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胸が張ってつらいのに、搾乳機が手元にない。夜中で買いに行けない、里帰り先に置いてきてしまった、そもそも買うほどでもないと思っていた。「何かで代用できないかな」と検索する気持ち、よく分かります。ただ、母乳と乳房は体そのものの話です。台所道具の代用と同じ感覚で「これで吸えば取れるかも」と考えると、皮膚の傷や痛みにつながることがあるんです。
先に結論をひとつ。搾乳機の代わりになるのは「道具」ではなく「手搾り」です。注射器や掃除機のような自作の吸引は使いません。手搾りのやり方は助産師さんに直接見てもらうのがいちばんで、この記事は「その前に知っておきたい一般的な話」だと思ってください。やってはいけない代用、手搾りの流れ、受け皿を何にするか、搾った少量をどう飲ませるか、痛みや傷が出た時にどうするか、代用が続く時の考え方まで、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:何かで吸えないか考えている人|今すぐ張りを楽にしたい人|受け皿で迷う人|搾った母乳を飲ませたい人|痛い・傷ができた人|代用が続きそうな人
先に「やってはいけない代用」——注射器・掃除機・自作の吸引器具は使わない
検索すると、注射器で吸う、ペットボトルを温めて押し当てる、掃除機やポンプで吸う、といった方法を見かけることがあります。どれもやらないでください。市販の搾乳機は、吸引の強さやリズム、乳房に当てるカップの形が、皮膚に負担をかけにくいように作られていて、しかも強さを自分で調整できます。代用品にはそれがありません。
- 注射器・スポイト・ポンプ・掃除機。吸引の強さが調整できず、皮膚の内出血や乳首の傷につながるおそれがあります。清潔も保てません
- 温めたペットボトルやコップを押し当てて真空にする。やけどの心配があるうえ、吸い付いた後に外せなくなったり、皮膚を強く引っ張ったりします
- 強く握って絞り出す。乳房の中の組織を傷めることがあり、痛みや腫れの原因になります。「搾る=力で押し出す」ではないんです
「少しくらいなら」と思うかもしれませんが、乳首の傷はいったんできると授乳のたびに痛んで治りにくく、そこから炎症につながることもあります。代用は、次の章の手搾りだけにしておきましょう。
手搾りの一般的な流れ——助産師の指導が最優先。力ではなくリズムで
手搾りは、道具がなくてもできる搾乳の方法です。ただし、手の位置や力の加減は人によってかなり違うので、文章や図で覚えるより、産院や母乳外来で助産師さんに実際に見てもらうのがいちばんの近道。ここでは、その前に知っておきたい一般的な流れだけをまとめます。
- 準備する。手を石けんで洗い、受け皿を先に用意します。温かいタオルで胸を温めたり、肩の力を抜いて座ったりすると、出やすくなると言われています。焦らず、深呼吸から
- 搾る。乳輪の少し外側に親指と人差し指を向かい合わせに置き、いったん胸の方へ押してから、やさしく挟むようにします。指の位置を少しずつ回して、いろいろな方向から。乳首そのものを引っ張ったり、こすったりしないのが大事なところです
- 切り上げる。張りがつらい時の手搾りは、楽になるところまでで十分。搾りきろうと長く続けると、かえって張りを繰り返す場合があると言われています。どのくらいまで搾るかは、状況によって助産師さんの考えが違うので、必ず相談してください
手搾りは「出ない」「少ししか取れない」と感じることも多いのですが、それは手の位置やタイミングのことも多く、量そのものの問題とは限りません。搾乳機を使っていても取れない時の考え方は搾乳機で母乳が取れない時に見直すことに書いていますが、どちらの場合も、量や体質を自分で判断せず、母乳外来で見てもらうのがいちばんです。
受け皿は何にする?——消毒した哺乳瓶か、広口の清潔な容器
「哺乳瓶で代用できる?」と聞かれることがありますが、哺乳瓶は搾乳機の代わりではなく受け皿です。手搾りで搾った母乳を受けるなら、消毒した哺乳瓶か、消毒できる広口の容器を使います。手で搾ると、母乳はまっすぐ落ちずにいろいろな方向へ飛ぶことがあるので、口が広い方が受けやすいんです。
| 受け皿 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 消毒した哺乳瓶 | そのまま飲ませる・冷蔵する時 | 口が細い。瓶を傾けて縁で受けると入れやすい |
| 消毒した広口の容器(計量カップ・耐熱のマグ) | いちばん受けやすい | 煮沸か薬液で消毒できる物。熱湯のやけどに注意 |
| 母乳バッグ | すぐ冷凍したい時 | 口が広がりにくい。容器で受けてから移す |
| 紙コップなど使い捨ての物 | 外出先でのしのぎ | 未開封の清潔な物を。飲ませる分はすぐ移す |
