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空気を入れても、数日でタイヤがふにゃっ。お店に持っていくほどでもない気がするけれど、自分で直せるのかも分からない。そんなとき、いちばん先に疑ってほしいのが「虫ゴム」です。バルブの中に入っている、長さ3cmほどの小さなゴムの管。これが古くなると空気が少しずつ漏れるのですが、交換は工具なし・部品代は数十円・5分で終わるんです。
先に結論をひとつ。虫ゴムの付け方のコツは「バルブコアの横の穴が完全に隠れるまで、ねじらずにまっすぐ差し込む」、これだけです。ここさえ押さえれば、初めてでも失敗しません。向きの話、外し方、戻したあとの確かめ方、そして「もう替えたくない」人向けのスーパーバルブまで、構造から順番に見ていきましょう。
虫ゴムとは?——英式バルブの中身は3つの部品
日本のママチャリ・シティサイクル・子ども用自転車のほとんどは英式バルブです。キャップを外すと、指で回せる小さなナットが見えますよね。あれが袋ナット。その下にバルブコア(金属の細い棒)があって、コアの横に小さな穴が開いています。この穴を覆っているのが虫ゴムです。
- 袋ナット:バルブコアを上から押さえて固定しているナット。指で回せる
- バルブコア:真ん中に空気の通り道があり、横に小さな穴が開いた金属の棒。空気入れから入った空気は、この横穴から出てチューブに入る
- 虫ゴム:コアの横穴をぴったり覆っているゴムの管。空気を入れるときは内側から押されてゴムがふくらんで通し、入れ終わるとチューブ側の圧力でゴムが穴に密着して逆流を止める
つまり虫ゴムは、空気の「一方通行の弁」なんです。ゴムなので、1年ほどで固くなったりひびが入ったりして、密着が甘くなる。すると空気がじわじわ戻って、「1週間で抜ける」になるんですね。
交換の目安——1年・ひび割れ・空気がすぐ抜ける
- 空気を入れても1週間くらいでふにゃっとする。パンクよりまず虫ゴムを疑う
- 最後に替えたのが1年以上前、または替えた覚えがない。中古で買った自転車も
- 外してみて、ゴムが固い・ひびがある・端が裂けている・黒くべたついている
- バルブの先に石けん水をつけると泡が出る(虫ゴムかバルブからの漏れのサイン)
「抜ける早さ」で原因を切り分ける話は、自転車の空気が抜ける原因と見分け方で詳しく書いています。1日でぺしゃんこになるならパンクの可能性が高いので、そちらを先にどうぞ。虫ゴムは部品代が安いので、迷ったら「とりあえず替えてみる」でも損はしません。前後2本いっぺんに替えておくと、あとが楽ですよ。
外し方——袋ナットを回して、コアを抜く
作業の前にひとつだけ。袋ナットをゆるめてコアを抜くと、タイヤの空気は全部抜けます。なので、作業は空気入れが手元にある場所でしてください。出先で「ちょっと見てみよう」と外すと、帰れなくなります。
- バルブのキャップを外す
- 袋ナットを反時計回りに指で回してゆるめる。固いときは、布をかませて指でつまむと回しやすい。ペンチは傷がつくので最後の手段に
- ナットが外れたら、バルブコアをまっすぐ上に引き抜く。このとき「プシュー」と空気が抜けるので、顔を近づけすぎないで
- コアの先についている古い虫ゴムをつまんで引き抜く。固まって取れないときは、爪でひっかけるか、コアを横にして転がすようにすると剥がれる。ゴムのかすがコアに残っていたら、布で拭き取る
コアと袋ナットは小さいので、外したら小皿や空き容器に入れておくと失くしません。玄関の砂利の中に落として探し回った、という話もよく聞きます。
付け方——穴が隠れるまで、ねじらずまっすぐ差し込む
ここが本題です。虫ゴムに向きはなく、どちらの端からでも大丈夫。コツは3つです。
- 新しい虫ゴムをコアの先端に当て、まっすぐ押し込む。コアの横穴が完全に隠れて、さらに5mmほど奥まで入るのが目安。穴が少しでも見えていると、そこから漏れます
- 入りにくいときは、コアの先に石けん水を一滴。するっと入ります。水でも代用できますが、石けん水のほうが引っかからずに奥まで届きます
- ねじれ・折れ・たるみがないか、指でなでて確かめる。差し込んでいるうちにゴムがよじれると、密着が甘くなって漏れの原因に。ねじれていたら一度抜いて入れ直す
