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ポーチを開けようとしたら、ファスナーの引き手が片側のギザギザからスポッと外れて、閉めても片方だけ口が開いたまま。子どもの体操着袋で、根元からスライダーごと抜けて手の中に残った。よくある「ファスナーが片方外れた」ですが、実はこれ、3つの別の壊れ方がひとつの言葉になっているんです。
先に結論。スライダーが片側から外れただけなら、下止め側から差し直せば自分で直ります。根元ごと抜けた時は、下止めを外してから差し直して、新しい止めを作る。エレメント(ギザギザの歯)そのものが欠けた時だけ、場所によっては交換になります。どれに当てはまるかの見分け方から、順番にお話ししますね。
まず見る:「片方外れた」は3パターンある
ファスナーは、ギザギザの歯=エレメント(務歯)、それを噛み合わせるスライダー(引き手が付いた金具)、上下の端で止める上止め・下止めでできています。「片方外れた」と感じる状態を、この部品で分けるとこうなります。
- ①スライダーが片側のエレメントから外れた——引き手を動かすと片方の歯だけ通って、もう片方はスライダーの外にはみ出している。下止めは無事。一番多くて、一番簡単
- ②スライダーが根元(下止め)ごと抜けた——スライダーが完全にテープから離れて手の中にある。下止めが壊れたか、最初から無い。自分で直せるが、止めを作り直す必要がある
- ③エレメント(歯)自体が欠けた・取れた——歯が1〜2個無くなっていて、そこでスライダーが外れる。欠けた位置で、自分で直せるかが決まる
ポーチや財布のように下が縫い込まれているファスナーと、上着のように下が左右に分かれるオープンファスナーでも話が変わります。上着の場合は下にある「蝶棒」と「箱」が原因のことが多いので、上着のファスナーが噛み合わない時の記事を先に見てください。この記事は主に、ポーチ・バッグ・ズボンなどの「下が閉じたファスナー」の話です。
①スライダーが片側から外れた——下止め側から差し直す
一番多いパターン。スライダーの片側の口から、エレメントが抜けてしまった状態です。つい上から押し込もうとしがちですが、入れ直すのは下止め(開けた時にスライダーが止まる端)側からが基本です。
- スライダーを一番下まで下ろす。まだ噛んでいる側のエレメントに沿って、下止めのところまで動かします
- 外れている側のテープを、スライダーの空いている口に斜めに差し込む。エレメントの列がスライダーの溝に乗るように、テープの端を少し引っ張って平らにしてから差すと入りやすい
- 両側のエレメントの高さを揃える。左右の歯の位置がずれていると、上まで閉めても片方だけ余ります。差し込む前に、左右の下端の位置を指で合わせておく
- 入ったら、ゆっくり上へ引き上げる。途中で引っかかったら戻して、噛み合わせを確認
差し込んでもすぐまた外れるなら、スライダーの口が開いてゆるんでいるのが原因。後で説明するペンチの技で締めると止まります。逆に入っていかない時は、歯が1つ歪んでいることが多いので、力を入れずに歪んだ歯を先に探してください。
②根元(下止め)ごと抜けた——止めを外して差し直し、新しい止めを作る
スライダーが完全に外れて、手の中にある。この場合は下止めが壊れているか、下止めをスライダーが飛び越えてしまっています。下止めが残っているとスライダーは戻せないので、まず下止めを外すところから。
- 下止めを外す。金属の小さなコの字型の金具なら、ペンチかニッパーで両側から少しずつ開くか、切って外す。糸で縫ってあるだけなら糸を切る
- スライダーの向きを確認して差す。引き手が付いている面が表(外側)。両側のテープの端を揃えて、スライダーの下の広い口から2本同時に差し込みます。片方ずつ入れると必ずずれるので、ここは焦らずに
- 入ったら、少し上まで引き上げて噛み合わせを確認。左右のエレメントがきれいに交互に組んでいれば成功
- 新しい下止めを作る。修理セットの交換用の下止めをペンチで挟んで留めるか、無ければ太めの糸で、エレメントの下端を6〜8回ぐるぐる巻いて玉止め。これだけで十分止まります
下止めを外す時、金属の下止めは先端が鋭くて指を切ります。外す方向に指を置かない、外れた金具はすぐ捨てて床に残さない、を意識してください。
③エレメント(歯)が欠けた・取れた——欠けた位置で判断
歯そのものが無くなっているパターンは、正直、他の2つより難しい。無くなった歯を足すことは自分ではできないので、判断はこうなります。
- 欠けたのが下の方(下止めから数センチ以内)——欠けた歯のすぐ上に、糸で新しい下止めを作ってしまう。ファスナーの開く範囲が数センチ短くなるだけで、普通に使えます
