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ペンケースを開けたら、中がインクでべったり。シャツの胸ポケットに入れていたボールペンから、じわっと黒いしみ。バッグの内側まで広がっていて、見た瞬間に「うわ…」と声が出る。あれ、本当にがっくりしますよね。
先に結論をひとつ。ボールペンのインクが漏れるのは、ペンが壊れたからというより、「気圧や温度の差」と「置き方」でインクが押し出されていることがほとんどなんです。だから原因が分かれば、次からはかなり防げます。付いてしまったインクも、油性・水性・ゲルの見分けができれば、家にあるもので落とせる範囲が広がります。
この記事では、漏れる原因、インクの種類ごとの落とし方、飛行機や車内での注意、替え芯で直るかの見分け方まで、順番に見ていきましょう。
なぜインクが漏れる? 主な原因は5つ
ボールペンは、細い管(替え芯)にインクが詰まっていて、ペン先の小さなボールが転がることでインクが紙に移る仕組みです。管の後ろ側は空気に触れていて、ここが漏れの正体に関わってきます。
- 気圧・気温の差——飛行機で上空に行くと外の気圧が下がり、芯の中の空気が膨らんでインクを前に押し出します。夏の車内や日なたの窓辺も同じで、温まったインクと空気が膨張して、ペン先からじわっと出てきます
- 逆さ・横向きの保管——ペン先を下にして胸ポケットやペン立てに入れていると、重力でインクがペン先に集まり続けます。油性は粘りが強いので比較的耐えますが、水性やゲルはにじみやすい
- ペン先のインク溜まり(ボテ)——書いた時にペン先に残ったインクが乾いて溜まり、そこから次のインクが玉になって落ちる。「書き出しでドバッと出る」のはこれ
- 落下で軸や口金にひびが入った——ペン先を下にして落とすと、ボールの受け(口金)がゆがんで、隙間からインクが出ることがあります。芯そのものが割れるのは少ないですが、軸のひびからインクが回ることも
- 芯が古い・空気が入っている——長く使わない芯は、インクが分離したり、後ろのグリス(インクの逆流を止める粘りのある栓)がずれて空気が入ったりします。押し出す力の逃げ場がなくなって、ペン先から出てくる
「壊れた」と思っても、実は置き方や温度のせいだった、というのがいちばん多いパターンです。そう覚えておくと、対策の順番で迷いません。
油性・水性・ゲルで、漏れ方と落とし方が違う
落とし方の前に、インクの種類を確かめてください。ペンの軸か替え芯に「油性」「水性」「ゲル」と書いてあることが多いです。書いてなければ、紙に書いて水を1滴。にじめば水性かゲル、にじまなければ油性です。
| 種類 | 漏れ方の特徴 | 落とすのに使うもの |
|---|---|---|
| 油性 | 粘りが強く、玉になってポタッと落ちる。乾くと落ちにくい | 無水エタノール(消毒用でも)、クレンジングオイル |
| 水性 | さらさらで広がりやすい。にじみ方が大きい | 水、中性洗剤、固形石けん |
| ゲル | 水性寄り。顔料タイプは乾くと繊維に残りやすい | まず水と洗剤、残ればエタノール。早さが勝負 |
油性のインクは油に溶けるので、水で洗っても広がるだけ。反対に水性は水で落ちるので、エタノールを使うほどではないことが多いんです。「とにかく水でこする」としみが大きくなりがちなので、まず種類を見る、を習慣にしてみてください。
服に付いた時の落とし方——こすらない、お湯を使わない
用意するのは、無水エタノール(なければ消毒用エタノール)、使い捨てのタオルかキッチンペーパー、中性洗剤(食器用でOK)、古い歯ブラシ。
- 目立たない所で試す。裾の裏や縫い代にエタノールを少し付けて、色が落ちたり生地が変わったりしないか確認。色柄物、ウール、シルク、レーヨンは要注意
- しみの下にタオルを敷く。しみを裏返し、裏側からエタノールを含ませた布でトントンと叩く。インクを下のタオルに移す動きです。こすると広がります
- タオルにインクが移ってきたら、タオルのきれいな面に替えて繰り返す。何度か替えるうちに薄くなります
- 薄くなったら中性洗剤を直接付けて、歯ブラシで軽くなじませ、水(ぬるま湯まで)ですすぐ。お湯はインクを定着させるので使いません
- いつもの洗濯へ。乾かす前に確認し、残っていれば1〜4を繰り返す。乾燥機は残ったしみを固定するので、消えるまでは自然乾燥で
除光液(マニキュアを落とすもの)は油性インクをよく溶かしますが、アセテートやアクリル、ポリエステルの一部は生地そのものが溶けたり白くなったりします。表示タグで素材を見て、必ず目立たない所で試してから。においが強いので窓を開けて、火の近くでは使わないでください。エタノールも同じで、火気のそばはNG。手が荒れやすい人は手袋を。
