鴨肉が硬い時——焼きすぎ・切り方・部位で見直すこと

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鴨肉を焼いたのに、噛んでも噛み切れない。切った断面は赤くないのに、全体がパサついて硬い。せっかくの鴨肉でこうなると、がっかりしますよね。

先に結論をひとつ。硬く感じる理由は、焼きすぎ・厚く切りすぎ・繊維に沿って切ったの、どれかに当てはまることが多いんです。しかも、火を通すこと自体は変えません。鴨肉も鶏肉と同じように、中心までしっかり火を通して食べるお肉です。火を弱めて硬さをごまかすのではなく、切り方と焼き方の順番を見直していきましょう。

あなたはどれ? 状況から自分の章へなぜ硬いのか知りたい→焼きすぎ・厚切り・繊維の向き第1章へ ▶切っても噛み切れない→繊維を断つ向きに薄く切る第2章へ ▶焼くと縮んでパサつく→皮に切れ目・焼きすぎを見直す第3章へ ▶煮る料理で硬い→薄切りにして入れる順番を見る第4章へ ▶部位が分からない→パックの表示で確かめる第5章へ ▶

ケース別に読む:原因を知りたい人|切り方を見直したい人|焼き方を見直したい人|煮る料理の人|部位を知りたい人

4コマ漫画|鴨肉が硬い困った場面焼いたのに噛み切れない…焼いた鴨肉1噛んでも噛み切れず困るやりがち:厚切り厚めに切ろうもっと焼こう厚切りと焼き足し2厚切りと焼きすぎ正しい対処少し休ませて薄く切ろう繊維を断つ向き3休ませて薄く切る結果噛み切れた!食べやすい薄切りの鴨肉4中までしっかり火を通す

硬くなる原因の早見表——焼きすぎ・厚切り・繊維の向き

「硬い」と一言で言っても、口の中で起きていることはいくつかあります。まず、いまの状態に近い行を探してみてください。原因が分かると、直す場所がひとつに絞れます。

こんな状態 考えられる原因 見直すところ
噛んでも筋が口に残る 繊維に沿って切った・厚く切った 繊維を断つ向きに、薄く切る
全体がパサパサして縮んでいる 焼きすぎ・焼きっぱなし 火から外して休ませる、皮に切れ目を入れる
皮がゴムのように噛みにくい 皮目の脂が出きっていない 皮目を下にして、じっくり脂を出す
煮ても硬いまま 厚切り・肉を入れるのが早い 薄切りにして、最後に加える

どの行にも共通しているのは、「もっと焼けば柔らかくなる」は逆効果になりやすいということです。鴨肉は赤身の色をした、締まりのあるお肉。火を入れすぎると水分が抜けて、かえって締まってしまいます。硬いと感じたら、焼く時間を延ばす前に、切り方と休ませ方を見直す方が近道です。

なお、鶏肉との違いや、においが気になる時の下ごしらえは別の記事にまとめています。香りの話は鴨肉が臭い時、鶏肉と置き換えていいかは鴨肉と鶏肉の違いをどうぞ。

切り方で変わる——繊維を断つ向きに薄く切る

焼き上がりが同じでも、切り方ひとつで食べやすさは大きく変わります。お肉の繊維は、細い糸の束のように一方向に走っています。この糸に沿って切ると、一口の中に長い繊維が残って噛み切りにくくなります。反対に、糸を横切る向きに刃を入れると、繊維が短く切れて、ほろっと噛み切れます。

薄く切るまでの流れ1火から外す少し置いて落ち着かせる→2繊維の向きを見る筋の線がどちら向きか→3直角に薄く切る刃を寝かせて引く
  • 焼いたらすぐ切らない。火から外して、少し置いてから切ります。すぐ切ると肉汁が流れ出て、パサつきの原因になります
  • 繊維の向きを見る。切り口に細い線が見えるので、その線と直角に刃を当てます
  • 薄く切る。厚切りは見映えがしますが、噛み切る力が要ります。薄いほど食べやすくなります
  • 刃は大人が持つ。お肉は滑りやすいので、押さえる手を刃の進む先に置かないでください

小さい子や、噛む力が弱くなってきた家族に出す時は、さらに薄く、小さめに。これは硬さだけでなく、のどに詰まらせないためでもあります。年齢に合わせて、食べる様子を見ながら出してください。

焼き方の見直し——皮に切れ目・焼きすぎない・休ませる

次は焼き方です。鴨肉は皮の下に厚い脂があるので、皮目の扱いで仕上がりが変わります。

焼き方の見直しOKNG皮に切れ目を入れる焼いたら休ませる焼き足し続ける切れ目なしで加熱

皮に浅く切れ目を入れておくと、脂が出やすくなり、焼いている間に皮が縮んで肉を引っ張るのも和らぎます。縮みが少ないと、肉が詰まって硬くなるのも防げます。切れ目は皮だけに入れて、身まで深く切らないのがコツです。

そして、焼き足し続けないこと。「まだ硬そうだから、もう少し」と焼き足すほど、水分が逃げていきます。中心までしっかり火が通ったら、そこで火から外して休ませる。この区切りを決めておくと、焼きすぎを防げます。中が生っぽいかどうか不安な時は、切り分けてから加熱し直してください。生のまま食べることはしないでください。