- 欠けたのが真ん中〜上の方——そこでスライダーが毎回外れるので、実用的にはファスナー交換。修理店へ
- コイル(樹脂)ファスナーで歯が少し潰れただけ——完全に無くなっていないなら、潰れた部分をつまようじで起こして、スライダーを通してみる。通ればそのまま使えることも
金属とコイル(樹脂)で、ここだけ手順が違う
ファスナーは大きく、金属(歯がひとつずつ金属)、コイル(樹脂の細い線が渦を巻いた、柔らかくて薄いもの)、ビスロン(樹脂の太い歯)の3種類。直す時の違いはこうです。
- 金属:歯が硬いので、差し直す時はテープの端を平らにして真っすぐ。斜めに無理に入れると歯が曲がる。下止めは金属のコの字型が多く、外すのにペンチが要る
- コイル:差し込みやすい反面、スライダーの口が開いているとすぐまた外れる。ペンチで軽く締めるのが効くのはこのタイプ。下止めは糸か樹脂の溶着が多い
- ビスロン:歯が大きく、1つ欠けると影響が大きい。上着や大きなバッグに多く、欠けたら交換寄り
「プラスチックのファスナーが片方外れた」という相談も、ほとんどはコイルかビスロンの話。コイルなら①か②の手順で戻り、ビスロンの歯が取れたなら③の判断です。滑りが悪ければ鉛筆の芯かロウソクを歯にこすりつけると入りやすくなります。食用油は布に染みて埃を呼ぶのでNGです。
ペンチでスライダーを軽く締める技(締めすぎ厳禁)
差し直してもすぐ外れる、閉めても後ろから開いてくる。これはスライダーの上下の板が開いて、エレメントを噛む力が弱くなっている状態です。ペンチで戻せます。
- スライダーをエレメントが入っていない状態にするか、下止めのところまで下げる
- ペンチでスライダーの後ろ側(閉める時の出口)の左右の端を、上下から挟む
- ほんの少しだけ力を入れる。「キュッ」と手応えがあったらそこで止める。1回締めたら動かして試す、を繰り返す
締めすぎると、今度はスライダーが動かなくなって、そのまま壊れます。戻せないので、必ず「弱く・試す・弱く・試す」。それから、ペンチで挟む時はテープや指を一緒に挟まないこと。布を挟むと穴が開き、指を挟むと血豆になります。
今日をしのぐ応急処置と、修理店の相場
出先で直す道具が無い時は、とにかく開かないようにするだけ。
- 安全ピン:外れた側の上の方を、反対側のテープと留める。中身が落ちないようにする最低限
- 輪ゴム・ヘアゴム:引き手に通して、ボタンやベルト通しに引っかける。ズボンのファスナーが閉まらない時の定番
- クリップ:ポーチなら、口をクリップで挟むだけでも一日持ちます
修理店に出すなら、相場はスライダーの交換や下止めの作り直しで1,500〜4,000円前後。ファスナーを丸ごと付け替えると、長さと素材によって5,000円を超えることも。ポーチ本体が2,000円なら買い替え、思い出のあるバッグや高い上着なら修理、という線引きでいいと思います。
リュックは両開きやスライダー2つのものが多く、少し話が変わります。リュックのチャックが外れた時の直し方を別にまとめているので、そちらを見てください。
ゆきこ( ゚Д゚)『次男の体操着袋、スライダーが根元から抜けて「もう使えない」と泣いていたので、下止めを糸で巻いて5分で復活。本人は「魔法?」と言ってましたが、母は前に同じことを3回やってるだけです。ペンチは1回締めすぎて、スライダーを1個ダメにしました』
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ファスナーの困りごとは症状で記事を分けています。上着のファスナーが噛み合わない時は蝶棒と箱の直し方、布を噛んで動かない時は深く噛んだ時の外し方、スライダーが割れた・引き手が取れた時はスライダーを自分で交換する手順へ。リュックはリュックのチャックが外れた時の記事にまとめています。
まとめ:どこが外れたかを見てから、下止め側から差し直す
- 「片方外れた」はスライダーが片側から外れた/根元ごと抜けた/歯が欠けたの3パターン
- 片側から外れただけなら下止め側から差し直す。左右の高さを揃えるのがコツ
- 根元ごと抜けたら下止めを外して2本同時に差し、糸で新しい止めを作る
- すぐまた外れるならペンチでスライダーを軽く締める。締めすぎると壊れる、布と指を挟まない
- 歯が上の方で欠けた・直らない時は修理店へ。1,500〜4,000円前後が目安
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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