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朝、パンを入れようとして扉を開けたら、庫内の底が真っ黒。ティッシュでこすってみても、指が黒くなるばかりで焦げは動かない。子どもがチーズトーストにはまった夏に、庫内が一気に大変なことになった、という話はよく聞きます。
先に結論をひとつだけ。トースターの焦げは「どこの焦げか」で手が完全に変わります。庫内の底と扉のガラスとヒーター管では、使っていい道具も、使ってはいけない道具も別なんです。全部を同じようにこすると、落ちないどころか本体を傷めることもあります。
今日は「場所を見分けて、そこに合う手を選ぶ」という順番でお話しします。力はほとんど要りません。順番に見ていきましょう。
いちばん最初に:電源プラグを抜いて、完全に冷めるまで待つ
掃除を始める前に、必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。スイッチを切っただけでは足りません。庫内に電熱の部品がむき出しで入っている家電なので、通電したまま濡れた布を入れるのは、いちばんやってはいけないことです。
- プラグを抜く。うっかり誰かが挿し直さないよう、抜いたプラグは本体の上に置いておくと安心です
- 完全に冷ますまで待つ。「もう触れるかな」くらいでは、まだ庫内は熱いです。使ったあとなら30分から1時間はみておくと安全。夜のうちに抜いて、朝いちばんにやるのが楽です
- 掃除のあとも、しっかり乾かしてから挿す。濡れたまま通電しないでください。拭いたあとは扉を開けたまま、半日ほど風を通してから電源を戻します
熱いところに冷たい水を当てると、ガラスや金属が急に縮んで割れることもあります。急がば回れで、まず冷ます。ここが全部の土台です。
焦げは「場所」で手が変わります——5か所を見分ける
庫内をのぞいて、黒くなっているのがどこかを確かめてみてください。だいたいこの5つに分かれます。
- 庫内の底。パンくずと、落ちた油やチーズが焼き付いたもの。いちばん多く、いちばん落としやすい焦げです
- 扉の内側のガラス。茶色い膜のようになった、油の焼けた汚れ
- 庫内の側面と天井。飛び散った油が薄く焼き付いて、べたつく感じ。「ゆるめて拭き取る」場所
- 受け皿(トレー)。取り外せるので扱いが別です。トースターの受け皿の焦げの落とし方で、素材別のやり方を書いています
- ヒーター管(電球のように見える棒)。ここだけは触らない・こすらない・洗わないが答えです。理由はトースターのヒーター管が焦げた時の見方へ
自分で落とせるのは①②③④。⑤だけは手を出さない。そう決めておくと迷いません。
庫内の底の焦げ——基本は「ふやかして浮かせる」
焦げは力でこそげ取るものだと思われがちですが、実際は水分と時間で浮かせるほうがきれいに落ちます。庫内は水をじゃぶじゃぶ使えない場所なので、「湿らせたものを乗せて放置する」がいちばん合っているんです。
- まずパンくずを取る。乾いた古歯ブラシで、底のくずを扉側へ掃き出します。本体を傾けて振るのは、部品に負担がかかるので避けてください
- お湯で濡らしたキッチンペーパーを、焦げの上に敷く。びしょびしょではなく、軽く絞った状態で、貼りつけるように置きます
- そのまま30分から1時間おく。この待ち時間が仕事をしてくれます
- 油の焦げには重曹ペースト。重曹に少量の水を混ぜて歯みがき粉くらいのゆるさにし、焦げに乗せて同じように置きます。アルカリ性なので、酸性の油汚れとよく合うんです
- 木べらか、プラスチックのヘラでそっと押し出す。ふやけた焦げは、角を当ててすーっと動かすだけで浮いてきます。動かない部分は無理をせず、もう一度ふやかしから
- 最後に固く絞った布で、重曹を残さず拭き取る。残ると白い跡やにおいの元になるので、水拭きを2〜3回くり返してください
1回で全部落とそうとしないのがコツです。8割落ちたら今日はおしまい、くらいの気持ちのほうが結果的にきれいになります。
扉の内側のガラスと、側面・天井のべたつき
次に気になるのが扉のガラスの茶色さ。中が見えないと焼き加減も分からないので、落とす価値の大きい場所です。
- 扉を開けて、水平に近い角度に倒す。上向きになれば、ペーストが垂れずに置いておけます
- 重曹ペーストを塗って、10〜20分おく。上から濡らしたキッチンペーパーをかぶせると乾かずに効きます
- やわらかいスポンジか、丸めたラップでやさしくこする。研磨剤入りのクリームや金属たわしを使うと細かい傷が入り、そこに汚れが入って余計に曇ります
- 固く絞った布で拭き上げ、乾いた布で仕上げる。白い跡が残りやすいので、水拭きは念入りに
側面と天井は、こすらなくて大丈夫。お湯で濡らして固く絞った布を、しばらく押し当ててから拭くだけでべたつきはかなり取れます。届きにくい奥は、割りばしに布を巻いて輪ゴムで留めるとちょうどいい道具に。ただしヒーター管に布を当てないよう、無理に奥まで手を入れないでください。