- ゴムが長すぎてコアからはみ出すときは、コアの根元より少し先ではさみで切る。短すぎるより、少し長めのほうが安心
- 虫ゴムには太さの種類がほとんどないので、「自転車用」と書いてあるものならまず合います
- はさみを使うときは、小さな子どもの手の届かない所で
戻して空気を入れ、漏れを確かめる
- 虫ゴムを付けたコアを、バルブの穴にまっすぐ差し込む
- 袋ナットを時計回りに、指で止まるところまで締める。締めすぎてネジをなめないように。工具は使いません
- 空気入れをつないで、タイヤ側面に書いてある空気圧まで入れる。入れ始めに少し重く感じるのは、新しい虫ゴムがまだなじんでいないだけで正常です
- 空気入れを外し、バルブの先に石けん水を少しつける。泡が出なければ成功。プクプク出るなら、ナットのゆるみか、虫ゴムのねじれ・差し込み不足なので、もう一度外して確認
- キャップを付けて終わり。翌朝もう一度タイヤを押して、硬さが保たれていれば安心です
空気の入れすぎには気をつけて。タイヤ側面の数字を超えないように、メーター付きの空気入れなら数字を見ながら、なければ親指で強めに押して少しへこむ程度で止めてください。そして、バルブの作業中にブレーキや車輪の軸まわりには手を出さないこと。そこは命に関わる部分なので、気になることがあれば自転車店に見てもらいましょう。
虫ゴム不要の「スーパーバルブ」に替える——工具なしで、次の交換もなくなる
「1年ごとに替えるのが面倒」なら、スーパーバルブ(虫ゴム不要バルブ)に替えてしまう手があります。バルブコアと虫ゴムのかわりに、金属のバネ式の弁が入った部品で、袋ナットをゆるめてコアを抜き、スーパーバルブを差し込んでナットを締めるだけ。虫ゴム交換と同じ手順・同じく工具なしで替えられます。
- ゴムの劣化がないので、空気の抜けがゆっくりになる。月1回の空気入れで十分になることが多い
- 空気入れの口がそのまま使える(英式のまま)。手持ちのポンプを替える必要なし
- 2個で数百円。前後セットで替えるのが基本
- スーパーバルブでも、まれに弁にごみが噛んで漏れることはある。その場合は一度外して拭くか、新しいものに
- 米式に変換するタイプもあり、空気圧をメーターで正確に測れるようになりますが、ポンプ側の対応が必要なので、まずは英式のままのスーパーバルブで十分です
虫ゴムはどこに売ってる?——100均・ホームセンター・自転車店
- 100均:自転車コーナーに「虫ゴム」のパックがあり、10〜20cmの長いゴムを切って使うタイプが多い。コアと袋ナットのセットになったものも
- ホームセンター:虫ゴム・バルブコアセット・スーパーバルブがそろっている。空気入れも一緒に見られる
- 自転車店:部品だけ買うこともできるし、「交換してください」と頼めば数百円でやってくれるお店が多い
- 通販:スーパーバルブはまとめ買いが安い。家族分の自転車をいっぺんに替えるなら
長いゴムを切って使うときは、コアの先端から根元までの長さより少し長めに切ります。短く切りすぎると穴が隠れないので、まず長めに切って差し込み、余りを切るのが失敗しない順番です。
ゆきこ( ゚Д゚)『虫ゴムを初めて外したら黒い粉になってぼろっと崩れた、という話は本当によく聞きます。「これで走ってたの?」と青くなるやつですね。うちなら前後ともスーパーバルブにしてしまって、空気入れの回数を減らします。5分で終わることに1年悩んでいた、という声も多くて、なるほどと思いました』
「1年ごとの交換を忘れそう」という人は、最初から虫ゴム不要のスーパーバルブを前後2個セットで入れておくと、そのあとがぐっと楽になりますよ。
虫ゴムが入らない・固い時——無理に押し込まないコツ
「穴が隠れるまで差し込む」と分かっていても、やってみると新しい虫ゴムがコアの先で止まって、それ以上進まない。指が痛くなってきて、「自分で交換するのは向いていないのかな」と手が止まってしまう方は多いと思います。入らない時は、たいてい次のどれかです。
- コアに古いゴムのかすが残っている——黒く固まったかすが段になって、新しいゴムが引っかかります。布でしっかり拭き取り、爪でこすって表面をなめらかにしてから差し込みます
