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ペダルを交換しようと外したはいいものの、グリスを切らしていることに気づく。よくある場面ですよね。ネジ部に何も塗らずに付けてしまっていいのか、家にある食用油やハンドクリームで代用できないか、と考える人も多いと思います。
先に結論をひとつ。グリスの代わりになる物とならない物は、はっきり分かれます。「とりあえず滑りをよくするだけの物」を塗ってしまうと、あとで固着したり、異音が出たりすることがあるんです。使える物・使えない物の早見表、塗る場所と量、塗らずに付けた時のリスク、締める向きまで、順番に見ていきましょう。
ケース別に読む:使える物・使えない物を知りたい人|塗る場所と量を知りたい人|塗らずに悩んでいる人|締める向きが不安な人|次に備えたい人
使える物・使えない物の早見表——食用油・ハンドクリーム・チェーンオイルは使わない
まず結論の早見表です。グリスの役目は「金属同士のかみ合いを保護し、水や錆から守ること」。この役目を果たせるかどうかで、使える・使えないがはっきり分かれます。
| 物 | 代用の可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 万能グリス・リチウムグリス | 使える | 本来の用途。金属の保護と防錆の役目を果たす |
| シリコングリス | 用途による | 樹脂部品向けの物もあるので表示を確認 |
| チェーンオイル・浸透油 | 使わない | 粘度が低く流れてしまうので代用にならない |
| 食用油 | 使わない | 酸化して固まる。異臭や腐敗の原因にもなる |
| ハンドクリーム・ベビーオイル | 使わない | 水分を含み、金属を守る力が弱い。脱落しやすい |
チェーンオイルは自転車用だから代用できそうに思えますが、ペダルのネジ部には向きません。サラサラした粘度でネジの奥まで流れてしまい、保護膜として残ってくれないんです。手元に万能グリスがない時は、無理に塗らずに次の章を先に読んでみてください。
ホームセンターやカー用品店にある「万能グリス」「リチウムグリス」と書かれた物であれば、自転車専用でなくても代用としては十分です。チューブ入りの小さな物なら、値段もそれほど高くありません。ただし、実際の値段は店や時期によって変わるので、ここでは金額を断定しません。
塗る場所と量——ネジ部に薄く一周
グリスを塗るのは、ペダルの軸にあるネジの部分です。クランク側のネジ穴ではなく、ペダル側の軸に切ってあるネジ山に、指先で薄く一周なでるくらいの量で十分です。塗りすぎると、余った分がクランクの外側にはみ出して、ズボンの裾や靴が汚れる原因になります。
作業の前に、古いグリスや汚れが残っていないか、乾いた布で拭き取っておくと、新しいグリスがなじみやすくなります。グリスは肌に付くとべたつきますし、目に入ると刺激があるので、作業中は手袋をして、子どもの手の届かない場所で保管してください。
塗り終えたら、ペダルをクランクにねじ込んでいきます。最初の数回転は手で軽く回し、抵抗なく入っていくことを確かめてから、工具で本締めするのが安全です。途中で急に重くなったら、ネジ山がずれているサインなので、一度戻してやり直しましょう。
塗らずに付けるとどうなる——固着・異音・なめる
「面倒だから何も塗らずに付けてしまおう」という判断は、あとで手間が増えやすいです。金属同士が直接こすれ合うと、次のようなことが起こりやすくなります。
- 固着する。ネジ山がさびついたようにくっつき、次に外そうとした時に外れなくなります
- 異音が出る。こぎ出しやペダルを踏み込むたびに、キーキー・ギシギシという音が鳴りやすくなります
- ネジ山をなめる。抵抗が強い状態で無理に締め込むと、ネジ山が壊れて、以後の締め付けが利かなくなることがあります
3つとも、交換した直後には気づきにくいのが厄介なところです。数か月後に「そういえば異音が出てきた」「次に外そうとしたら回らない」という形で表面化しやすいので、組み付けの時点で手を抜かないのが結局いちばんの近道なんです。
すでにペダルが固着して外れない場合は、この記事の範囲を超えるので、ペダルレンチの代用で固着した時の対処もあわせて確認してみてください。
締める向き——左は逆ネジ
ペダルを取り付ける時に、もう一つ気をつけたいのが締める向きです。自転車のペダルは、右側と左側でネジの向きが逆になっています。
右側は通常どおり時計回りで締まりますが、左側は反時計回りに回すと締まる「逆ネジ」です。これは、走行中の力の向きでペダルが自然にゆるまないようにするための構造なんです。逆ネジと知らずに力を入れると、締めているつもりで実はゆるめてしまっていることがあるので気をつけてください。
締め付けの強さは車種や部品によって違うので、説明書に記載がある場合はそちらを優先してください。締め終わったら、クランクを手で回してみて、ペダルがぐらつかないか、異音がしないかを確認する習慣をつけると安心です。
次に備える——ペダルレンチを用意しておく
今回はグリスの代用で乗り切れたとしても、ペダルの取り付け・取り外しは、これから何度か発生する作業です。専用のペダルレンチを一本持っておくと、薄いスパナ部分がクランクに干渉しにくく、作業がぐっと楽になります。
代用そのものについての考え方は、代用の考え方をまとめた記事でも触れているので、他の道具で困った時の参考にしてみてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『正直、グリスは百円ショップでも手に入るので、次に交換する予定があるなら先に買っておくのがいちばん楽だと思います。仕事柄、道具を使う場面では「代用より本来の物」を選ぶ方が結局早いと感じることが多いです』
ペダルの取り付け・取り外しをこれからも自分でやりたい人には、専用のペダルレンチが一本あると安心です。薄い工具なのでクランクを傷めにくく、力もかけやすくなります。
あわせて読みたい
ペダルの締め直しや逆ネジについてもっと詳しく知りたい人はペダルレンチの代用へ。ペダルからパキパキ・ギシギシといった音が気になる人は自転車のペダルの異音の見分け方を、他の道具の代用で悩んでいる人は代用の考え方もあわせてどうぞ。
まとめ:食用油・ハンドクリーム・チェーンオイルは使わない。左は逆ネジ
- 使えるのは万能グリス・リチウムグリス。食用油・ハンドクリーム・チェーンオイルは使わない
- 塗る場所はペダル軸のネジ部。薄く一周なでる程度の量で十分
- 塗らずに付けると固着・異音・ネジ山のなめの元。手間が増える
- 左ペダルは反時計回りで締まる逆ネジ。締め付けは説明書優先
- グリスは肌や目、子どもの手の届かない所で保管。次に備えてレンチも用意
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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