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久しぶりに出したスチームクリーナーのタンクのフタを開けたら、ゴムのふちにぽつぽつと黒い点。カビ取りの道具のはずなのに、自分がカビているという事実、なかなかこたえますよね。しかも高温の蒸気が出る機械なので、「このまま使っていいの?」という不安もついてきます。
先にひとつだけ。これは機械が壊れたのではなく、しまい方の問題です。ほとんどの場合、原因は「使ったあと水を残したまま、フタを閉めてしまった」こと。落とし方も、二度と出さないためのやり方も、そんなに難しくありません。順番に見ていきましょう。
まず電源を抜いて、完全に冷めるのを待つ
作業に入る前の約束事です。ここだけは飛ばさないでください。
- コンセントを抜く。スイッチを切っただけでは、内部に熱が残っています
- 完全に冷ます。使った直後の本体は、外から見て分からなくても中の水が熱いままです。タンクのフタを開けた瞬間に蒸気が吹き出すことがあるので、30分以上は置いてから
- タンクの水は全部捨ててから作業に入ります
- 洗剤を使うので、窓を開けて換気し、ゴム手袋をつけて。小さなお子さんがいる家庭では、洗剤も部品も手の届かない所へ
カビが出る場所は、だいたいこの4か所
- タンクのフタのゴム(パッキン)。いちばん多いのがここ。フタを閉めると水蒸気が逃げず、ゴムのみぞにいつも水がたまります
- 注水口のふちとその内側。水を入れるときに垂れた分が乾かずに残ります。細くて指が入らないので見落としがちです
- ノズルの根元、付け替え部分の継ぎ目。使い終わりに湿った状態で外して、そのまま箱に戻すと、継ぎ目のすき間で育ちます
- パッドを留める部分。クリップの裏、面ファスナーの根元。濡れたパッドを付けたまましまった翌週にご対面、というパターンです
この4か所に共通しているのは、水がたまる・空気が通らない・目に入りにくいという3条件がそろっていること。加湿器のタンクにピンク色のぬめりが出るのと、理屈はまったく同じなんです。そちらの話は加湿器のピンクのカビの落とし方にまとめてあります。
なぜ出るのか——「使ったあと、水を残したまましまう」
スチームクリーナーは高温の蒸気を出す道具なので、中は殺菌されているはずと思ってしまいますよね。私もそう思っていました。でも実際は、使い終わって電源を切ったあと、タンクの中はぬるくて湿った状態のまま何日も置かれることになります。これは、カビにとっていちばん過ごしやすい条件なんです。
しかも困ったことに、スチームクリーナーは毎日使う道具ではありません。大掃除のときに出して、また半年しまう。この「使わない期間の長さ」が、パッキンのカビを育ててしまいます。逆にいえば、しまう前の3分で、ほとんど防げます。
落とし方——中性洗剤とやわらかいブラシ、そして完全に乾かす
- 外せる部品は外す。タンク、フタ、パッキン(説明書に「外せる」と書いてあるものだけ)、ノズル、パッド。説明書に外し方が載っていない部品は外さないでください。無理に引っ張るとゴムが伸びて、蒸気漏れの原因になります
- ぬるま湯に中性洗剤を溶かして、5〜10分つけ置き。食器用の洗剤で十分です。ここで待つと、このあとの力がいらなくなります
- やわらかいブラシでなでる。歯ブラシや、細いすき間用のブラシ。ゴムのみぞに沿って、往復ではなく一方向に動かすと点が取れやすいです。力を入れてこすらないのがコツ。ゴムに細かい傷が付くと、次のカビがそこに入り込みます
- 流水でよくすすぐ。洗剤が残るとゴムが傷みます
- 完全に乾かす。ここが本番です。タオルで水気を取ってから、部品をばらばらのまま風通しのいい所に半日〜1日置きます。急ぐ人でも、フタだけは閉めずに置いてください
薄い黒ずみなら、この手順でほとんど消えます。消えないときは、ゴムの内側まで入り込んでいるサインです。
塩素系のカビ取り剤を使う前に——機種の指定を必ず確認
「浴室のカビ取り剤を吹けば一発では」と思いますよね。でも、ここは慎重にお願いします。
- 塩素系はゴムを傷めます。色は抜けても、ゴムが硬くなったり、表面がぼろぼろになったりすることがあります。高温の蒸気を密閉して受け止める部品なので、傷んだパッキンは蒸気漏れややけどにつながります
- だから、まず取扱説明書で「使える洗剤」の欄を確認してください。塩素系不可と書いてある機種は、そこで終わりです。中性洗剤で落ちない黒い点は、交換で解決するほうが安全です
- 説明書で認められている場合でも、短時間で、必ずよくすすぐ。何時間も置くのは避けてください