やってはいけないこと5つ——とくに「水」と「スプレー洗剤」
ここは断定で書きます。落ちないもどかしさから、つい手が伸びてしまうものばかりなので、先に線を引いておきましょう。
- 庫内に直接水をかけない。シンクで丸洗いなど、もってのほかです。外から見えない位置に配線などの電気の部品が入っていて、そこに水が入ると、乾いたように見えても内部でさびたり、通電した時に不具合が出たりします
- スプレー洗剤を庫内に吹かない。霧は思っている以上に細かく広がって、すき間から電装部に入ります。洗剤を使いたい時は布に吹き付けてから拭く。この一手間で全然違います
- 金属たわし・研磨剤入りのクリーム・メラミンのスポンジで強くこすらない。庫内は塗装で守られていて、削るとその後の汚れがしみ込みやすくなります
- ヒーター管に触れない・こすらない・濡らさない。ガラスの管が割れると、破片が飛ぶだけでなく、中の電熱線がむき出しになって感電の危険があります。掃除の対象外です
- 濡れたまま通電しない。拭いたあとは扉を開けて半日ほど乾かしてからプラグを挿す。急いで使いたい日ほど、ここを飛ばしがちです
それから、塩素系の漂白剤と酸性のもの(クエン酸・お酢)を混ぜないのは台所の鉄則。そもそも庫内は洗い流せない場所なので、塩素系は使わないでください。重曹とお湯で十分に戦えます。
こすっても取れない黒は、焦げではないかもしれません
ふやかしても重曹を乗せても消えない黒。それは汚れではなく庫内の塗装がはがれて、下地の金属が見えている状態のことがあります。
- 見分け方。指で触ってざらつかない、平らで、ふちがはっきりしている、こすっても布に色が移らない。この場合は塗装のはがれか、炭化しきったものです
- どうするか。無理に削らないのがいちばん。削ると周りの塗装まではがれて範囲が広がります。見た目は気になりますが、性能にはほぼ影響しません
- 気にしなくていい黒。庫内が全体的にくすんでいくのは、熱を受け続けた家電の自然な変化です。新品の銀色に戻すことは、家庭ではできません
- 気にすべき黒。焦げ跡が盛り上がっている・ふくらんでいる・ひび割れている、あるいは使うとそこから煙が出る・においが残る。これは掃除の話ではありません。使用をやめて、メーカーか販売店に相談してください
においのほうが気になっている方は、原因が掃除で消えるものかどうかを先に分けたほうが早いです。トースターが焦げ臭い・魚臭い時の見分け方もあわせてどうぞ。
焦げを溜めない毎回の一手と、買い替えを考える目安
いちばん楽なのは、そもそも焦げを育てないことです。続けたいのは、たったこれだけ。
- 使ったらパンくずを落とす。冷めてから受け皿を引き出して、くずを捨てるだけ。1日1回、10秒です
- 油の落ちるものは、下に受けるものを敷く。何を敷いていいかはトースターでクッキングシートの代わりになるものへ。紙なら何でもいいわけではないので、ここは先に読んでおいてほしいところです
- 冷めてから扉を開けておく。湿気がこもらず、においも残りにくくなります
そして、買い替えを考えたほうがいい目安も書いておきます。掃除をしても煙が出る、焦げたにおいが消えない、扉が閉まりきらない、片方のヒーター管が光らない、通電すると異音や火花がある。これらは掃除の範囲を超えています。使用をやめて、メーカーか販売店へ相談してください。
ゆきこ( ゚Д゚)『庫内の底が炭の板みたいになって必死にこすっていたら、「そこ、たぶん塗装だよ」と言われた、という話はよく聞きます。ふやかして待つだけで8割落ちると分かってしまえば、掃除の日に力を入れる必要はなくなりますよね』
重曹は台所とお風呂と洗濯で使い回せるので、大きい袋で買っておくのがおすすめです。焦げ落としだけのために小さいものを買うより、結果的に長く使えて楽だと思います。
あわせて読みたい
部位ごとに記事を分けています。真っ黒な受け皿はトースターの受け皿の焦げ、棒の部分はヒーター管が焦げた時、においは焦げ臭い・魚臭い時、敷くものはクッキングシートの代わりへ。
ほかの調理器具の焦げも考え方は似ています。ホットプレートの焦げ落とし、フライパンの底の焦げ、鍋の外側の焦げもどうぞ。使えない間の代わりはトースターとグリルの代用が役に立ちます。中まで手を入れたくなったら、その前にトースターは分解できるのかも読んでみてください。
まとめ:場所を見分けて、ふやかして、こすらない
- 必ず電源プラグを抜いて、完全に冷ましてから始める
- 焦げは底・扉・側面・受け皿・ヒーター管の5か所で手が変わる
- 基本はふやかして浮かせる。濡れた紙を敷いて置き、重曹ペーストで待つ
- 庫内に水をかけない・スプレーを吹かない。電装部に入ります
- 取れない黒は塗装のはがれのことも。煙やにおいが残るなら使用中止
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手順を1枚にまとめました。



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