ワイヤレスイヤホンを水に落とした時、助かるかどうかは最初の五分で決まります——やってはいけない三つ

生活

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ぽちゃん、という音がして、頭が真っ白になる。トイレ、洗面台、お風呂、洗濯機の中。ワイヤレスイヤホンは小さくて軽いので、耳から落ちると思わぬところまで転がっていきます。

拾い上げた直後、たいていの方は「まだ動くかな」と電源を入れようとします。あるいは、乾かそうとしてドライヤーを取りに行きます。ここが分かれ道です。この二つは、どちらも助かるはずのイヤホンを止めてしまうことがあります。

ですのでこの記事は、直し方より先にやってはいけないことから始めます。順番を間違えなければ、水に落としても戻ってくる可能性は十分にあります。

拾ったら、まず何もしないやってはいけない三つ1 電源を入れて確かめる2 ケースに入れて充電する3 ドライヤーの熱風を当てる濡れたまま通電させると短絡します。発熱の危険もやること1 外側の水を布で押さえる2 下に向けて軽く振る3 イヤーピースを外す4 風通しのよい所へ置く24時間以上、動かさず待つIPX4は水しぶき、IPX7は一時的な水没に対応する等級です「生活防水」と書かれていても、沈めることは想定されていませんトイレの水に落ちたものは、乾いても衛生面の判断が別に必要です

やってはいけない三つ

ひとつめ、電源を入れて動作を確かめること。これがいちばんやりたくなるのですが、いちばん避けたい行為です。内部に水が残っている状態で電気を流すと、本来つながっていない場所どうしが水を通じてつながります。これが短絡です。落ちた瞬間には無事だった回路が、確かめようとした時に壊れる。よくある壊れ方です。

ふたつめ、ケースに入れて充電すること。これは一つめより危険度が上がります。濡れた状態での充電はしないでください。充電は電源を入れるより大きな電流が流れますし、リチウムイオン電池を相手にしているので、発熱や発火の側に近づきます。ここは断定で書いておきます。ケースが濡れている場合も同じで、拭いて乾かすまで挿さないでください。

三つめ、ドライヤーの熱風を当てること。早く乾かしたい気持ちは分かるのですが、熱に弱い部品と接着剤で組み上がっているものに、高温の風を当てるのは向きません。それに、風で水を内部の奥へ押し込んでしまうことがあります。表面が乾いても中に残るので、乾いたつもりで通電させて壊す、という一番残念な結果になりがちです。

冷風モードならまだましですが、それでも風圧で押し込むリスクは残ります。急がないほうが結果的に早い、という場面です。

拾い上げてからの手順

  1. 外側の水を、乾いた布で押さえるように取ります。こするのではなく、押し当てて吸わせる感じです
  2. イヤホンの音の出る穴を下に向けて、軽く振ります。強く振り回すと落として二次被害になるので、ほどほどに。手のひらに軽く打ちつけるくらいでも水は出てきます
  3. イヤーピース(シリコンの部分)を外します。ここと本体の間に水がたまります。外して別々に乾かしてください
  4. 風通しのよい室内に、そのまま置きます。直射日光や暖房の前は避けます。急な乾燥は必要ありません
  5. 24時間以上待ちます。できれば48時間。ここで我慢できるかどうかが、いちばん結果を左右します
  6. 時間が経ってから、電源を入れてみます。問題なければ、そのあとで充電を試します

ケースのほうも忘れないでください。イヤホンを入れる穴の底に水がたまっていることがあります。ケースを逆さにして置き、こちらも同じだけ乾かします。

米に入れる方法は、勧められません

「濡れた機器は生米に埋めると乾く」という方法が昔から知られていますが、今はメーカー側からも推奨されていない方法です。理由は二つあります。

ひとつは、効果が思ったほど無いこと。米が吸うのは周囲の空気中の水分で、機器の奥に入り込んだ水を引っぱり出す力はありません。風通しのよい場所に置いておくのと、大きくは変わらないという説明のほうが多いです。

もうひとつが実害のほうで、米の粉や小さな欠片が、充電端子やスピーカーの穴に入り込みます。ワイヤレスイヤホンは穴だらけの製品です。水が抜けても、そのあと端子が接触不良を起こしたら意味がありません。

シリカゲル(お菓子の乾燥剤)を一緒に密閉容器へ入れる方法は、米よりは理屈が通っています。ただこれも劇的ではありませんし、乾燥剤が古いと効きません。結局のところ、風通しのよいところに置いて時間をかけるのが、いちばん確実で害がありません。

防水と書いてあったのに、という時のIPXの読み方

「防水対応と書いてあったから大丈夫だと思った」というのは、よく聞く話です。ここは表示の意味を知っておくと、落ちた時に落ち着けます。

表示 想定されている状況 水没は
IPX2〜IPX3 斜めからの落ちる水、雨がかかる程度 想定されていません
IPX4 あらゆる方向からの水しぶき。汗や小雨 想定されていません
IPX5 噴流水。勢いのある水がかかる状況 想定されていません
IPX6 強い噴流水 想定されていません
IPX7 一定時間の水没(一般に水深1m・30分が基準) 一時的なら想定されています
IPX8 継続的な水没(条件はメーカーが指定) 想定されています

いわゆる「生活防水」と呼ばれる帯はIPX4前後で、汗や小雨には耐えるけれど、沈めることは想定されていません。運動用として売られているイヤホンの多くがこの帯です。だから「防水なのに壊れた」ではなく、「防水の種類が違った」ということになります。