| タオル・洗面器 | 張りを楽にするだけで飲ませない時 | 受けた母乳は飲ませない |
どの容器も、飲ませるなら消毒した物が前提です。煮沸や薬液の使い方、乾かし方は哺乳瓶の洗い方と同じ考え方でそろえておけば迷いません。受けた母乳を保存する時の温度と時間、解凍の仕方は、搾った母乳の保存にまとめています。
搾った少量を飲ませる時——スプーンやカップは少量ずつ。新生児は医療者へ
手搾りで取れる量は、搾乳機より少ないことが多いです。その少量を飲ませたい時、哺乳瓶がなければスプーンや小さなカップで少しずつ飲ませる方法があります。産院でも新生児に対して行われることがある方法ですが、家庭でやるなら、いくつか気をつけたいことがあります。
- 縦抱きに近い姿勢で、赤ちゃんの下唇にカップの縁を軽く当てる。流し込むのではなく、赤ちゃんが自分で舐め取るのを待ちます。スプーンも同じで、口に入れて傾けるのではなく、唇に当てて待つ感覚です
- 少量ずつ。むせたり、嫌がったりしたらやめる。急がせると誤嚥につながります
- 新生児、早産で生まれた赤ちゃん、入院中や退院直後、体重の増えが気になる時期は、家庭で自己判断せず、産院や小児科に飲ませ方を相談してください。授乳の方法そのものが、赤ちゃんの状態で変わるからです
- 「哺乳瓶を使うと母乳を嫌がるようになる」という話を見かけますが、これは赤ちゃんによって違い、断定できることではありません。心配なら助産師さんに聞いてみてください
痛み・傷・しこり・熱が出た時——手搾りをやめて、助産師・産科へ
代用で無理をした時にいちばん怖いのが、ここです。次のどれかがあったら、手搾りを続けずに、産院・母乳外来・助産師さんに連絡してください。
- 乳首に傷・ひび割れ・出血がある、搾るたびに強く痛む
- 胸の一部にしこりがあって、押すと痛い、赤くなっている、熱をもっている
- 発熱や悪寒、体のだるさがある
- 張りが数日たっても楽にならない、片方だけ明らかに違う
「乳腺炎かも」と自分で決めて、強くもんだり搾りきろうとしたりするのは、かえって悪くすることがあります。原因も対処も人によって違うので、医療の判断は医療者に任せましょう。夜間や休日でも、産院の連絡先や自治体の相談窓口につながることが多いので、我慢しないでくださいね。
代用が続くなら——手動の搾乳機か、レンタルという選択
1〜2回のしのぎなら手搾りで十分ですが、毎日搾る、復職に向けて搾りためる、赤ちゃんが直接飲めないといった状況なら、道具があった方が体も時間も楽になります。手搾りを長く続けると、手や手首が疲れてしまう人も多いんです。
- 手動の搾乳機。電源が要らず、音が静かで、部品が少なめなので洗うのも楽。「まず1台」の選択肢になりやすいです
- 電動の搾乳機。毎日何回も搾るなら手が疲れません。産院やレンタルの業者から借りられることもあるので、買う前に試す手もあります
- 選ぶ時に見たいのは、カップのサイズが選べるか・部品が少なくて洗いやすいか・吸引の強さを弱くから調整できるか。買う前に知っておきたい面倒な点は搾乳機のデメリットに、毎回の洗い方は搾乳機の洗い方にまとめています
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、「代用」で調べる人ほど、体をいちばん大事にしてほしいと思います。道具の代わりはあっても、乳房の代わりはありませんから』
💡 この困りごとへの提案
手動の搾乳機は、電源がなくても使えて、部品が少ないぶん洗うのも早く済みます。吸引の強さを弱いところから調整できて、カップのサイズが選べる物にしておくと、痛みの心配が減りますよ。
あわせて読みたい
搾乳機を買うか迷っている人は、搾乳機のデメリットで「いらない人・助かる人」の分かれ目を先にどうぞ。使い始めてから思うように取れない時は搾乳機で母乳が取れない時に見直すこと、搾った母乳の冷蔵・冷凍と解凍は搾った母乳の保存、受け皿にする哺乳瓶の消毒は哺乳瓶の洗い方、夜中の授乳を楽にする道具で失敗しやすい点は調乳ポットで後悔した理由にまとめています。
まとめ:代用は手搾りだけ。自作の吸引器具は使わず、痛みや傷は受診
- 搾乳機の代わりは手搾り。注射器・掃除機・温めたペットボトルなど自作の吸引は使わない
- 手搾りは助産師の指導が最優先。温めて、乳輪の外側から、乳首を引っ張らない
- 受け皿は消毒した哺乳瓶か広口の容器。飲ませるなら消毒した物、保存は温度と時間で
- 少量はスプーンやカップで少しずつ。新生児や早産の赤ちゃんは医療者に相談
- 痛み・傷・しこり・発熱は手搾りをやめて受診。代用が続くなら手動かレンタルを
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手順を1枚にまとめました。



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