焼いている最中は、お肉を返す動きが多くなります。フォークで刺すと肉汁が出てしまうので、トングで挟んで返すと、形が崩れず扱いやすくなります。

皮目を焼く時は、フライパンに置いたらすぐ動かさず、皮の色が変わって脂が出てくるのを待つ、という考え方です。何度もひっくり返すと、皮がうまく焼けずに噛みにくいまま残りがちです。焼いている間に出た脂は、そのまま使うのではなく、キッチンペーパーなどで拭き取りながら進めると、仕上がりが軽くなります。跳ねやすいので、やけどには気をつけて、小さい子は台所に近づけないようにしてください。

煮る料理・鍋で硬い時——薄切りと入れる順番

鍋やそばなど、煮る料理で鴨肉が硬くなる時は、焼く場合と少し原因が違います。多いのは、厚く切った肉を早い段階から入れて、長く煮てしまったことです。

煮る料理の考え方1薄切りにする火の通りがそろう→2野菜を先に入れる肉は後から加える→3中までしっかり切って色と固さを見る
  • 薄切りにする。薄いほど火の通りがそろい、煮すぎずに済みます
  • 肉は具の最後に。野菜やだしを先に整えて、肉は後から入れます
  • 色と固さで見る。外側だけでなく、中まで火が通っているかを切って確かめます。時間の目安に頼りすぎないでください
  • 加工品は表示どおり。市販のスライスやローストなどは、袋の食べ方の表示に従います

煮汁に脂が浮いてくるのは、皮と脂のあるお肉らしい特徴です。気になる時は、お玉で軽くすくって調えると、口当たりが軽くなります。

部位と表示の見方——ロース・ももで食感は変わる

同じ鴨肉でも、部位が違えば食感が変わります。パックに部位名が書いてあれば、焼き方を合わせる手がかりになります。

売り場の表示 食感の考え方 向く切り方・使い方
ロース 焼きすぎるとパサつきやすい部位として扱われる 薄切りにして、焼いたらすぐ休ませる
もも 筋が多く、噛みごたえを感じやすい 繊維を断つ向きに、さらに薄く
加工品(ロースト・燻製など) すでに味や加熱がついている 袋の表示どおりに食べる
部位の表示なし 分からない 薄切り・短めで様子を見る。表示や問い合わせ先で確かめる

買う時は、パックの裏の表示を一度見ておくと安心です。部位名のほか、加熱用か、そのまま食べられる加工品かも書かれています。加熱用のお肉を、そのまま食べる物と取り違えないようにしてください。部位による違いは、育ち方や処理の仕方でも変わります。「ロースだから必ず柔らかい」とは限らないので、パックの表示や売り場の説明を目安にしてください。

よくある迷い——硬いからと生っぽく戻したくなる時

硬くなって失敗した後に、次こそは柔らかく、と考えて、焼く時間を極端に減らしたくなることがありますよね。けれど、鴨肉は中心までしっかり火を通すのが前提です。柔らかさは、火の通し方を減らして出すのではなく、切り方・休ませ方・皮の扱いで引き出します。

  • 中が赤く見える時。赤身の色なのか、火が通っていないのか迷う時は、切り分けて加熱し直します。迷ったら食べないでください
  • においや見た目が気になる時。ぬめりがある、いやなにおいがする、変色が広がっている時は食べないでください。においだけで決めず、見た目や手ざわり、パックの状態と合わせて判断します
  • 生のまま・半端な加熱で出さない。小さい子、高齢の家族、妊娠中の人にはとくに、しっかり火を通してください
  • 調理器具や手。生の肉に触れた手や包丁、まな板は、ほかの食材に使う前にしっかり洗ってください

ゆきこ( ゚Д゚)『鴨肉が硬いと、焼き方の失敗だと思い込みがちですよね。でも実は、切り方を変えるだけで食べやすくなることが多いと思います。まず、刃を入れる向きから見直してみてください』

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肉を焼く時の火加減や休ませ方の考え方はハンバーグをうまく焼くコツにも通じます。鴨肉の香りが気になる時は鴨肉が臭い時、鶏肉の代わりに使えるかは鴨肉と鶏肉の違いをどうぞ。

まとめ:硬い時は焼き足さず、休ませて繊維を断つ向きに薄く切る

  1. 原因は3つ。焼きすぎ・厚切り・繊維に沿った切り方のどれか
  2. 焼いたら休ませる。すぐ切らず、肉汁を落ち着かせてから
  3. 繊維を断つ向きに薄く。刃を直角に当てるのが基本
  4. 皮に切れ目を入れる。脂が出て、縮みも和らぎます
  5. 中心までしっかり火を通す。迷ったら食べない、加工品は表示どおり

保存版:この記事の早見表

手順を1枚にまとめています。

鴨肉が硬い時の早見表:硬くなる原因は焼きすぎ、厚切り、繊維に沿って切ったことのどれか。焼いたらすぐ切らずに少し休ませ、繊維を断つ向きに薄く切る。皮に浅く切れ目を入れて脂を出し、焼き足し続けない。煮る料理は薄切りにして肉を最後に入れる。部位はロースは焼きすぎに注意、ももは筋が多いのでさらに薄く、加工品は表示どおり。鴨肉は中心までしっかり火を通し、生や半端な加熱では出さない。ぬめりやいやなにおいがあれば食べず、迷ったら食べない

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