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ケースに戻したはずなのに、朝になったら充電されていない。片方だけランプが点かない。昨日までは普通だったのに、と思いながらケーブルを挿し直してみる。ワイヤレスイヤホンを一年も使っていると、たいてい一度は出くわす場面です。
メーカーのサポートページを見にいくと、そのメーカーの手順は丁寧に書いてあるのですが、うちのはそのメーカーじゃない、という時に困ります。ただ実のところ、この症状の原因は機種が違ってもほとんど同じところに集まります。構造がどれも似ているからです。
いちばん多いのは、故障でも寿命でもなく充電端子の汚れ。耳の中で使うものなので、耳垢と皮脂が少しずつ端子に移っていきます。この記事では、どこを疑ってどう確かめるかを、機種を問わない順番で並べていきますね。
最初の分かれ道は「片方だけか、両方か」
ここを先に決めておくと、あとの手間がだいぶ減ります。
片方だけ充電されない場合は、イヤホン本体側の可能性が高い。ケースの回路は左右で共通していることが多いので、片方だけ症状が出るなら、その側の接点か、その側の電池を疑います。
両方とも充電されない場合は、ケース側です。ケーブル、充電器、ケースの差込口、ケース自体の電池。この四つのどれかであることがほとんどです。
確かめ方は簡単で、左右を入れ替えてケースに置いてみるだけです。入れ替えても同じ側のイヤホンが充電されないなら、そのイヤホン本体の問題。入れ替えたら症状が反対側に移ったなら、ケースの穴のほうに原因があります。
原因の大半は、端子に溜まった耳垢と皮脂です
ワイヤレスイヤホンの充電は、ケースの底にある金属の接点と、イヤホン側の金属の接点が触れることで行われます。ケーブルのように差し込むのではなく、ただ触れているだけ。だから、あいだに何かが挟まると、それだけで電気が流れなくなります。
そして挟まるものは決まっています。耳の中に入れて使い、そのままケースに戻すので、耳垢と皮脂が端子へ移っていくのです。乾いた耳垢は粉状で目立ちませんし、皮脂は透明なので、パッと見では汚れているように見えません。ライトを当てて斜めから覗くと、接点のところだけ曇っているのが分かることがあります。
「昨日まで普通だったのに」というのは、汚れが少しずつ積もって、ある日ついに閾値を越えた、という現れ方をするからです。急に壊れたわけではありません。
接点の掃除:やり方と、やってはいけないこと
用意するものは、綿棒と、あれば消毒用エタノール、それに乾いた柔らかい布です。
- まず乾いた綿棒だけで、接点をなでるように拭きます。粉状の耳垢はこれで落ちます
- 落ちなければ、綿棒の先に消毒用エタノールをごく少量つけて、同じようになでます。びしょびしょにしないのがこつです。綿棒を一度ティッシュに押しつけて、余分を取ってから使ってください
- イヤホン側だけでなく、ケースの穴の底にある接点も拭きます。ここが見落とされがちで、片方だけ充電されない時の犯人になっていることがよくあります
- 完全に乾いてから、ケースに戻します。エタノールはすぐ揮発しますが、数分は置いてください
そしてここが大事なところです。
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 爪楊枝・つまようじ・針でこそげ取る | 接点の金属メッキが削れます。剥がれると二度と直りません |
| ピンセットや安全ピンを差し込む | 同上。さらに短絡させる危険があります |
| 水で洗う・水を含ませた布で拭く | 水は乾きにくく、内部に残ります |
| エタノールをたっぷり流し込む | 接点の隙間から内部へ入ります |
| 掃除機で吸う | 静電気が起きます。イヤーピースも吸い込みます |
| 分解して中を拭く | 保証の対象外になります。防水性能も失われます |
「固いもので削れば取れるのでは」という発想は自然なのですが、この端子はメッキの薄い層で電気を通しています。削った瞬間に直る場合もありますが、そのあと確実に悪化します。柔らかいものだけで、というのはここが理由です。
ケース側を疑う時に試す順番
両方とも充電されない場合は、外側から順に外していきます。
- 別のケーブルに替えてみる。ケーブルは見た目で断線が分かりません。他の機器で使えているケーブルに替えるのがいちばん早いです
- 別の充電器(アダプター)に替えてみる。パソコンのUSBポートは出力が弱いことがあるので、コンセントのアダプターで試してください
- ケースの差込口を拭く。ポケットに入れている方は、綿ぼこりが奥に詰まっていることがあります。ここも乾いた綿棒で。細い棒でほじらないでください
