換気扇のファンのつけ置き掃除——お湯の温度と時間、重曹・セスキ・アルカリ洗剤の使い分け、羽根の間の油の落とし方、アルミの変色を防ぐ注意、乾かして戻すまで

家事

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換気扇のファンをやっと外したはいいけれど、手に持った瞬間の絶望感。茶色くて、ねっとりしていて、指がくっつく。これをスポンジでこすって落とすのかと思うと、シンクの前で気持ちが折れますよね。外したファンを流しに置いたまま、しばらく見なかったことにしたくなる気持ち、よく分かります。

先に結論をひとつ。換気扇の油は、こするものではなく「つけて、待って、ゆるめる」ものです。温度と洗剤さえ合っていれば、待っている間に油のほうから浮いてきます。力を入れるのは最後の5分だけ。お湯の温度、洗剤の選び方、羽根の間の攻め方を順番に見ていきましょう。(ファンやカバーがまだ外せていない方は、換気扇が外せない時の外し方を先にどうぞ。この記事は外したあとの話です)

なぜつけ置きが効くのか——油はアルカリで、ゆるむ

換気扇にこびりついているのは、料理の油に、ほこりと湿気が混ざって固まったものです。冷えると硬いあめのようになって、水も洗剤もはじきます。ここに効くのが温度アルカリ性の2つ。

  • 温度:油は温めるとやわらかくなります。40〜50度のお湯につけるだけで、表面の固さがゆるんでスポンジが入るようになります
  • アルカリ性:油(酸性の汚れ)はアルカリ性のものと出会うと、水になじむ形に変わります。ここが洗剤の仕事です
  • 時間:この2つが働くには時間がかかります。30分から1時間、放っておくのが正解。その間に他の部品を洗いましょう

逆に言えば、冷たい水と中性洗剤でこすっても、なかなか落ちないのは当たり前なんです。がんばりが足りないわけではなかった、と思うと少し救われますよね。

つけ置きの型——「大きな袋かシンク」で1時間

  1. 入れ物を決める。シンクに栓ができるならシンクごと。できない家は、丈夫なゴミ袋を2枚重ねて段ボール箱か衣装ケースに入れ、その中にお湯をためると漏れません。浴槽は油が残るので避けたほうが無難です
  2. 40〜50度のお湯をためる。給湯器の設定温度で十分です。熱湯は使わないでください。やけどの危険がありますし、樹脂の部品が変形することもあります
  3. アルカリ性の洗剤を溶かす。分量は商品の表示どおりに。粉のものは先に少量のお湯でよく溶かしてから足すと、ムラなく効きます
  4. ファンとフィルター、外せた部品をまとめて沈める。浮いてくる部品は、上に皿をのせて押さえておくと全体が浸かります
  5. 30分から1時間待つ。時間が経ってお湯が冷めると油が戻って固まるので、冷めきる前に引き上げるのがコツです
  6. 引き上げてすぐ、やわらかいブラシでなでる。この時点でほとんどの汚れは、こすらずに落ちます。残ったところだけ、食器用洗剤を付けたスポンジで仕上げ
  7. お湯でよくすすいで、完全に乾かす。油が残っていると、すすいだ時にぬるつきます。ぬるつきがなくなるまで流してください

作業中は必ず手袋を。アルカリ性のものは油を分解する力がある分、手の皮脂も奪います。素手で1時間さわると、指先がカサカサになってしまうんです。目に入らないよう、顔の近くで振り回さないことも忘れずに。そして他の洗剤と混ぜないこと。特に塩素系のものと一緒に使うのは避けてください。

40〜50度のお湯+アルカリで1時間待つ→なでて落とすつけ置きの手順①シンクか大きな袋②40〜50度のお湯③洗剤を溶かす④部品を沈める⑤30分〜1時間冷める前に引き上げる洗剤の使い分け軽い油・毎年やる家 →重曹こびりつき →セスキ炭酸ソーダ何年分の厚い油 →換気扇用の洗剤仕上げは食器用洗剤注意することアルミは黒く変色 →濃度と時間を控え目熱湯は使わない手袋をする洗剤を混ぜない乾かしてから戻す羽根の間:歯ブラシを羽根の向きに沿わせる→割り箸に布→細い所は竹串プロペラは平らなので楽。裏側と、中心の軸まわりだけ念入りに頻度の目安は年2回。難しければ年末だけでも、たまる量がまるで違います

重曹・セスキ・換気扇用の洗剤——「油の厚み」で選ぶ

使うもの 向いている汚れ 目安
重曹 軽い油・毎年掃除している家 お湯1リットルに大さじ2〜3
セスキ炭酸ソーダ こびりついた油の大部分 お湯1リットルに小さじ1〜2
換気扇用のアルカリ性洗剤 何年も掃除していない厚い油 商品の表示のとおりに
食器用の中性洗剤 仕上げ・ぬるつき落とし スポンジに少量

迷ったらセスキ炭酸ソーダが扱いやすいです。重曹より水に溶けやすくて油に強く、換気扇用の強い洗剤ほどきつくありません。粉のまま置いておけて、キッチンの他の油汚れにも使えるので、1袋あると出番が多いんですよね。

重曹は粒が残りやすいので、溶け残りが白く残ることがあります。しっかり溶かしてから使い、最後によくすすいでください。ちなみに重曹の粒を研磨に使う手は、こびりついた焦げに効きます。鍋やフライパンの話はフライパンの底の焦げの落とし方鍋の外側の焦げの落とし方にまとめています。


