これを2回。洗剤が残るとにおい戻りの原因になります
- 絞らずに、乾いたタオルで挟んでぽんぽんと押して水気を取る。ぎゅっとねじると形がくずれます
- 指の形を手で整えてから、裏返して平らに置いて乾かす。裏返すのは、においのもとが内側にあるからです。表が乾いたら裏返して両面
洗濯機を使いたい時は、必ず洗濯ネットに入れて、手洗いコースかドライコースで。左右をばらばらに入れると片方が行方不明になるので、2枚まとめてひとつのネットへ。ネットが手元にない時は洗濯ネットの代わりになるものも使えます。
それから、乾燥機はできれば使わないでください。ウールもフリースも革も、熱で縮んだり硬くなったりします。ドライヤーの熱風を直接当てるのも同じ理由でおすすめしません。急いでいる時は、扇風機やサーキュレーターの風を当てるほうが早くて安全です。ハンガーに吊るすと水の重みで伸びるので、平らに置くのが基本になります。
重曹でできること・できないこと
「手袋のにおいは重曹で取れる」とよく言われますが、できることとできないことをはっきりさせておくと、期待はずれになりません。
- できること:重曹は弱いアルカリ性なので、酸性の汗や皮脂のにおいを中和するのが得意です。洗う時にひとつまみ入れる、乾いた手袋を袋に入れて重曹と一緒に一晩置く、といった使い方で、においはかなり和らぎます
- できないこと:殺菌ではありません。においのもとになる菌そのものをやっつける力はないので、汚れが残ったままでは数日でにおいが戻ります
- ウールには使いすぎない。アルカリはウールの繊維を傷めることがあるので、ウールやカシミヤの手袋には少量に。心配なら使わずに、中性洗剤だけで洗ってください
だから順番としては、まず洗って汚れを落とす、しっかり乾かす、そのうえで残ったにおいに重曹を使うのが正解になります。重曹だけでなんとかしようとすると、たいてい一週間でふりだしに戻るんです。タオルのにおいが戻る話は洗ってもタオルが臭い時と仕組みが同じなので、そちらもヒントになると思います。
革の手袋は洗わずに拭く——陰干しでゆっくり
革の手袋は、水に浸けると硬くなったり縮んだり、色が抜けたりします。買った時のあの手ざわりは、一度失うと戻りません。なので「洗う」ではなく「拭く」と考えてください。
- まず乾いた柔らかい布で全体をふく。ほこりや表面の皮脂を取るだけでも、においはずいぶん軽くなります
- 内側が気になる時は、固くしぼった布で内側だけをそっとふく。びしょびしょにしないこと
- 革用のクリーナーを使うなら、必ず目立たない所で試してから。手首の内側など、見えない場所で色が変わらないか確かめます
- 直射日光とストーブの前は避けて、風の通る日陰で平らに置いて乾かす。急いで熱を当てると、革は硬くなってひび割れます
- においが強く残る時は、無理をせず革製品を扱うお店に相談を。大事な革手袋なら、それがいちばん確実です
においの予防としては、使った日に手袋の口を広げて風を通すだけでずいぶん違います。玄関のかごに放り込むのではなく、口を上にして立てておく。それだけで、次の朝の気分が変わりますよ。
子どもの手袋で気をつけたいこと
子ども用の手袋には、ぽんぽんやビーズ、小さなボタンなどの飾りがついていることがあります。洗ったあとは飾りがゆるんでいないか必ず確認してください。取れかけの小さなパーツは、下の子が口に入れてしまう心配があります。ぐらついていたら、洗う前に外してしまうのがいちばん安心です。
それと、手袋をつけていた日に手のかゆみや赤み、発疹が出たという時。洗剤のすすぎ残しが原因のこともありますが、素材そのものが肌に合っていないこともあります。すすぎを増やしても続くようなら、その手袋の使用をやめて、皮膚科で診てもらってください。ここは家庭で判断するところではないので、早めに相談するのがいいと思います。
片方なくした時と、手袋を忘れた日の代わり
これ、毎年一度はやりますよね。子どもの手袋は特に、片方だけ帰ってきます。
- 片方だけ残ったニット手袋は、捨てる前に掃除用へ。手にはめてほこりを払うと、細かい所によく届きます。窓のさんや棚の上、家電のすき間に便利です
- おそろいでなくてもいいと割り切るのもひとつ。子どもは案外気にしません。左右の色が違う日を「今日はこういう日」と言い切ってしまえば大丈夫です
- 忘れた日の代わりに靴下は避けたい。指が動かせないので、手すりをつかんだり転んだ時に手をつくのが遅れます。滑りやすいのも心配なところ
- 薄手のストールやマフラーを手に巻く。両手をまとめてくるむようにすると、意外と温かいです。ただし歩く時は片手を出しておいてくださいね
