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ダイニングチェアや学習椅子の座面、気づけば布がすり切れて、中のウレタンが沈んでいませんか。買い替えるほどでもないけれど、そのまま使うのも気になる。そんな時に候補に上がるのが、座面だけの張り替えです。道具は100円ショップでも揃い、布さえ選べば見た目もがらっと変わります。
ただし、先に結論をひとつ。張り替えができるのは、座面が本体から外せる椅子だけです。座面が固定式の椅子や、板そのものが割れている椅子は、布を替えても直りません。座面が外せるか見分ける方法、布の測り方、タッカーの打ち順、合皮で張る時のコツ、そして布を替えても直らない、椅子ごと替えたほうがいい線引きまで、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:座面が外せるか知りたい人|布のサイズを測りたい人|タッカーの打ち方を知りたい人|合皮で張りたい人|直すか替えるか迷っている人
先に安全——タッカーの針・ガス圧の椅子・割れた座面
座面の張り替えは、道具さえあれば手順自体はそう難しくありません。ただし、けがの心配がある作業なので、先に3つ約束してください。タッカーの針は跳ねる=手袋・保護メガネ・子どもを近づけない。針が変な角度で当たると弾かれて飛ぶことがあります。作業スペースから子どもとペットを離してから始めてください。そして針は打った数を数える。途中でやめた分、外し忘れた分がどこかに残っていると、あとで思わぬ所に刺さります。
もうひとつ大事な線引きがあります。座面の高さを変えられるガス圧式の昇降部(学習椅子・オフィスチェア)は分解しないでください。内部に圧の高いガスが入ったシリンダーで、無理に開けようとすると部品が飛び出す事故につながります。仕組みや、代わりの対処は学習椅子を分解していい?にまとめているので、ガス圧式の椅子を触る前に読んでおくと安心です。
そして、座面の板が割れた椅子は座らない=板を替えるか椅子を替える。板が割れたまま布だけ張り替えても、中の破損はそのままです。この線引きは最後の章で改めて触れます。
外せる座面の見分け方——裏の4本ネジか、ほぞで固定か
まず椅子をひっくり返して、座面の裏を見てください。四隅か、四辺の中ほどにネジが4本止まっていれば、座面は外せます。ドライバーで外すと、座面だけが独立した板として取り出せるので、作業がぐっと楽になります。
| 座面裏の様子 | 外せるか | この記事でできること |
|---|---|---|
| 四隅にネジ4本 | 外せる | 座面を外して、布・タッカーで張り替え |
| 木の突起(ほぞ)で脚とつながっている | 外せない | 張り替えは向かない。傷んだ布の上から重ねて仮の対処か、椅子ごと検討 |
ほぞ(脚と座面をつなぐ木の突起)で固定されているタイプは、無理に外そうとすると脚を壊しかねません。座面が一体になった椅子で布を新調したい時は、上から重ねて留める方法もありますが、この記事が扱うのは座面が独立して外せる椅子だけです。判断がつかない時は、無理に分解せず、次の章で外した座面のサイズの測り方から見ていきましょう。
布の裁ち方——縦横に厚みの2倍と10cmを足す
座面を外したら、次は布の大きさを決めます。測るのは3か所だけです。座面の縦・横・厚み。この3つの数字に、次の計算を当てはめます。
- 縦の布の長さ = 座面の縦 + 厚みの2倍 + 10cm(裏で留めるゆとり分)
- 横の布の長さ = 座面の横 + 厚みの2倍 + 10cm
- 柄がある布は、椅子を正面から見た時に柄が正しい向きになるよう、裁つ前に一度当てて確認
厚みの2倍を足すのは、座面の側面を包んで、裏に折り返す分を確保するためです。10cmのゆとりは、タッカーで留める時に手で引っ張って固定する分。ぎりぎりの大きさで裁ってしまうと、角の処理がきれいに決まらないので、少し大きめに裁つくらいがちょうどいいですよ。
タッカーの打ち順——前後から左右、最後に対角へ
