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椅子の脚や背もたれの塗装が、いつの間にかポロポロとはげてきた。座面の角、脚の付け根、よく手が触れる場所から、ぽつぽつと下地が見えている——木の椅子を長く使っていると、誰にでも起こることですよね。全部塗り直すのは大がかりに感じて、でも見た目が気になって、つい後回しにしてしまう箇所でもあります。
先に結論をひとつ言うと、剥がれ方によって、直し方は「部分補修で済む場合」と「全部剥がして塗り直す場合」に分かれます。いきなり全部を剥がす必要はなく、まずは剥がれの範囲を見極めることから始めましょう。ここでは、見極め方から部分補修の手順、全部塗り直す時の注意、ニスやペンキの上に塗れるかまで、順番に見ていきます。木部のカビや汚れも含めて丸ごと塗り替えたい時は、あとで紹介する記事もあわせて読んでみてください。
ケース別に読む:道具と安全を先に知りたい人|剥がれ方の見分け方を知りたい人|部分だけ直したい人|全部塗り直したい人|ニスやペンキの上に塗りたい人
先に安全——換気・手袋・粉じんを吸わない
塗装を扱う作業は、必ず窓を開けるか屋外で行い、手袋をつけてから始めてください。古い塗膜をサンドペーパーで削ると細かい粉が出ますが、この粉は何が混ざっているか分からないので、吸い込まないようにマスクを。粉が舞いにくい水研ぎ(サンドペーパーを水で濡らしながら削る方法)もおすすめです。溶剤系の塗料や剥離剤を使う時は、必ず屋外で、製品の表示どおりに使ってください。
作業前には、養生も忘れずに。床や周りの家具に新聞紙やマスキングテープを敷いておくと、粉や塗料が飛んでもあとの掃除が楽になります。特に集合住宅のベランダで作業する時は、風向きにも気をつけたいところです。
- 作業中も乾かしている間も、子どもの手が届かない場所で。塗料や道具は出しっぱなしにしない
- 子ども用の椅子を塗る時は、乾いたあとも口に入れる前提で、塗料のパッケージに書かれた対応(食品が触れる物への使用可否など)を確認してください。効果や安全性を断定はできないので、必ず表示で確かめること
- 塗料が完全に乾く前に座らない。ベタつきが残っているうちは、服や肌について広がってしまいます
剥がれ方で分ける3つ——点の剥げ・面の剥がれ・ベタつき/白化
直し方を決める前に、まず剥がれ方を見てみましょう。同じ「塗装が剥がれた」でも、範囲と状態によって対処はかなり変わってきます。
「点の剥げ」は、脚の先や座面の角など、よくぶつける場所に多いタイプです。範囲が狭ければ部分補修で十分。「面の剥がれ」は、ある程度の広さでめくれてきている状態で、浮いている部分だけをはがして塗り直します。「ベタつき・白化」は、塗膜そのものが古くなって寿命を迎えているサインなので、部分補修よりも全体の塗り直しを考えた方が、仕上がりも長持ちも安心です。
迷った時は、爪の先で軽く塗膜を押してみてください。浮いている部分はぺこぺこと動く感触があり、しっかりくっついている部分は動きません。この「動くかどうか」を触って確かめるだけでも、点なのか面なのかの見当がつきやすくなります。
部分補修の手順——サンドペーパーから水性の補修塗料へ
点の剥げや、小さな範囲の面の剥がれなら、全部を剥がさず部分補修で済ませられます。手順はシンプルです。
木部用の水性補修塗料は、ホームセンターや100円ショップでも見かけるようになりました。クレヨンのように塗り重ねて色を作るタイプもあります。ただ、正直に言うと、部分補修は色が周りと完全には一致しません。近くで見れば分かる程度の差は残ると思って、過度な期待はしない方が気が楽です。それでも遠目には目立たなくなりますし、傷から水が染み込むのを防ぐ意味でも、やっておく価値はあります。
塗料は一度にたくさん塗るより、薄く何度か重ねる方がムラになりにくいです。1回塗ったら表示の時間だけしっかり乾かし、様子を見てから次を塗る。焦って厚塗りすると、乾いたあとにひび割れやすくなってしまいます。
全部剥がして塗り直す時——浮いている塗膜だけ、剥離剤は屋外
ベタつきや白化が全体に出ている場合、あるいは面の剥がれが広範囲に及ぶ場合は、いっそ全部剥がして塗り直す方が、結果として仕上がりがきれいになります。ただし、ここで気をつけたいのは「剥がすのはあくまで浮いている塗膜だけ」ということ。しっかりくっついている部分まで無理に剥がす必要はありません。剥離剤を使う場合は必ず屋外で、製品の表示どおりの時間と手順を守ってください。長く放置しすぎると木部を傷めることがあります。
壁紙の傷やへこみを直す時の「無理に広げず、必要な範囲だけ」という考え方は、椅子の塗装でも同じです。壁紙の汚れやへこみの直し方でも近い考え方を紹介しています。全部剥がして塗り直すか迷った時は、養生テープの代用で紹介している「境目をきれいに区切る」考え方も参考になりますよ。マスキングをしっかりしておくと、脚だけ塗る時も塗料がはみ出しにくくなります。
脚だけ剥がして座面はそのまま、という部分的な塗り直しもできます。ただし色の差がはっきり出やすいので、脚と座面を別の色にするつもりで割り切るか、目立ちにくい同系色でそろえるかを、剥がす前に決めておくと仕上がりに納得しやすくなります。
ニス・ペンキ・オイルの上に塗れるか——そのまま使う線もある
「今の塗装の上から、別の種類の塗料を塗れるか」は、よく聞かれる質問です。目安は「同じ系統かどうか」。ニスの上にニス、ペンキの上にペンキのように同じ系統であれば、軽くサンドペーパーをかけてから重ね塗りできることが多いです。違う系統に変えたい時は、表面を目の細かいサンドペーパーで荒らして「足付け」をしてから塗ると、密着がよくなります。ただし製品によって相性が違うので、断定はできません。塗料のパッケージに書かれた適合表示を必ず確認してください。
ゆきこ( ゚Д゚)『見た目だけの小さな剥げなら、無理に手を出さずそのまま使う、という判断もありだと思います。座る強さには関係ない傷なら、気にしすぎなくて大丈夫ですよ』
脚だけ、背もたれだけの部分補修で十分なら、木部用の水性補修塗料が1本あると次に剥げた時もすぐに直せます。全体を丸ごと塗り替えたい時や、木部のカビ・汚れが気になる時は、木の椅子の塗り替えとカビに手順をまとめました。
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木の椅子を丸ごと塗り替えたい時や、木部のカビが気になる時は木の椅子の塗り替えとカビへ。見た目をリメイクシートや布で変えたい時は椅子のリメイク・座面と背もたれもどうぞ。パイプ椅子の座面の張り替えはパイプ椅子のリメイクと張り替え、壁のへこみや汚れの直し方は壁紙の汚れやへこみの直し方にまとめています。
まとめ:剥がれ方を見極めてから、部分補修か全部塗り直すか決める
- 先に剥がれ方を見極める。点の剥げ・面の剥がれ・ベタつきで対処が変わります
- 換気・手袋・マスクが基本。古い塗膜の粉は吸い込まないよう水研ぎで
- 部分補修はサンドペーパーと水性の補修塗料。色の完全一致は期待しすぎない
- 全部剥がす時も浮いた塗膜だけ。剥離剤は屋外で表示どおりに
- 塗り重ねは同じ系統が基本。違う系統は足付けをしてから
保存版:この記事の早見表
手順を1枚にまとめました。



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