外出先なら、消毒ジェルやアルコール入りのウェットティッシュが応急処置に使えます。しみに少しなじませてティッシュで押さえるだけでも、帰ってからの落ちやすさが変わります。
バッグ・手・革や合皮に付いた時
- 手や指——石けんでよく洗い、残ればエタノールを含ませたコットンでなじませて、また石けん。肌が弱い人は、除光液は使わずに石けんで数回に分けて。手荒れするので、終わったらハンドクリームを。赤みやかゆみが続くなら皮膚科に相談してください
- ナイロンやポリエステルのバッグの内側——服と同じ手順で。バッグは裏返せないので、下にタオルを当てて、上から叩いて吸わせます。内袋が外せるなら外して洗う
- 革(本革)——エタノールは革の油分と色を抜きます。乾いた布で軽く押さえるだけにして、革用のクリーナーか専門店へ。こすると広がって取り返しがつかないので、ここは我慢
- 合皮・ビニール——中性洗剤を薄めた水で拭き、残るならエタノールを少量。表面がべたつく古い合皮は剥がれやすいので、目立たない所で試してから
- ペンケースの中身——プラスチック製ならエタノールで拭けば取れます。布のペンケースは服と同じ
漏れやすい持ち方と、飛行機・車内での注意
原因が「気圧・温度・置き方」なら、対策もそこです。
- ペン先を上にして保管する。胸ポケットはクリップで留めればペン先が上になるので、実はそれほど悪くありません。問題はバッグの底やペン立てで、ペン先が下を向いたまま何日も置かれること
- ノック式はペン先を引っ込めておく。出したまま放置すると、ペン先に付いたインクが乾いて溜まり、次の書き出しでボテが出ます
- 飛行機に乗る時——上空で気圧が下がり、芯の中の空気が膨らんでインクを押します。特に水性・ゲルと、インクが半分以下になった芯(空気の量が多い)は漏れやすい。キャップ式のペンにキャップをして、ペン先を上に向けてチャック付きの小袋に入れておくと、漏れても被害が袋の中で止まります。機内で書く時は、いったんペン先を上に向けて数秒待ってから
- 車内——夏の車内は温度が上がり、ダッシュボードの上は特に高温になります。ペンを置いたままにすると、インクが膨張してにじみ、芯の後ろのグリスも柔らかくなって逆流しやすくなります。車に置きっぱなしのペンは、ドアポケットか日の当たらない所へ
替え芯の交換で直る? 買い替えるのはどんな時
「一度漏れたペンは、また漏れる?」——芯が原因なら、替え芯で直ります。軸が原因なら、直りません。見分け方はこうです。
- 軸を分解して、インクがどこまで回っているか見る。芯の後ろ側(グリスのあたり)や、ペン先の口金の内側にインクがあるだけなら、芯の問題
- 軸の内側をティッシュとエタノールで拭いて、乾かす。ここでインクが残っていると、新しい芯を入れても手やポケットが汚れます
- 同じ規格の替え芯に交換。長さと太さが合えば他社の芯が入ることもありますが、まずは同じメーカーの同じ型番が安心。芯の型番は、古い芯に小さく印字されています
- それでも漏れる、ノックが戻らない、軸にひび、口金がぐらつくなら、軸側の故障。数百円のペンなら買い替えた方が早いです
分解の仕方や、飛ばしてしまったバネの話は、ボールペンの分解と直し方で詳しく書いています。分解の途中でバネが行方不明になったら、ボールペンのバネの代用も見てみてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『長男の筆箱、夏休み明けに開けたらインクの海。犯人は車に置き忘れたゲルのペンでした。エタノールで筆箱と定規は復活、体操着の袋は……いまも薄く残ってます。「ペン先は上、車には置かない」を家族で唱えるようになりました』
無水エタノールは、ボールペンのしみだけでなく、シールの跡や油性ペンの落書き、電気まわりの拭き掃除にも使えるので、1本あると本当に楽です。火気の近くで使わない、換気する、子どもの手の届かない所に置く。この3つだけ守ってください。
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まとめ:漏れの正体は気圧・温度・置き方。付いたら「種類を見て、叩いて移す」
- 漏れる原因は気圧・気温差、逆さ保管、ペン先の溜まり、落下、古い芯の5つ
- 油性は無水エタノール、水性は水と洗剤、ゲルは早めに。水1滴で見分ける
- 服は裏から叩いてタオルに移す。こすらない、お湯と乾燥機は使わない
- 除光液・エタノールは目立たない所で試す。革はこすらず専門店へ
- 保管はペン先を上。飛行機は小袋に、車には置かない。芯が原因なら替え芯で直る
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手順を1枚にまとめました。



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