- 乾いたまま押している——ゴムと金属は、乾いているとよく滑りません。コアの先に石けん水を一滴。油やハンドクリームはゴムを傷めることがあるので使わないでください
- 寒さでゴムが固くなっている——冬の玄関先だと、ゴムが縮こまって入りにくくなります。手のひらで少し温めてから差し込むと、やわらかくなって入りやすくなります
- ゴムの口がつぶれている——長いゴムをはさみで切った時、切り口がつぶれて閉じていることがあります。切り直すか、つまようじの先で口を軽く広げてから差し込みます
- ねじりながら押し込んでいる——回しながら入れるとゴムがよじれて、途中で詰まります。ゴムの根元をつまんで、少しずつたぐり寄せるように、まっすぐ送り込むのがコツです
もうひとつよくあるのが、虫ゴムはコアに入ったのに、そのコアがバルブに戻らないというつまずきです。ゴムが長すぎてコアの根元でたるんでいたり、根元の段差にゴムが乗り上げていたりすると、バルブの穴に引っかかります。はみ出した分をはさみで切り、根元がすっきりしているか確かめてから戻してください。無理に押し込んで袋ナットで締めつけると、ゴムが中で切れて、すぐにまた空気が抜けてしまいます。
何度やっても入らない時は、コアの先が曲がっている・傷がついていることもあります。この場合はゴムの問題ではないので、コアと袋ナットがセットになった交換部品や、虫ゴム不要のスーパーバルブに替えるほうが早く片づきます。
虫ゴムの代用はできる?——しのぎ方と、乗る前に確かめること
出先や夜遅くに虫ゴムがだめになっていると気づいて、「家にあるもので代わりにならないかな」と考えることもありますよね。先にお伝えすると、身近なもので虫ゴムの代わりになるものは、ほとんどありません。虫ゴムは、コアの小さな横穴にぴったり密着して、空気を一方向にだけ通す弁です。輪ゴムやビニールテープを巻いても隙間ができて空気は止まりませんし、中でちぎれるとバルブの中に残って取り出しにくくなります。
その場をしのぐなら、次のような順番が現実的です。
- 古い虫ゴムがまだ裂けていないなら——一度外してかすを拭き、傷んでいない部分がコアの横穴にかかるように差し直すと、少しの間もつことがあります。あくまで応急です
- 前に買った虫ゴムの余りがあるなら——引き出しや工具箱に眠っていないか見てみてください。自転車用の虫ゴムは太さがほぼ同じなので、そのまま使えます
- どうしても部品がないなら——空気を入れて、抜けきる前に近くの自転車店まで押して歩きます。乗るなら、ゆっくり短い距離だけにとどめます
いちばん避けてほしいのは、空気の少ないタイヤのまま、いつもどおりに走ることです。空気が足りないと、段差でチューブが車輪のふちに挟まれてパンクしやすくなり、カーブではタイヤがよれてふらつきます。子ども乗せ自転車や荷物の多い日は、なおさらです。
空気を入れ直したら、乗る前に3つだけ確かめてください。タイヤを親指で押して、しっかり硬いか。前後のブレーキを握って、いつもどおりに止まるか。車輪を少し持ち上げて回し、ふらつきやこすれる音がないか。ひとつでも気になるところがあれば、無理に乗らず自転車店で見てもらいましょう。虫ゴムの交換なら数百円で引き受けてくれるお店が多く、ついでにブレーキやタイヤの減りも見てもらえます。
「また同じことで困りたくない」なら、替えの虫ゴムを1パック、空気入れのそばに置いておくか、虫ゴム不要のスーパーバルブに替えておくのが、いちばんの予防になります。
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まとめ:穴が隠れるまでまっすぐ差し込む、それだけで直る
- 虫ゴムは英式バルブの一方通行の弁。1年ほどで劣化して空気が漏れる
- 外し方は袋ナットを指で回してコアを抜く。空気は全部抜けるので家で
- 付け方は横穴が隠れるまでねじらずまっすぐ。向きはなく、石けん水で滑らせる
- 戻したら空気を入れ、バルブ先の石けん水で泡が出なければ成功
- 面倒ならスーパーバルブに。工具なし・100均やホームセンターで買える
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手順を1枚にまとめました。



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