- ポケットに手を入れて歩かない。これがいちばん転びやすい歩き方です。上着の袖を伸ばして手をくるむか、袖口を握って歩くほうが安全
- カイロを手のひらに持つ。低温やけどが心配なので、直接握り続けず布に包んで、時々持ち替えて
ニット帽がゆるくて落ちる問題と同じで、冬の小物は「ちょっと合わない」が続くとストレスになります。帽子のほうが気になる方はニット帽がゆるい時の対処もどうぞ。
しまう前の一手——来年の自分のために
- シーズンの終わりに必ず洗う。汗と皮脂を残したまましまうと、半年かけてにおいが育ちます。これが最大のポイント
- 完全に乾かしてから。少しでも湿っていると、においだけでなくカビの心配も出てきます。触って冷たく感じるならまだ湿っています
- ぎゅうぎゅうに詰めない。空気が通らない袋に押し込むより、通気性のある布の袋やかごに、形を整えて入れるほうが翌年きれいです
- ウールは防虫剤と一緒に。ただし直接触れないように、紙をはさんで。防虫剤は子どもの手の届かない所へ
- 片方だけになったものは、この時に整理。来年また「片方どこ」と探す時間がなくなります
ゆきこ( ゚Д゚)『子どもの手袋を洗おうとしたら中からどんぐりが出てきた、という話はよく聞きます。去年の秋から入っていたどんぐりが、においの正体の半分だったのでは、と真剣に考えたくなりますよね。小学生の男の子がいる家だとありがちなので、しまう前に必ず中をのぞく、を習慣にしておくと安心です』
買い替えるなら、洗えると書いてあるものを選んでおくと、この先ずっと楽になります。スマホ対応のものは指先の糸が弱点なので、洗える表示と両方あるものだと安心ですね。
スキー手袋・雪遊びの手袋の洗い方と乾かし方(防水・中綿入り)
スキーやスノーボード、雪遊びで使う手袋は、外側が防水の生地、中に綿が入った厚手の作りが多く、ニットの手袋とは少し扱いが変わります。雪でぬれて、中が汗で蒸れて、そのまま袋に入れっぱなし。においが強くなりやすい条件がそろっているので、帰ってきた日の一手間が効いてきます。
最初に見るのは、内側についている洗濯表示です。水洗いできる表示なら、上の「洗い方の手順」と同じ押し洗いで大丈夫です。手のひらに革が使われている物、水洗い不可の表示がある物は、水に浸けずに固く絞った布で拭くところまでにしておきます。
- もまない・ねじらない:中綿が片寄って、指が入りにくくなります。押して離す、の動きだけで
- 洗剤は表示どおりの中性洗剤:柔軟剤や漂白剤は、はっ水の働きを弱めることがあるとされています。使えるかどうかは手袋の表示や説明書で確かめてください
- 中の手袋が外せる物は外す:内側と外側を別々に洗って、別々に乾かすほうが早く乾きます
- すすぎはしっかり:厚みがあるぶん洗剤が残りやすいので、水を替えて押し洗いを繰り返します
乾かし方で大事なのは、中まで風を通すことです。タオルで挟んで水気を取ったら、手首の口を広げて、風通しのいい日陰に置きます。扇風機やサーキュレーターの風を口のほうから当てると、中の乾きが早くなります。外側が乾いていても中綿が湿っていることがあるので、指先まで手を入れて確かめてからしまってください。生乾きのまましまうと、次に出した時ににおいが戻ります。
ストーブやヒーターのすぐ前に置いて乾かすのは避けます。生地が熱で傷んだり、近すぎると焦げや火事につながるおそれがあります。ドライヤーの熱風を中に吹き込むのも、同じ理由でおすすめしません。
洗っている間に替えの手袋がない、という時の考え方は、雪遊びの手袋がない時の代用にまとめています。
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においの仕組みそのものを知りたい方は生乾きのにおいの取り方へ。洗っても戻ってしまう時は洗ってもタオルが臭い時が同じ話をしています。手洗いの道具まわりは洗濯ネットの代わりになるもの、冬の小物つながりでニット帽がゆるい時の対処もどうぞ。
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まとめ:洗って乾かす、それから重曹
- においの正体は繊維に残った手汗と皮脂。菌はそこで育ちます
- 素材を先に見る。革とスエードは水洗いしないで拭くだけ
- 洗うのは30度以下のぬるま湯で押し洗い。もまない、ねじらない
- 乾かすのは裏返して平らに置く。乾燥機と熱風は縮みのもと
- 重曹は消臭の助けで殺菌ではない。洗って乾かすのが先です
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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