- 混ぜるな危険。塩素系の洗剤と、酸性の洗剤(クエン酸・お酢・水あか用の洗剤など)を一緒に使わない、続けて使わない、同じバケツに入れない。有毒なガスが出ます。スチームクリーナーは水あか取りにクエン酸を使う機種もあるので、順番に気をつけて。塩素系を使ったあとは、すすいで完全に乾かしてから次の作業へ
- 使うときは必ず換気して、ゴム手袋を。目に入らないよう、顔より低い位置で作業してください
やってはいけないこと
- 説明書に載っていないところまで分解する。ボイラーやポンプにつながる部品は、素人が開けると組み戻せません。圧のかかる機械なので、密閉できなくなると危険です
- 研磨剤やメラミンのスポンジ、金属ブラシでこする。ゴムに傷が付いて、かえってカビが根を張ります
- 熱湯をゴムに何度もかける。カビには効きそうに思えますが、ゴムの劣化が早まります。つけ置きはぬるま湯で十分です
- 濡れたまま組み戻す・濡れたまましまう。せっかく落としても、1週間で元通りになります
- 黒い点が残ったまま、力ずくで擦り続ける。ゴムの中まで入っているものは、表面をいくら磨いても出てきません
パッキンは消耗品として買えることがあります
意外と知られていませんが、タンクのフタのゴムや注水口のパッキンは、交換部品として販売されている機種があります。探し方はこの順番が早いです。
- 本体の裏や底のシールで型番を確認。数字とアルファベットの並びを、そのまま書き写します
- メーカーの窓口に「この型番のタンクのフタのパッキンはありますか」と問い合わせる。部品は表に出ていなくても、取り寄せできることがあります
- 取扱説明書の最後のほうにある「別売部品」「消耗品」の一覧を見る
- 製品によっては、フタごと交換になることも。パッキン単体より高くはなりますが、確実です
- 金額は機種でまったく違うので、ここでは断定せずに見積もりを取ってください。買い替えのほうが安く付く場合もあります
交換するかどうかの見きわめ
- ゴムを指で押して、硬く感じる。弾力が戻らない→交換
- 細かいひび、切れ、欠けがある→交換
- 中性洗剤で落ちない黒い点が広がっている→見た目の問題にとどまるならすぐでなくても大丈夫ですが、次の使用でにおいが移るなら交換
- 使っている最中にフタの周りから蒸気が漏れる、シューという音がする→すぐに使うのをやめてください。高温の蒸気が思わぬ方向に出るので、やけどの危険があります。冷ましてから、メーカーに相談を
毎回の一手——これだけで二度と出ません
- 使い終わったらタンクの水を全部捨てる。次に使うときに入れ直せば大丈夫です
- ノズルとパッドを外す。付けたまましまわない
- フタを開けたまま、半日置く。閉めるのは、完全に乾いてから
- しまうときもフタは軽く乗せるだけにするか、パッキンを外して別に保管できる機種ならそうする
- ついでに、次に使うときのためにタンクの中を一度からで温めてから使うと、におい残りも減ります
ゆきこ( ゚Д゚)『「使ったら水を捨てる」を、洗濯機の糸くずフィルターと同じ扱いにしてしまうのがいちばん楽だと思います。面倒なのは最初だけで、慣れると片づけの一部になりますよね。半年ぶりに開けて黒い点と目が合う、あの朝の気持ちを味わうよりずっといいです』
ゴムのみぞや注水口のような細い所は、道具があるかないかで作業時間が変わります。先の細いブラシが何本かセットになったものを1つ持っておくと、加湿器のタンクや水筒のパッキンにも使えて出番が多いですよ。
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同じ「乾かさないと出る」仲間として、加湿器のピンクのカビの落とし方もどうぞ。本体は無事だけれどパッドが足りない、という日はスチームクリーナーの代用が役に立ちます。床に当てて失敗してしまった方はフローリングを失敗した時の手当てを、そもそも自分の家に必要かどうかで迷っている方はスチームクリーナーで後悔した理由を先に読んでみてください。
まとめ:原因は水の残し方、落とすのは中性洗剤、決め手は乾かすこと
- 出る場所はフタのゴム・注水口・ノズルの根元・パッドの留め具の4つ
- 作業は電源を抜いて完全に冷ましてから。換気とゴム手袋も
- 中性洗剤でつけ置き、やわらかいブラシ、完全に乾かす。こすらない
- 塩素系はゴムを傷めるので機種の指定を確認。酸性と混ぜない
- 硬い・ひび・蒸気が漏れるなら交換。漏れたら使わずメーカーへ
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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