- ケースを一晩挿しっぱなしにして、翌朝ランプを見る。ケース自体の電池が空だと、イヤホンに配る電気がありません
それでも動かない場合は、多くの機種にリセット操作があります。名前はメーカーによって「リセット」「ペアリング初期化」などさまざまですが、考え方は共通していて、ケースのボタンを長押しする、あるいはイヤホンを入れた状態で一定時間押し続けるという形が多いです。取扱説明書か、型番で検索すると出てきます。
掃除しても直らない時、修理か買い替えか
ここは金額の話になります。ワイヤレスイヤホンの内蔵電池は、ユーザーが交換できる設計になっていない機種がほとんどです。小さな筐体に接着で組み込まれているためです。
メーカー修理を受け付けている場合でも、電池の劣化は多くが有償で、片側だけの交換ではなく本体一式の交換になることがあります。そうすると、金額が新品の価格に近づいてきます。
| 状況 | 向いている選択 |
|---|---|
| 保証期間内で、購入から日が浅い | まず購入店・メーカーサポートへ。自分で分解しないこと |
| 掃除で直った | そのまま使えます。月に一度拭く習慣にすると再発しません |
| 片方だけ電池の持ちが極端に短い | 電池の劣化。片側だけの部品販売がある機種なら安く済みます |
| 購入から2〜3年、両方とも持ちが落ちた | 寿命の範囲です。買い替えのほうが結果的に安く済みます |
| 水に落とした後から充電できない | 内部の腐食の可能性。乾かして様子を見ます |
水に落としてしまった場合は、充電できないこと自体より先にやってはいけない手当てがあります。そちらはワイヤレスイヤホンを水没させた時の手順にまとめました。濡れたまま充電するのは、この記事のなかでいちばん避けてほしいことです。
買い替えを考える段になったら、機種ごとの違いを見比べておくと後悔が減ります。同価格帯でも、装着感や操作方式でずいぶん使い勝手が変わります。たとえば同じシリーズの型番違いを比べた記事のような形で、数字ではなく使い方の側から選ぶと外しにくいです。実物を探すなら楽天市場でワイヤレスイヤホンを見る/Amazonで見るから、装着方式と充電ケースの形を見てみてください。
ゆきこ( ゚Д゚)『ちなみに、掃除で直った時のがっかり感、けっこうあります。あんなに悩んだのに綿棒一本かい、という』
次に同じことにならないために
接点の汚れが原因である以上、対策も接点まわりの話になります。
- 耳から外したら、イヤーピースと本体を乾いた布でひと拭きしてからケースへ。これだけで溜まり方が変わります
- 月に一度、綿棒で接点を拭く。汚れる前に拭くのがいちばん楽です
- ケースを裸でポケットや鞄に放り込まない。綿ぼこりの供給源になります
- 湿ったまま蓋を閉めない。汗をかいた後は、少し置いてからしまうとにおいも防げます
最後の項目は、実はにおいの対策でもあります。ケースの中で湿気がこもると、接点の汚れと同じ場所で雑菌が増えます。においが気になり始めた方はワイヤレスイヤホンが臭う原因のほうも見てみてください。原因の場所が、ほとんど同じところにあります。
それから、そもそも操作面で不満がある場合。触れただけで音楽が止まってしまうタッチ操作については、タッチ操作を切りたい人向けの記事を用意しています。
まとめ:順番どおりに外していけば、たどり着きます
- 最初に片方だけか、両方かを決めます。片方ならイヤホン側、両方ならケース側です
- 左右を入れ替えて置いてみると、本体の問題かケースの穴の問題かが分かります
- 原因の多くは耳垢と皮脂による接点の汚れです。故障ではありません
- 掃除は乾いた綿棒から。落ちなければ消毒用エタノールをごく少量。ケース側の接点も忘れずに
- 爪楊枝・針・ピンセットで端子をこすらないでください。メッキが削れると元に戻りません
- 水洗いと分解はしないでください。防水性能と保証を失います
- 両方駄目な時はケーブル・充電器・差込口・ケースの電池を外側から順に
- 多くの機種にリセット操作があります。型番で調べると出てきます
- 内蔵電池は自分で交換できない設計がほとんど。2〜3年で持ちが落ちるのは寿命の範囲です
- 予防は外したらひと拭き・月一で接点を掃除・湿ったまましまわないの三つです
保存版:この記事の早見表
片方か両方かの分かれ道から、掃除の手順、やってはいけないことまでを1枚にまとめました。ケースを手に持ちながら、上から順にたどってみてください。



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