布を座面に被せたら、いよいよタッカーで固定します。順番を守ると、布のたるみやしわが出にくくなります。
- 前と後ろの中央に1本ずつ。布を軽く引っ張りながら、中央を仮留め
- 左と右の中央に1本ずつ。ここも同じくらいの力で引っ張る。強く引っ張りすぎると布目がゆがむので、四方を同じ力で
- 中央から角に向かって、少しずつ間隔を詰めて打つ。最後に角は布をたたんで、目立たない位置にタック(折りたたみ)を作って留める
打ち終わったら、裏返して針の頭が浮いていないか、抜け残りがないかを確認してください。この時も打った数を数えていれば、抜けた針や余分な針がないか照らし合わせられます。座面を本体に戻す前の、最後の安全確認です。
合皮で張る時——伸びない生地は角にタックを入れて
合皮(合成皮革)は布よりも伸び縮みしません。この性質を分かったうえで扱うと、仕上がりがぐっときれいになります。
- 引っ張りすぎない。布のように伸びてなじむことがないので、強く引くと表面にしわや跡が残ります
- 角は切り込みではなく、たたんで処理(タック)。角を三角に折りたたんでタッカーで留めると、余った部分が目立ちにくくなります
- 脱脂・拭き取りは中性洗剤の薄め液で。強い薬剤は合皮の表面を傷めることがあります
合皮の座面は、布に比べて汚れに強い一方、数年で表面がはがれてくる性質もあります。汚れが気になる場合の手入れは椅子の座面の汚れ落としで、素材別にまとめています。張り替えたばかりの座面を長持ちさせる意味でも、あわせて読んでおくと役立ちます。
直さず椅子ごと替える線——板が割れた・ほぞが緩い・脚が折れかけ
張り替えは、あくまで座面の表面をやり直す作業です。中の板や脚に問題がある場合は、布を替えても解決しません。次のどれかに当てはまったら、布を新調する前に、椅子そのものを替えることを考えてください。
- 座面の板が割れている、ひびが入っている。板を替えるか、椅子ごと替える
- ほぞ(脚と座面をつなぐ木の突起)が緩んで、押すとぐらつく。接着や増し締めで直る範囲を超えている場合は買い替えの目安に
- 脚が折れかけている。座面がどれだけきれいでも、脚が持ちこたえられなければ座れません
- ウレタンが崩れて弾力がほとんど戻らない。布だけ替えても、座り心地は薄いままです
ガス圧式の椅子で座面が勝手に沈んでくる場合は、布の問題ではなくガスシリンダー側の劣化です。分解せず、買い替えや部品交換の相談先はオフィスチェアの分解と捨て方で扱っています。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、板が割れているのに布だけ替えるのはすすめません。座る場所の強さを決めているのは布ではなく、中の板と脚ですよね』
布とタッカーだけでできる張り替えは、座面の板と脚がしっかりしている椅子に向いた直し方です。手動のタッカーは針が跳ねるので、手袋と保護メガネがセットになった物を選んでおくと、道具をあれこれ探さずに済みます。
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ガス圧式の椅子を分解していいか迷っている人は学習椅子を分解していい?、オフィスチェアの座面が沈んできた人はオフィスチェアの分解と捨て方を先にどうぞ。張り替えたあとの座面の汚れが気になる人は椅子の座面の汚れ落としにまとめています。
まとめ:座面が外せるか確認してから。タッカーの針は数えて、板が割れたら椅子ごと替える
- 張り替えられるのは座面が外せる椅子だけ。裏の4本ネジで見分ける
- タッカーの針は跳ねる。手袋・保護メガネ・打った数を数える
- 布は縦横に厚みの2倍と10cmを足して裁つ。前後→左右→対角の順に打つ
- 合皮は伸びないので引っ張りすぎず、角はたたんで処理
- 板が割れた・ほぞが緩い・脚が折れかけは椅子ごと替える。布だけでは直らない
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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