それからもうひとつ。IPX7の機種でも、その等級は新品時の話です。落としたりぶつけたりして筐体にゆがみが出ると、防水の性能は落ちます。数年使ったものを、表示どおりの防水として信頼しすぎないほうが安全です。

トイレに落とした場合は、乾いてからの話が別にあります

機械としては、乾かせば動くかもしれません。ただ、耳の穴に入れるものである以上、衛生面の判断が別に必要になります。

現実的な線引きとしては、こうなります。

  • イヤーピース(シリコン部分)は交換してください。洗っても素材の細かい凹凸に残ります。替えが数百円で買えるものを、無理して使い続ける場面ではありません
  • 本体は水洗いできません。消毒用エタノールを含ませた布で、外側を拭く程度にとどめます。網目の部分に液体を流し込まないでください
  • 耳にかゆみ、痛み、においが出た場合は使用をやめてください。耳のトラブルが続く時は、自己判断せず耳鼻科で相談してください
  • 気持ちの上で受け入れられないなら、買い替えでいいと思います。これは性能の問題ではなく、毎日耳に入れるものとの付き合い方の問題です

ゆきこ( ゚Д゚)『機械としては直っても、心が直らないことってありますよね。無理に使わなくていいです』

車内に放置した場合は、水とはまったく別の問題です

「車の中に置きっぱなしにしていたら壊れた」という話も、同じくらいよく検索されています。ただ、これは水没とは原因が違います。

ワイヤレスイヤホンの中には、小さなリチウムイオン電池が入っています。この電池は高温に弱い。夏場の車内、とくにダッシュボードの上は、外気温よりかなり高くなります。ここに置きっぱなしにすると、電池の劣化が一気に進みます。

現れ方は「壊れる」というより、持ちが急に短くなるという形が多いです。前は五時間もったのに、二時間で切れるようになった。これは水に濡れた時の症状とは違います。

そしてもうひとつ、注意していただきたいことがあります。高温が続いた電池はふくらむことがあります。イヤホン本体が変形している、ケースの蓋が閉まりにくくなった、という場合は、電池が膨張している可能性があります。この状態での使用と充電はやめてください。捨て方は少しややこしいので、膨らんだリチウムイオン電池の処分方法のほうを参考にしてください。行き先が普通の回収ボックスではないところが要点です。

乾かした後、それでも充電できない時

24時間以上乾かして、電源は入るのに充電されない。この場合は、水そのものより端子の状態が疑わしいです。水が乾く時に、ミネラル分が白い跡になって端子に残ることがあります。

この時の対処は、水没していない場合の接触不良と同じ手順になります。乾いた綿棒でなでる、落ちなければ消毒用エタノールをごく少量。金属で削らない。詳しい手順はワイヤレスイヤホンが充電できない時の切り分けに書きました。

それでも復帰しない場合は、内部の腐食が進んでいる可能性があります。時間が経ってから急に動かなくなることもあるので、直ったように見えても、しばらくは目の届く場所で充電してください

買い替えを考える場面になったら、次はIPXの等級を確認して選ぶと同じことを繰り返さずに済みます。運動中に使うならIPX5以上、水回りで使う可能性があるならIPX7という選び方です。楽天市場でワイヤレスイヤホンを見るAmazonで見るの商品ページで、IPXの数字が書かれているかどうかを見てみてください。書いていない機種は、防水を期待しないほうが無難です。

ちなみに、水没を経験した後はにおいが出やすくなります。内部に残った水分と、イヤーピースの湿気が重なるためです。気になり始めたらイヤホンが臭う原因と落とし方のほうも合わせてどうぞ。

まとめ:待てるかどうかが、いちばん効きます

  1. 電源を入れて確かめないでください。濡れたまま通電させると短絡します
  2. 濡れた状態で充電しないでください。発熱・発火につながります。ケースが濡れている場合も同じです
  3. ドライヤーの熱風を当てないでください。熱で傷み、風で水を奥へ押し込みます
  4. やることは拭く・軽く振る・イヤーピースを外す・風通しのよい所に置くの四つです
  5. 24時間以上、できれば48時間待ってから電源を入れます。ここが結果を分けます
  6. 米に埋める方法は勧められません。効果が限られるうえ、粉が端子に入ります
  7. IPX4は水しぶき、IPX7が一時的な水没です。生活防水は沈めることを想定していません
  8. トイレに落ちた場合はイヤーピースを交換し、本体は外側を拭く程度に。耳に症状が出たら使用をやめてください
  9. 車内放置は水没とは別の問題で、高温による電池の劣化です。持ちが短くなる形で現れます
  10. 本体やケースが変形した時は、電池の膨張を疑ってください。使用と充電をやめて処分に回します

保存版:この記事の早見表

やってはいけない三つ、乾かす手順、IPXの読み方を1枚にまとめました。濡れたイヤホンを手に持ったまま、まずこれを見てください。

ワイヤレスイヤホン水没早見カード:電源を入れない充電しないドライヤーを当てない、外側を拭いて軽く振りイヤーピースを外して風通しのよい所で24時間以上乾かす、米に埋めるのは粉が端子に入るので勧められない、IPX4は水しぶきでIPX7が一時的な水没、トイレの水はイヤーピースを交換する、車内放置は高温による電池の劣化で別問題

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