アルミの部品は変色に注意——ここだけは覚えておいて

ひとつ、大事な注意です。アルミの部品は、アルカリ性の液に長くつけると黒っぽく変色します。整流板や一部のフィルター、古い機種のファンにアルミが使われていることがあるんです。

  • 磁石が付かない、軽くて銀色で、指ではじくと薄い音がする → アルミの可能性。ステンレスは重く、磁石が付くものもあります
  • 迷ったら目立たない所で5分だけ試す。曇りや黒ずみが出たら、その部品はつけ置きから外して、中性洗剤で洗ってください
  • どうしてもつけたい時は、薄めの濃度で、短い時間で。重曹なら控えめに、セスキならさらに短く
  • 変色は汚れではないので、こすっても戻りません。性能に影響はありませんが、見た目が気になる方は避けたほうがいいところです

樹脂の部品も、熱いお湯で変形することがあります。40〜50度を守るのは、やけど対策であり、部品を守るためでもあるんです。

羽根の間の油——歯ブラシ、割り箸、竹串の順で

細い羽根がぐるりと並んだ形のファン(シロッコファンと呼ばれるもの)は、羽根と羽根の間が数mmしかなくて、スポンジが入りません。ここが最大の難所ですよね。

  1. つけ置きのあと、使い古しの歯ブラシを、羽根の向きに沿わせて動かします。横に動かすと羽根が曲がるので、必ず羽根に沿って。曲がるとバランスが崩れて、戻した時に音が出ます
  2. それでも残る奥は、割り箸に薄い布を巻いて差し込み、くるっと回して拭き取る。布は輪ゴムで留めておくと外れません
  3. いちばん細いすき間は竹串の先で押し出す。金属のものは羽根を傷つけるので使わないでください
  4. 硬く固まった塊は、樹脂のへらでそっとそぎ落とす。これは最後の手段で、力を入れすぎないこと
  5. 仕上げに食器用洗剤で全体を洗って、ぬるつきがなくなるまですすぐ

ちなみに、羽根が大きくて平らなプロペラ型のファンは、ずっと楽です。平らな面はスポンジで一拭き、注意するのは裏側と中心の軸のまわりだけ。つけ置きの時間も30分あれば十分なことが多いです。

乾かして戻す——濡れたまま戻さない

  • 洗い終わったらタオルで水気を取り、しっかり乾かす。羽根の間に水が残っていると、油とほこりを呼び寄せます
  • 乾かす時間がない日は、扇風機や涼しい風のドライヤーを当てると早いです。熱風は樹脂に良くないので避けて
  • フィルターも一緒に洗って一緒に戻す。ファンだけきれいにしても、フィルターが目詰まりしていると吸い込みが戻りません
  • 戻す時は、電源を切った状態で。ファンのつまみは、締める向きが逆になっている機種があるので、外した時の向きを思い出しながら。外し方と戻し方は換気扇が外せない時の外し方にくわしく書いています
  • 戻したら、一度回してみて変な音や振動がないかを確認。カタカタ鳴る時は、はまり方が浅いか、羽根が曲がっている可能性があります

頻度は年に2回が目安と言われますが、正直、年末に1回でも十分に違います。1年分の油と3年分の油では、つけ置きで落ちる量がまるで違うんです。夏の終わりに一度やっておくと、年末が驚くほど楽になりますよ。

ゆきこ( ゚Д゚)『何年ぶりかに開けたファンがこすっても全然歯が立たない、という話はよく聞きますよね。お湯とセスキで1時間放っておいたら、ブラシでなでるだけで茶色い塊がずるっと落ちた、という声を読んで、なるほどと思いました。力じゃなくて時間で落とすものなんだと思っています』

つけ置き用の粉をひとつ常備しておくと、換気扇の日以外にも、こんろ周りやレンジの中、子どもの上着のえりの汚れにまで使えます。手袋だけは忘れずに。

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そもそもファンが外せない、ネジが固いという段階でつまずいている方は、換気扇が外せない時の外し方を先に。焦げつきの落とし方はフライパンの底の焦げの落とし方鍋の外側の焦げの落とし方に。洗剤を切らした日の代わりの手は食器用洗剤の代わりになるものにまとめてあります。

まとめ:温度と時間で落とす、こするのは最後だけ

  1. 油は40〜50度のお湯とアルカリ性でゆるむ。熱湯は使わない
  2. つけ置きは30分から1時間、冷める前に引き上げるのがコツ
  3. 洗剤は油の厚みで選ぶ。迷ったらセスキ炭酸ソーダが扱いやすい
  4. アルミは変色する。迷う部品は5分だけ試してから決める
  5. 羽根の間は歯ブラシを羽根に沿わせて。乾かしてから戻す

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめました。

換気扇のファンのつけ置き掃除の早見表:油は40から50度のお湯とアルカリ性でゆるむので、こするのではなくつけて待つのが基本。手順はシンクか大きな袋に40から50度のお湯をため、アルカリ性の洗剤を溶かし、ファンとフィルターを沈めて30分から1時間、冷める前に引き上げ、やわらかいブラシでなで、食器用洗剤で仕上げてよくすすぐ。洗剤の使い分けは軽い油に重曹、こびりつきにセスキ炭酸ソーダ、何年分の厚い油に換気扇用のアルカリ性洗剤。注意はアルミの部品が黒く変色するので濃度と時間を控えめにし迷ったら5分だけ試す、熱湯は使わない、必ず手袋、洗剤を混ぜない。細い羽根の間は歯ブラシを羽根の向きに沿わせ、割り箸に布を巻き、細い所は竹串。プロペラ型は平らなので楽。最後は完全に乾かしてからフィルターと一緒に戻し、回して音を確認。頻度は年2回、難しければ年末だけでも

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