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朝、子どもの上着のファスナーを閉めようとしたら、下の棒が入らない。入ったと思っても、引き上げると片方だけ噛まずに開いたまま。何度やり直しても同じで、結局前を開けたまま登校させた朝、ありませんか。
上着やパーカーのように下が左右に分かれるファスナー(オープンファスナー)には、「蝶棒」と「箱」という、ポーチのファスナーには無い部品があります。閉まらない・噛み合わないの原因は、ほとんどがこの2つか、スライダーのゆるみのどれか。蝶棒が入りにくいだけなら掃除と磨きで直ることが多く、スライダーのゆるみはペンチで戻せます。一方で蝶棒が折れた・抜けたは、自分ではほぼ無理。先に見分け方からいきましょう。
「蝶棒」と「箱」——上着のファスナーの下にある2つの部品
上着のファスナーを全部開けて、下の端を見てください。
- 蝶棒(ちょうぼう):片側の下端に付いている、細長い棒。閉める時に反対側へ差し込む方です。差し込みピンとも呼ばれます
- 箱:もう片側の下端に付いている、スライダーが座る四角い受け。蝶棒がここに入って初めて、スライダーが両側のエレメント(ギザギザの歯)を噛めるようになります
「蝶棒を箱の奥まで差す→スライダーを箱にぴったり下ろす→引き上げる」が正しい閉め方。蝶棒が奥まで入っていないだけで噛まないことも多いので、まずは一度、スライダーを箱に押し付けるように下げてから引いてみてください。それでダメなら、次の切り分けへ。
閉まらない・噛み合わない原因を4つに切り分ける
- 蝶棒が曲がった・削れた・先が潰れた——箱に入りにくい、入っても途中で止まる。軽い変形なら磨いて直る。折れた・根元から抜けたは修理店
- 箱にゴミが詰まった・割れた——蝶棒が奥まで入らない。糸くず・砂・ポケットのお菓子のかすが多い。掃除で直る。箱そのものが割れていたら修理店
- スライダーが開いて噛まない——蝶棒は入るのに、引き上げると後ろで開いてくる、片側だけ通る。ペンチで軽く締めて直る
- エレメント(歯)の歪み——ある場所で毎回引っかかる。歯を1つずつ見て、曲がった歯があればそこ。金属なら少し戻せる、樹脂は起こす、欠けたら交換
見分けのコツは、「蝶棒が箱に入るかどうか」を先に見ること。入らないなら蝶棒か箱。入るのに噛まないならスライダーか歯。この二択で、次にやることが決まります。
蝶棒が入りにくいだけなら:箱の掃除・蝶棒を軽く磨く・ロウを塗る
- 箱の中を掃除。つまようじや細いピンセットで、箱の穴の中の糸くず・砂をかき出す。奥に詰まった細かいゴミは、掃除機の先を当てると取れます
- 蝶棒の先を磨く。先端が潰れて太くなっていたり、バリ(ささくれ)が出ていたりすると入らない。爪やすりか細かい紙やすりで、先端の角を軽く撫でる程度。削りすぎると今度は抜けやすくなるので、ほんの数回で止めて試す
- ロウを塗る。ロウソクか、ファスナー用のワックス、鉛筆の芯でもOK。蝶棒とエレメントの表面に薄く塗って、何度か開け閉めすると滑るようになります。食用油やハンドクリームはNG。布に染みてシミになり、ベタついて埃を呼んで、結局また詰まります
- 蝶棒が少し曲がっているだけなら、ペンチの先で挟んで真っすぐに戻す。ただし金属は曲げ直すと弱くなり、樹脂は割れることがある。一度で決めて、繰り返さない
スライダーが開いて噛まないなら:ペンチで軽く締める
蝶棒はすんなり入るのに、引き上げると後ろから開く。閉めた直後は良くても、動くと開く。これはスライダーの上下の板の間が広がって、歯を噛む力が弱くなった状態。ペンチで戻せます。
- スライダーを箱まで下ろす(歯を噛んでいない状態にする)
- ペンチで、スライダーの引き手と反対側の口の左右の端を、上下から挟む
- 「キュッ」と手応えがあったら止めて、動かして試す。足りなければまた少し。これを繰り返す
締めすぎると、スライダーが動かなくなって完全に壊れます。締めた分は戻せないので、必ず「少し・試す・少し・試す」。ペンチで挟む時に布や指を一緒に挟まないこと、金属の歯の先端で指を切らないように、歯の列を握らないこと。この2つは毎回意識してください。
スライダー自体がひび割れている・引き手が取れているなら、締めても戻りません。スライダーの交換記事で、自分で付け替える手順を書いています。
蝶棒が折れた・抜けた・箱が割れた——ここからは修理店
正直に言うと、蝶棒と箱は、自分で交換するのが一番難しい部品です。理由は、テープに圧着や溶着で固定されていて、外すとテープの端がほつれること。交換用の蝶棒や箱は売っていますが、専用の工具と慣れが要り、失敗すると丸ごと交換になるので、大事な上着ではおすすめしません。
- 蝶棒・箱の交換だけ:2,000〜5,000円前後。歯とテープが無事なら、この範囲で済むことが多い
- ファスナーを丸ごと交換:5,000〜10,000円前後。ダウンや裏地付きの上着は縫い直す範囲が広いので上の方。ファスナーの長さと素材(金属・樹脂)でも変わります
- 期間:1〜3週間が目安。冬物なら、シーズン中に混みます
買い替えるか直すかは、上着の値段と着る年数で。来年サイズが変わる子どもの上着に5,000円はもったいないので、我が家は今シーズンだけ裾を安全ピンで留めてしのぐこともあります。長く着る大人のコートやダウンは、直した方が安い。
また壊さないために
- 蝶棒を箱の奥まで差してから引く。浅いまま引くのが、蝶棒の先が潰れる一番の原因
- 閉める時は裾を持って、スライダーを真っすぐ上へ。斜めに引くと歯が歪む
- 洗濯前にファスナーを閉める。開けたまま洗うと、蝶棒が他の物に引っかかって曲がる
- シーズン初めにロウを一度塗る。滑りが良いと、無理な力をかけずに済む
ゆきこ( ゚Д゚)『長男のダウン、毎朝「閉まらない!」と叫ぶので見たら、箱の中にポケットのグミが溶けて固まってました。つまようじで掘り出して、ロウソクをこすったら一発。修理店に出す前に、箱の中をのぞく。これだけで我が家は3,000円浮きました』
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ファスナーの困りごとは症状別に分けています。ポーチやバッグで片方だけ外れた時は片方外れた時の3パターンの直し方、布を噛んで動かない時は深く噛んだ時の外し方、スライダーが割れた・引き手が取れた時はスライダー交換の手順へ。
まとめ:蝶棒が箱に入るかで二択。入らないなら掃除と磨き、噛まないならペンチ
- 上着のファスナーには蝶棒(差す棒)と箱(受け)がある。まず奥まで差してから引く
- 蝶棒が入らないなら箱の掃除・蝶棒を軽く磨く・ロウを塗る。食用油はNG
- 入るのに噛まないならスライダーをペンチで軽く締める。締めすぎ厳禁、布と指を挟まない
- 蝶棒が折れた・抜けた・箱が割れたは修理店へ。2,000〜5,000円前後、丸ごとなら5,000〜10,000円前後
- 予防は奥まで差す・真っすぐ引く・洗濯前に閉める・シーズン初めにロウ
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手順を1枚にまとめました。



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